栗城: 他にも山の上でカラオケをやったり、流しそうめんをやったり、いろいろチャレンジしましたね。
はっきり言って、エベレストって苦しい世界じゃないですか。でも、苦しい苦しいと言ってるだけでは、人間、本当にきつくなってしまう。だから、真逆のくだらないことをあえてやることで、その中継をやってくれる人も含め、仲間みんなで盛り上がりたいなと。それで標高7400mの地点でカラオケをやって、ネットで中継したんです。「たぶん世界でいちばん高いところでやったカラオケだぞ」とか言って、2曲歌いました。
安藤: 確か『We are the World』を歌ったんですよね。
栗城: 英語があんまりできないので、サビしか歌えなかった(笑)。
安藤: エベレストに一人で無酸素で登るのは、もちろん孤独で苦しいことだと思うんですけど、その苦しい世界をみんなで楽しく共有するっていうのは、まさにおっしゃるように「真逆」の発想ですよね。ビジネスとしても、すごく良い考え方だと思います。たとえば、「シルク・ドゥ・ソレイユ」ってあるでしょう?
栗城: サーカスですね。
安藤: そう、世界ナンバーワンのサーカスです。シルク・ドゥ・ソレイユって、それまでのサーカスの特徴をすべて引っ繰り返した手法で成功したんですよ。たとえば、普通のサーカスではいるはずの動物もピエロもいない。チケットは高い。音楽も、いかにもサーカスという騒がしい感じのものではなくて、クラシカルで荘厳な曲をかける・・・。
このシルク・ドゥ・ソレイユのやり方が、栗城さんと重なって見えるんですよ。両方とも、従来のやり方の「真逆」をやって人気を集めた。
僕のライバルはプロ野球やサッカーです
栗城: 僕の場合、まず単純に「面白いことをやりたい」という気持ちがすごく強かったんですね。もう一つ、登山っていうのは本来、もっと自由に発想していい場じゃないかと考えていました。
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