栗城史多×安藤美冬 【第2回】 「苦しいエベレスト挑戦もみんなで楽しみたい」 すべてをリアルタイムで伝える登山家が目指す夢

2012年09月02日(日) 安藤 美冬
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栗城: 人がどう受け取っているかはわからないですけど、僕、自分にとってマイナスなことって存在しないと思っているんですよ。たとえばこれまで3回、エベレストに挑戦して、うまく行かなかった。つらい経験ですし、マイナスではありますけど、そういうことがあれば、達成できたときの感動や喜びがそれだけ大きくなりますよね。

 あと、失敗談を笑いのネタにするって素敵じゃないですか。そういう風に考えれば、マイナスなことも楽しめる、マイナスなんて存在しないことになる。僕、人生は悪いことも含めて、全部ネタだと思っているので。

講演後のサイン会は必ず立ったままやる

安藤: 自分の人生を全部コンテンツ化しているわけですね。AKB的手法の中でとても重要な部分です。悩みとか葛藤、喜びといった感情だけでなく、たとえば「プリンをよく食べる」といった他愛のないことまで自分のコンテンツとして、発信していく。

栗城: へー、僕がプリンを食べるなんて、よく知ってますね。

安藤: めっちゃ研究してますから、栗城さんのこと(笑)。そうやって全部自分を見せた上で、ちょっととぼけてみたり、その次には「やっぱり強い孤高の登山家」みたいな面をアピールしたりして・・・。

栗城: (シャツの中に手を入れて上腕部をごそごそ掻いた後に)あれ? 今、わきのあたりを触っていたら、なんか変な毛が出てきました。わき毛かな(と見せる)。

安藤: 本当にこういうとぼけたやり方が人を魅了するというか・・・。ずるっぽい手をやるんだから。

栗城: いやいや、どうもすみません。

安藤: AKB48も基本的に自分たちのことを全部見せる手法ですからね。最初は秋葉原のAKB劇場で、お客さんがほんの数人しかいないところから始めて、6年後には東京ドームに進出していた。その6年間の足跡を、秋元康さんは余すところなく見せて、人の心を掴んでいったんです。今の時代の、ドキュメンタリー的なアイドルの売り方ですよね。

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