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MWSが顕微鏡下の世界を伝えるコーナーです。 日々の業務メモやちょっとした記事もここに記します 【サイトトップ】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2008年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2009年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2010年1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【9月】 【10月】 【11月】 【12月】 【2011年1月】 【2011年2月】 【今月】 2011年3月20日(2)
http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180577.html 2011年3月20日
文部科学省のホームページには,上の画像のように,放射線モニタリングの結果が掲載されています。けっこう不親切な表示で,多くの方が知りたい,「福島県」が,ぱっと見るとないように見えます。よーく見ると,福島第一原子力発電所周辺,というリンクがありますから,なるほど,それは一応,福島県ですね。そこでクリックしてみますと,次の画像が表示されます。 これは画面を等倍で切り出したものですけど,読者の皆様,数値がぱっと読めるでしょうか?わざと縮小したjpg画像にして,数字を小さくして,地図の文字を薄くして,どこの地点がどのくらいの数値なのか,わかりにくいようにしてあります。情報操作のイロハのイです。多くの人は,この地図から,正確に福島市の放射線量を読み取ることをあきらめると思います。ほかのページには,きちんと読み取れるPDFが用意してあるのですが,それならば,トップページからきちんと見えるようにすべきでしょう。国民に必要な情報を最適な手段で与えることを怠ったやりかたは,卑劣としかいいようがありません。 福島第一原発から北北西に汚染域が広がっていることがわかります。5μSv/hを越える高レベルの汚染域がかなり見られます。2,3,31,32,33,34,46,61,62,63の測定点では10μSv/hを越えており,この値が続くようなら(続くと考えられます)避難も考えなければなりません。この高レベルの汚染は,すでに15日夜の測定で認められていますので,かなり初期の水素爆発時(1号機?)に,放射性物質が風で運ばれてこれらの地点に降下したものと考えられます。 2011年3月19日 (2)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103180413.html 2011年3月19日
きょうは風のお話にしましょうか。今のところ,一般市民がいる場所では壊滅的な放射線レベルにはなっていませんが,これは風によるところが大きいのです。日本には偏西風が吹いていますから,大局的には西から東に風が吹きます。このおかげで,放出された放射性物質が太平洋に向かいます。もし,風が陸上に向かうと,現在のようなレベルの汚染では済まされず,避難区域はるかに大きくります。半径100〜200キロ圏内でも危険な場所になる可能性も否定できません。 2011年3月18日
きょうは少し放射線の数字と避難に関するお話をしたいと思います。原子力災害においては,ある場所で,どのくらいの放射線量かが,安全を確保する上で決定的に重要です。ですから,放射線量に関する数字は,地球に住んでいる人はみんな知っておいた方がいいのです。 2011年3月17日
筆者は環境リテラシーの向上を目的として,文化系大学において環境論を5年間ほど担当していました。その中で原子力利用に関する諸問題を2コマ行っていました。原子力と口を開けば「安全」「安全」「必要」といった世間の風潮は明らかに間違っているので,原子力の持つ正の側面と負の側面を詳細に論じました。講義を聞いた多くの受講者は,正の側面に感心しながらも,負の側面を避けることが重要だという感想を寄せてくれました。筆者は質問票を配布して,それに返答しながら講義を進めます。学生はいろいろな質問を考えてくれて,こちらも一生懸命に答えました。今日の画像は5年ほど前に講義を行ったときの質疑ですが,この欄をご覧になっている皆様も,学生になったつもりで,上の画像をしっかり読んでみてください(画像/MWS)。 2011年3月16日
福島第一原子力発電所に近い地域では,ヨウ素剤(ヨウ化カリウム製剤)の配布が始まっています。ヨウ素は甲状腺に貯蔵されますので,予め甲状腺をヨウ素で飽和させておけば,放射性ヨウ素(ヨウ素131)が大気に混じって飛んできても,体内から排泄され,内部被曝を低く抑えることができるという考え方です。この対策は,特に子どもにとって有用なことが知られています。このヨウ素という元素は特に海藻に多く含まれることが知られていて,日頃から海藻を多食する人は,それだけ甲状腺にヨウ素が蓄えられていますので,放射性ヨウ素を蓄積してしまうリスクはそれだけ低くなります。福島県から離れていても何となく不安だと思う方は,海藻類を食べて不安を和らげましょう。画像は神奈川県内の塩だまりに生えていた海藻です。こんな海藻でもヨウ素が含まれています(画像/MWS)。 2011年3月15日
ここのところの東日本の状況は上の画像のような感じです。最初の11日の大地震の直後は,数分おきに地震が続き,夜中も地震が続いて眠ることができませんでした。15日現在でも余震は続いていて,落ち着かない日々を過ごしています。夜には静岡で比較的大きな地震が起き,都内でもかなり大きな長周期震動を体感しました。この地震活動は,たぶん,当分終わらない気がします。大地震がきても対応できるように,気を引き締めていきましょう(画像/yahoo地震情報から転載,気象庁のデータにつき許可未取得)。 2011年3月14日
福島第一,第二原子力発電所では,現在も注水作業が行われ厳しい戦いが続いています。大量のホウ酸水が注入され海水で満たすことに成功すれば,短期〜中期的には安定な状態に持ち込めるでしょう。ぜひともそのようになって欲しいもので,祈らずにはいられません。きょうの画像は珪藻土を焼き固めたもの(提供:日本ダイヤコム工業株式会社)です。珪藻土は水酸基と水分を含みますので中性子の減速効果があり,さらにこれにホウ酸とある種の金属を含ませれば,中性子とガンマ線の遮蔽も効率よく行えることが明らかにされています。コンクリートと異なり,それ自体は放射化しにくいという特長もあります。この性質から珪藻土を放射線防護壁としての利用する研究が行われています。このような類の資材が必要になる状況が最小限になるよう,原子炉の冷却がうまくいくように,みんなで願いましょう(画像/MWS)。 2011年3月13日
ガイガー管を久しぶりに出しました。理由はおわかりかと思います。原発は炉心を冷やすことができなければ,放射性核種の崩壊熱で加熱され続けますので危険な状態になります。現在はまだ反応容器が残っているとも伝えられますが,ジルコニウム-水反応が起こった可能性が高い上,セシウムが検出されていますので,燃料棒が破損していることは間違いないと思います。無理やりにでもホウ素を放り込んで水で冷却できれば,再臨界を防ぎ沈静化できる可能性もありますが,バックアップ電源もポンプもまともに働かない状況ではハードルが高いと言わざるを得ません。 2011年3月12日
すごい地震でした。筆者は冷えた体を温めるために研ぎ物をしている最中でした。水面が微妙に揺れ,それが数秒以上続いたのでP波を直感し,直ちに顕微鏡デスクに戻りました。念のため,微分干渉顕微鏡と透過明視野生物顕微鏡の入っている棚を押さえてS波にそなえました。まもなく周期の長い大きな揺れがやってきました。これまで体験したことのない大きな激しい揺れで,P波の長さと揺れの周期の長さから,巨大な揺れが長引くことを直感し,激しい揺れの中,微分干渉顕微鏡と透過明視野生物顕微鏡を棚からおろしました。揺れは収まらず,デスクの上の30kg級の顕微鏡が放り出されるように動いています。棚と同時に全力で押さえますが,デスクごと100kg以上の重量が動いているので押さえ切れません。じりじりと顕微鏡に押さえながら耐えていると,こんどは30kgある倒立顕微鏡が動き出し,Jシリーズ用の珪藻在庫が落ちそうになっています。必死に食い止めながら,次々と落ちる書籍や空箱などのの落下物の様子を見て,揺れが収まるのを待ちます。しかし揺れは収まらずかなり厳しい時間を過ごしました。 2011年3月11日
今年も確定申告の時期がやってきましたので各種書類と格闘しています。どこまで精密にやるかによって作業時間が変わりますので,いつも悩みます。精密にやったところで,節税金額は知れているからです。かといって,大まかな金額を書き込むわけにもいきませんので,根拠を揃えなければなりません。ここのバランスが難しいですね。筆者は領収書類を見れば,それがいつ何に対しての支払いなのか思い出せますので,まず支払先の山をつくり,次に大体の項目ごとに山を作り,その山をまとめてポストインデックスで仕分けの内容と金額を記入していきます。何かに似ているなぁと思いつつ作業していたのですが,これはKJ法ですね。むかし,教育の分野で論文を書いていたとき,自分の考えを論理的にまとめるために,言いたいことを書き殴り,それを文ごとにハサミでチョキチョキ切って,同じことを言っている山をつくっていって整理したことがあります。まだワープロが高価だった時代の話です。いまはワープロで一文一文を数行置きにはなして,論理的つながりで組み替えられますから,とっても楽になりました。。などといろいろ回想しながら作業していると,結局,遅々として進みません…(画像/MWS)。 2011年3月10日
東北地方沿岸で地震があり,宮城県から岩手県にかけて津波を観測しました。上の画像は大船渡の潮位ですが,干潮時に+60cmを記録しています。かなりシャープなピークで震幅は80cmありますので,養殖施設に被害がないか心配です。昨年も2月28日に津波があり,このときは被害が出ました。二年連続で春先に津波というのは,単なる偶然とは思いますが,不気味な気もします(画像/気象庁)。 2011年3月9日
AAC-01などでは位相差検鏡でも珪藻の干渉色が楽しめることはこれまでも紹介してきました。COS-01でも位相差法で一部の珪藻に干渉色が出ます。たいてい珪藻の片側の縁に虹が出るのです。スペクトル色ではないので干渉によることは明らかだと思いますが,はて,これはどんな光の現象なのでしょうか。色の出ている部分は光学的厚さが連続的に変化しているように思えます。これが干渉とどう関係しているのかいないのか,今ひとつピンときません…。光学は歴史ある学問ですが,目の前にあることを説明するのもなかなか難しい学問でもあります(撮影/MWS)。 2011年3月8日
筆者のこれまでの経験では,大学等の教育研究機関では,実習用顕微鏡や研究室の顕微鏡が常に整備された状態にあることは珍しいといえます。今回の訪問先でも,学生実験に使う顕微鏡の状態はひどいものでした。油浸対物レンズは油まみれ,コンデンサにまで油が回っているものもありました。さらに乾燥系40倍対物レンズの先端は油膜が覆い,まともに観察できません。10倍対物レンズは指紋がついていました。この状態で微生物学実習が行われていたのだとすれば,顕微鏡という機器の真価は伝わらなかったでしょう。筆者が講師をするときは,対物レンズの清掃法も項目に含まれていますので,油浸系,乾燥系ともに清掃技術が身に付きます。このとき大切なことは,珪藻プレパラートを検鏡することです。珪藻を覗いて,機器の良い状態を知らなければ,汚れた状態も判別できないのです。珪藻プレパラートを常備して,同じ顕微鏡で繰り返し検鏡することで,その機器の整備状態がわかります。筆者はそのための材料として珪藻プレパラートを販売してもいるわけです(撮影/MWS)。 2011年3月7日
前日も朝から夜までの作業になりましたので,余裕をみてもう一泊。仕事もおわり,さて帰りましょか。近くの駅まで散歩を楽しみます。 この駅名を見て,講義の合間にもオヤジギャグを飛ばしたくなったわけですが,地元の人は聞き飽きていそうなので,ぐっとこらえました。 が,駅にこのようなものがあることから,地元の方もけっこうオヤジギャグ性のセンスを持っているようです…。 水平線近くの空に色がほとんどついていません。スモッグ・排ガスの類が少ないことを示しています。実際,とても空気が澄んでいて,市街地のこの辺りでも4等星が見えました。おおいぬ座の脚の部分もはっきりと見えます。夏なら,いて座の天の川が見事なことでしょう。羨ましいことです。 何か名物らしいものはないかと,数駅戻ります。いい天気ですね。駅に物産館がありましたので,覗いてみるとニギスやサヨリのの干物がうまそうでしたので,地酒とともに買い込みます。まもなく特急列車が入線しますので,さささと駅に戻ります。駅から半径100メートル以内,15分程度の観光が終了しました。筆者にとっての観光は,夕飯を探しに地元スーパーを覗くのがメインです。その土地の方々の暮らしを見るのが観光です。 さて,列車は始発駅を出るとすぐに山を登りはじめるのですが,発車20分もしないうちから,なんと雪が降り始めました。 雪はどんどん強くなり,何だか北国にきたようです。 白銀に彩られた吉野川渓谷を鑑賞できました。すばらしい。とてもトクした気分です。 ときおり現れる農村集落も冬景色です。 渓谷を流れる水も清らかで美しい。水色フォーレル5号というところでしょうか。筆者の目には,比較的貧栄養な水に見えます。 平野が近くなってくると雪も止んでいました。 あっというまに瀬戸大橋にさしかかります。画面右側に見えています。 海の上を列車が走る不思議を楽しみながら,瀬戸内海の風光明媚な島々を鑑賞します。 鉄骨の下にある瀬戸内海の水色を観察し,しばらくすればすぐに岡山です。滑り込んできたのぞみにさささと乗り込みました。そのあと,どうやら,こちらの管理人と相対速度540km/hですれ違ったようです…。 帰宅してすることと言えば,おみやげのチェック。なんともかわいらしい姿です。 こちらはかわいくないが,うまそうです。 で,やっぱしうまいんですねぇ。薄塩に苦みが調和して,焼きたての香ばしさがたまりません。 2011年3月6日
出張先では大学院特別講義を担当させていただきました。3日間で半期の授業に匹敵する時間の話をしましたが,朝から晩までさすがにヘビーなスケジュールで,受講者の皆さんは大変だったことと思います。しかしホスト役の先生が非常によい講義環境を提供して下さり,集中講義としてはかなり,良い条件だったと思います。筆者は顕微鏡の話をしていれば自然に楽しく時間が過ぎるので,長時間の講義も苦になることはありません。 2011年3月5日
ここのところの長期休業は,高知空港に隣接する研究教育機関への出張でした。高知空港の真横ですから,もちろん列車で行ってきました(^^;。北のモンスターFurico283系,熱き想いHEAT281を乗った筆者としては,当然2000系気動車を見逃すわけにはいきません。瀬戸大橋を渡りながら瀬戸内海の島々を眺め,吉野川沿いの絶景を楽しみながら目的地に向かいます。列車で来たというと皆さん驚かれます。はて? 鉄道が通じているから鉄道を利用する。なーんにも不思議ではないと思うのですが…(撮影/MWS)。 2011年3月4日
顕微鏡写真撮影(デジタルイメージング)においては画像処理が欠かせませんが,画像処理自体は一般写真にも同じように適用できますので,日頃から画像の特性を見抜いて画像処理に親しんでおけば,顕微鏡写真にも自然と応用が効くようになるでしょう。上の画像は明暗差が大きく,暗部が潰れてしまった画像ですが,ガンマ補正(+1.9)を行うことにより,暗部を見やすい画像にできました(下の画像)。このような作業を日常行っていれば,自然に画像が「読める」ようになり,処理すべき項目が自然に浮かぶようになるのです。大切なことは,画像処理ソフトで画像を処理していろいろ遊んでみることです(撮影/MWS)。 2011年3月3日
位相差や微分干渉法の機材を持っていなくても,デジタル画像処理によって,それらの検鏡法に匹敵する画像を作ることが可能になってきています。上の画像は昨日と同じもので,イケメン珪藻(Auliscus)を透過明視野で撮影したものです。この画像だけを用いて,種々の画像処理を施すと,下の画像を作ることができます。微細構造が明瞭になり,構造の再現性も高く,コントラストの不自然な逆転も起こりません。こういう画像を製作してみると,デジタル画像処理というのは,本当に素晴らしい技術で,いろいろな可能性を秘めていると実感します(撮影/MWS)。 2011年3月2日
「本日の画像」で紹介している顕微鏡写真は,基本的には,明視野,斜光照明,暗視野照明で撮影しています。位相差や微分干渉の機材も複数所有がありますが,このコーナーではあまり使っていません。このコーナーを楽しみにしている方々が真似できるような方法を中心に紹介したいからです。しかしながら位相差や微分干渉法はそれぞれ特徴的な絵が得られますので,日々の検鏡では利用しています。きょうは筆者お気に入りのイケメン珪藻を明視野と位相差で載せてみました。上の明視野法では素直な像が得られますが,下の位相差法では珪藻被殻の厚みによってコントラストが異なり,同じ珪藻なのにたいぶ違った印象を与えています(撮影/MWS)。 2011年3月1日
デジタル時代に入って顕微鏡写真は劇的に効率が上がるようになりました。むかしはフィルムの浪費が避けられず,暗視野や蛍光顕微鏡写真をマニュアル撮影するのは相当な技術を要したものです。いまではデジタル撮像してその場で確認できますし,難しい被写体でもたくさん撮影することにより成功率をアップさせることができるようになっています。デジタル顕微鏡写真のコツは何と言ってもたくさん撮影することでしょうか。上の画像は炭化水素を生産するボトリオコッカスという緑藻を撮影したときのものですが,この日の撮影では,この藻類だけで572枚の撮影をしています。あとから見返すと,これでも,もうちょっと撮影しておけばよかったと思うくらいです(撮影/MWS)。 Copyright (C) 2011 MWS MicroWorldServices All rights reserved. (無断複製・利用を禁じます) 本ページへの無断リンクは歓迎しています(^_^)/ トップに戻る |