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ザイディアナを採取に成功してしまいました。当初は３回目ののトライで採取に成功する予定でした。が、実にあっけない幕切れとなりました。水位の高い採取不可能なロカの下見を終えてカピット、サラワク西部での採集後にその「奇跡」は起こりました。川の水位が下がりだしたのです。クチンで帰国のフライトの手配を始めなければならない私には知る由もありませんでしたが、何とそれを報せてくれた人がいたのです。それは一晩お世話になったM氏の弟さんでした。M氏のカンポンには携帯電話の電波は届いていませんから、上手くリレーして私がクチンを発つ前に報せてくれたのです。すぐにバスターミナルに直行、夜行バスと4WDとボートを乗り継いで20時間後にM氏の自宅に着きました。M氏はロカに連れて行ってくれて、先に私が２株を採取、残りはM氏がきれいに洗ってくれてナイロン袋に入れて「はいッどうぞ! 」でした。そして真顔で「今度来る時は手ぶらはありませんよ、と言ったでしょ」　きっと彼は遠くから来た客ががっかりしてカンポンを去るのを見たくなかったのでしょう。 でも、こうも楽に採れては仕事をしていないようなので、私が話をややこしくしてしまいました。ご依頼主のフィードオン様に深くお詫びしました。今日ファームから持ち帰り、シンケップ、リンガ島産の植物と合わせて植物検疫証を所得しました。明日発送します。大変お騒がせしました事をお詫びします。 追記 : ファームで植え込んだ各株には早くも白い根が出始めていました。学術調査隊の論文によるとザイはとても栽培し良いクリプトと記されています。