【デトロイト】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)でトヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題の調査担当責任者を務めているキャスリーン・デミーター欠陥調査室長(60)が4月末をもって退職することになった。
同省によると、デミーター室長はトヨタのリコール問題のため退職を遅らせていた。後任を決定するまで暫定部長を任命するという。デミーター氏はNHTSAに30年間勤務し、1995年から15年間現職を務め、欠陥調査室長としては最長在籍記録を達成した。デミーター氏はこの間、トヨタ車の意図しない急加速をめぐる調査の開始を決定したほか、10年前にはフォード・モーター車装着のファイヤーストーン製タイヤの大量回収問題も担当した。
NHTSAは、トヨタ車のリコール問題に関する議会公聴会で、自動車業界と緊密すぎたとして批判を浴びた。ラフード運輸長官は、この批判を否定しトヨタが安全性の問題に無関心だったと反論した。NHTSAはこのほど、トヨタが欠陥の証拠の開示を抑えていたとして、1640万ドル(約15億3000万円)の制裁金を科すと発表している。