【バグダッド】イラクでは4日、数十万人が連邦議会選の期日前投票をしたが、投票所を狙った一連の攻撃が7日の投票本番に暗い影を投げかけた。
イラクの戦後2回目の総選挙は、今後4年間の同国の指導者たちを決める。この間に米国は大部分の兵力を撤退させる方針だ。選挙が成功すれば、芽生え始めた同国の民主主義の強化につながる。米国とイラクの司令官たちは武装勢力が投票妨害のための攻撃を仕掛けてくると警告している。
警察当局者が地元のテレビに語ったところでは、4日のテロは3カ所で起き、少なくとも12人が死亡した。このうち2件では、自爆者がいったん投票所に入ろうとしたが入場を断られ、衣服に仕込んだ爆弾を投票者たちがいる路上で爆発させた。バグダッド北部の閉められた投票所の近くではロケット弾攻撃があり、5人が死んだ。
事件が起こる兆しは早くからあった。攻撃が7日にもあれば、投票の合法性にも問題が出てくる恐れがある。イスラム教スンニ派勢力が占めるアンバル州とバグダッドの一部では、有権者や政党幹部が、自分たちの名前が投票所の有権者リストに載っていないと不満をあらわにしている。一部の投票所では、この懸念に対処するため投票時間を延長し、リストに名前のない人は後日数えられる暫定投票ができると発表した。
スンニ派は、イラク選挙管理委員会は偏向していると批判している。同派は政府が同派の候補者を逮捕したり、嫌がらせをしたりしているほか、政府機関を選挙戦に利用していると非難した。
期日前投票をしている人の多くは治安部隊の兵士だ。これは選挙本番の7日には百パーセントの兵士が任務に就けるようにするためだ。このほか入院患者や受刑者も期日前投票をした。4日の期日前投票者の数は60万~70万人とみられている。
イラクの人口は2800万人で、有権者は約1900万人。連邦議会選では325議席をめぐり約6200人が争っている。