人事にウケる「面接逆質問」集23
面接時に必ずといっていいほど出てくる「最後に質問があればどうぞ」というひと言。これは疑問に思っていることを聞けるだけではなく、実は自分を売り込むチャンス!そこで、キャリアアドバイザーの指南のもと、自分のやる気や視点の鋭さなど、アピールポイントを盛り込んだ3つのタイプ別質問文例を探ってみた。
キャリアコンサルタント 上田晶美氏 「逆質問」をアピールに変えるアドバイザー
キャリアコンサルタント 上田晶美氏
出産を契機に大手流通会社を退職し、ハナマルキャリアコンサルタントを設立。年間40以上の大学・短大で講演するかたわら、直接、学生への指導も行っている。11月4日には新刊『ハナマル式 就活のすべて』を発売した。
人事にウケる「逆質問」3つのタイプ
タイプ1:やる気を見せるための質問 タイプ2:自分の長所をアピールするための質問
タイプ3:聞きづらい労働条件を上手に聞き出す質問
タイプ1 やる気を見せるための質問集
「もし採用していただいた場合、配属先はどの部署になりますか?」
「志望している部署の仕事について、詳しく教えてください。」
「配属先の同年代の社員の一日の行動スケジュールを教えてください。」
「配属先の社員の人と面会してお話をすることはできますか?」
「配属先部署の人数や、社員の構成を教えてください。」
「私と同年代で入社し、その後活躍している人でどんな事例がありますか?」
やる気を見せるための質問集
「入社までにさらに勉強をしておくことがあれば教えてください。」
「今まで私が積んできた経験で足りないものがあれば教えてください。」
「御社の○○という商品に憧れているのですが、その商品に携わる仕事に就けますか?」
POINT! 入社後のイメージを膨らませる質問は人事に好印象!
具体的に仕事の中身を聞くことが、やる気を見せることにつながります。例えば、「配属先はどこか」「配属先の仕事内容について」、「配属先はどんな社員構成なのか」などは、人事に好印象を与えます。会社の概要や職種はすでに聞いているはずなので、入社後をイメージし、具体的にどんな職場で、どんな業務をこなすのかについて質問してください。「スキルアップのために何が必要か」など、入社までに準備しておきたいことを聞くのも、働きたい意欲の表れとしてアピールできるので良いでしょう。一方、「研修制度はどんなものがあるのですか?」という質問は、求人票に「未経験OK」という記載があれば聞いても構いませんが、それ以外は受身の姿勢が強いと思われてしまうので避けた方が無難。また、内定が出ていないにもかかわらず、「次の海外戦略は?」「株式の上場予定はいつごろですか?」など、会社の内情を探るような質問や、さも自分が受かったような態度で「○○という商品の販売キャンペーンに参加させていただけますか?」などと質問をすることはマイナス評価です。
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タイプ2 自分の長所をアピールするための質問集
「粘り強い性格ですが、どのような資質が必要ですか?」
「我慢強い性格ですが、仕事の負担はどれくらいのものですか?」
「誰とでも親しくなれると思いますが、配属先の雰囲気を教えてください。」
「体力には自信がありますが、勤務時間について教えてください。」
「前職では営業部署で○○の実績を残しましたが、御社では通用しますか?」
「○○の資格を持っているので、御社の事業で活かしたいのですが?」
自分の長所をアピールするための質問
「今まで○○のキャリアを積んできました。御社でこのキャリアを活かすためには何が足りませんか?」
POINT! 自分の長所を事前に整理し、謙虚な態度でアピールする
長所として大切なのは、「積極性」「責任感」「協調性」の3つです。「粘り強い性格ですが…」と、自分の長所を述べた上で質問をすると、面接官に良いイメージを与えられます。最後の質問なので、アピールをしそこなった部分を強調するように心がけましょう。また、具体的な数字や資格を出して、「御社で役立てたい」という思いを質問に込めることも有効です。しかし、「アピールをしなければ」と焦るあまりに、自慢げな態度で、これまでの実績をひけらかすのはNG。「○○が得意です」と言うのではなく、「○○を活かしたいのですが」というふうに、言葉を選びながら、謙虚な気持ちで述べましょう。大切なのは事前にアピールしたい自分の長所を整理しておくこと。面接でその長所に触れてもらえなかったときに、最後の質問に絡めてアピールしてください。
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タイプ3 聞きづらい労働条件を上手に聞き出す質問集
「前職では週に○時間ほど残業をこなしていましたが、御社では平均どれくらいですか?」
「仕事の繁忙期はいつですか?」
「休日は部署ごとに違うのですか?」
「年末年始の休み(お盆休み)は、どのような勤務になっていますか?」
「本社は○○ですが、勤務地は○○を希望できますか?」
「本社は○○ですが、転勤はどれくらいのサイクルであるのでしょうか?」
聞きづらい労働条件を上手に聞き出す質問
「御社では、私くらいの年齢の場合、平均年収はどれくらいですか?」
POINT! 採用が決まる前に深掘りするのは危険!遠まわしな表現で核心を突く
労働条件は大切な確認事項ですが、採用が決まっていない段階であれこれ聞くことは人事の心証を悪くします。中でも、残業や休日などを質問すると、「仕事をやりたくない」というマイナスイメージに受け取られる恐れがあります。そこで、「前職では○時間残業していました」「月に○回ほど休日出勤をしていました」など、今までちゃんとこなしてきたことを伝えた上で、質問すると良いでしょう。また、ストレートに「残業はどれくらい?」と尋ねるのではなく、仕事の繁忙期を聞くことで残業状況を推測できます。給与に関する質問も聞き方に注意が必要。あまりに細かく給与のことを聞くと、採用側は「仕事内容よりもお金に関心がある」ととらえます。だから、具体的な金額を確認するのではなく、ほかの社員のモデルケースや昇給システムについて聞きましょう。とはいっても、どうしても確認しておきたい場合は、求人票の切り抜きやWebサイトのプリントアウトを用意し、「条件はこれで間違いないでしょうか?」と尋ねるのも良いでしょう。
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これだけは気をつけよう!言い回しひとつで“NG”が回避できる
募集要項やホームページなどで、「事前に調べればわかる内容」や、「すでに人事が話している内容」を質問することは、面接の2大NGです。「弊社のことをきちんと調べてる?」「えっ、聞いてなかったの?」などと、人事の心証を悪くするので絶対に避けてください。しかし、募集要項に書いてあったけれどもう一度確認したい、もっと詳しく聞きたい、という場合は言い回しに気を配りましょう。「ホームページで○○と読んだのですが…」「先ほど○○と仰っていたのですが…」という具合に、事前に確認をしていますが、という印象を人事に与えてください。
人事100人に聞きました! 実際に飛び出した 好印象/悪印象 質問
おっ!と思ったこのひと言 −好印象な質問−
「面接官の方々が仕事をしていて嬉しかったことを教えてもらえませんか?」という質問は、弊社で働くことの喜びを共有したいという思いの表れだと感じた。(サービス業/32歳)
「御社の今後の海外での営業戦略について説明してください」という質問に、採用後の自分自身の役割について、今から取り組もうという姿勢がうかがえた。(精密機器・計測機器メーカー/47歳)
「自分は、色彩検定の取得などアパレル企画も将来やるべく勉強していますが、営業での頑張り次第では、MD(マーチャンダイザー)へのチャレンジもさせてもらえますか?」と聞かれ、自分の目指したい目標をしっかり持っていて、そのための努力をしていると感じられた。(繊維・服飾雑貨・皮革製品商社/51歳)
「どのようなスキルを今後、身につければ、今後の仕事に役立ちますか?」という質問に、スキルアップへの強い意欲が感じられて好印象だった。(ソフトウェア・情報処理/55歳)
「御社は○○会社への事業展開を考えられているそうですが、その営業に参加させていただくにはどうすればいいでしょうか?」という質問。営業をすることへの理解と、意欲が感じられた。しかも、「即戦力になります」というアピールがあったので期待が持てた。(流通・小売/26歳)
「在宅復帰についての取り組みと課題について教えてください」という質問は、法人の方向性の核心に触れており、知識と理想がなければ出てこない質問であったため。(医療・福祉関連/39歳)
社員のやる気を高めようという行動を全国的に取り組んでいたときだったので、「職員の意識向上に特別なテーマで運動をしていますか?」という質問は、当方の状況を良くわかっていて、逆に試された感じがした。(団体・連合会・官公庁/59歳)
弊社ではグループの親会社も含めて女性社員が多く、「女性に優しい会社」として世間にアピールしているので、「御社では女性の方は何人位勤めていらっしゃいますか?また、その年齢層を教えてください」という質問は、そのことを踏まえたうえでより詳細な質問をしてきたことに感心した。(リース・レンタル/34歳)
えっ!?と思ったこのひと言 −悪印象な質問−
面接の段階なのに、「いつから働けば良いですか?」と聞かれた。さも自分は採用されるような態度だったため、印象が良くなかった。(その他/34歳)
「有給休暇は好きなときに、自由に取れますか?」と、入社前からやる気を疑う質問。休みが気になるのはわかるが、まずは働く意欲を見せてほしい。(不動産/39歳)
「福利厚生はどうなっていますか?例えば御社のホテルチェーンに宿泊する際に割引が適用されますか?」という質問。自分が受けられる待遇にしか興味がない印象を受けた。(サービス業/32歳)
「バイヤーをやりたいのですが、何年くらいでなれますか?」と聞かれた。仕事は自分でつかんでいくべきなのに、会社に与えられると思っている点に、依存性が高いと感じた。(ファッション・アパレル・アクセサリー小売/34歳)
今回の募集部署では取り扱っていない商品について「御社の○○という商品が大変素晴らしいと思いました」と、意見を述べてきたので、下調べ不足という印象を受けた。(総合商社/58歳)
「長期休暇がとれますか?」という質問。仕事内容よりも休暇についての取得が容易かとの質問には、仕事に対する考え方の甘さを感じた。(教育/44歳)
営業という職種上、実力主義(結果)ですべて判断されることを面接内で説明したのに、「昇給に関して、定期的な昇給ベースは平均どれ位でしょうか?」と質問され、全く理解していないと感じられた。(医薬品・化粧品商社/40歳)
「給与はどのようにきめられるのですか?いつの時点できめるのですか?」という質問。実務レベルの評価はすぐにできないため、おおよその経験で決定しているが、給与面ばかりを重視されても、やる気や誠実さが全く伝わってこなくなってしまった。(建築・土木・設計/41歳)
「キャリアが豊富にあるので、それに相応しいポジションを約束してくれるか?」という質問。過去にこだわっている印象が強く、仕事を学ぼうという姿勢ではないと感じた。(電気・電子・機械系メーカー/40歳)
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