米政府、鳩山新政権に表向きは「期待」
2009/08/31 18:47更新
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【ワシントン=有元隆志】米政府は30日の総選挙を受けて、民主党政権との間で「強固な日米同盟」を継続し、北朝鮮の核問題やアフガニスタン問題など諸課題で連携することに期待感を示した。しかし、日本専門家らの間では鳩山由紀夫代表の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)への寄稿が「あまりに反米的」と、「深刻な懸念」が広がっている。
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記事本文の続き 「鳩山氏は極めて興味深い世界観の持ち主だ。ひとつとして同意する点はない」
米政府元高官は27日のニューヨーク・タイムズ(電子版)に掲載された「鳩山論文」を読んだ感想をこう語った。日本専門家らの間では瞬く間に「鳩山氏が驚くべき論文を書いた」との評判が広まったという。
それまで日本専門家の間では、民主党が「対等な日米関係」を掲げてきたのは「国内向け」とみて、政権を獲得したら現実路線をとるとの見方が強かった。しかし、論文はそうした「甘い期待を裏切った」(ある日本専門家)。
この専門家は「(論文が)エマニュエル大統領首席補佐官ら大統領側近の目にとまらないことを祈る。仮にエマニュエル氏が読んだら、『反米政権を相手にする必要はない』とオバマ大統領を説得するだろう」と懸念を示した。
もっとも、米側が政権交代そのものを否定的にみているわけではない。ルース駐日大使とも親しいスタンフォード大のダニエル・オキモト名誉教授は「ほぼすべての主要先進国で本格的な政権交代があったなかで、日本はユニークな存在だった」と述べ、政権交代は健全なことと指摘する。
オバマ大統領の対日外交政策顧問団の一員だった米シンクタンク「外交問題評議会」のシーラ・スミス上級研究員も「これはマイナスではなく前向きに受け止めるべきこと」と語る。
ただ、オキモト氏もスミス氏も民主党が代替案も示さないまま、一方的にインド洋での給油活動を中止するのではなく、代替となる貢献策を早期に提示することを求めている。
スミス氏は鳩山氏がオバマ大統領に核を日本国内に持ち込ませないよう説得する考えを表明したことについて、「核の傘による拡大抑止が、日本の安全保障にどれだけ必要か明確にすべきだ。明確な日本の安全保障に関する理解がないまま、(核持ち込みという)手続き論が優先すると、ワシントンの混乱を招く」と注文をつけている。
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