<< 2008年03月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

豪州、カンガルーの駆除はOK!環境相「捕鯨とは違う」@ポールマッカートニーが反対運動参加 ニュース記事に関連したブログ

2008/03/13 21:42

 

 今年ほど、日本の調査捕鯨問題に対する反捕鯨国の批判が高まった年はなかったのではないでしょうか。

 ラッド首相率いるオーストラリアも強硬な反捕鯨政策をとる国の1つであることはこれまでも何度も報じてきましたね。

 日本は、シー・シェパードやグリーンピースのような環境保護団体からもバッシングにあっていますが、今度は、オーストラリアが環境保護団体から大きな批判を受けています。

 オーストラリア国防省が、首都キャンベラ近郊の2ヶ所の軍用地で、野生のカンガルーが大量に繁殖しているとして、400頭を安楽死させる準備を進めているのです。

 オーストラリアの象徴的な動物であるカンガルーの駆除計画に、動物愛護団体は猛反発。実力行使による妨害を表明している団体も現れました。
 
 そんな中、英国のデイリーテレグラフによると、元ビートルズのポールマッカートニー卿が、英国の動物愛護団体「Viva!」と一緒に、オーストラリア政府のカンガルー駆除計画に反対するキャンペーンに参加することを表明しました。

 ロイター通信に対して、ポールマッカートニー卿はこんなメッセージを流しています。

「食肉用と皮製品のために大量虐殺する野蛮な産業から、カンガルーを守るために、今すぐ必要な活動をとらなければならない。Viva!の活動を援助するためにできる限りのことをしてください。そして、この恥ずべき虐殺を止めましょう」

 ポールマッカートニー卿の言葉には、どこかで聞いたような錯覚を受けてしまうのですが、カンガルー駆除計画はすでに、世界的な騒動になりつつあります。

 その割には、オーストラリアやニュージーランドでは、日本の調査捕鯨妨害キャンペーンの際とは違って、報道量は少ないですが・・・・・

 オーストラリア国防省の計画はこのようなものです。

 キャンベラ近郊には2つの軍事施設があり、この界隈に、オーストリアで最も代表的なイースタン・グレー・カンガルーが約6500匹生息しているそうです。

 ところが、最近の過剰繁殖が他の生物に影響を与えており、駆除が必要になったのです。

 駆除は、カンガルーに、しびれ薬がついた矢を撃っておとなしくさせたあと、安楽死させる薬剤をうち、行われるとのこと。

 こうした計画には、動物愛護団体からは「冷酷な行為」「日本の捕鯨に反対する資格はない」「駆除が始まったら、フェンスを乗り越えて阻止する」という声が出ています。

 オーストラリアの愛護団体「The Wildlife Protection Association」は活動家や賛同者が一同に駆除エリアに集まり、人間の盾作戦をとるともいっています。

 元グリーンピース理事で、現在、環境大臣のピーターギャレット氏はインタビューにこのように答えました。

オーストラリアは野生動物や地球環境のケアには十分、配慮している。しかし、長い目でみて地球環境と野生動物のためにならない状況が生まれる可能性があるときや、生態系のアンバランスが生じている時には、人道的にも配慮した上で適切に処理されるこのような計画が必要となってくる」

 そして、ギャレット環境大臣はこの駆除が、日本の調査捕鯨に対するオーストラリアの反捕鯨キャンペーンにまったく影響しないとした上で、このように主張しています。

「捕鯨に対する私たちの目的ははっきりしており、今後も、南極海でクジラを殺すことには、断固として反対を貫く。地球環境や生態系の維持、そして野生動物を保護するためにとられるバランスのとれた科学的にも適切な計画は、私に言わせれば、とても良い政策なのだ」

 さて、このこの騒動、私としては努めて客観的な表現にとどめ、オーストラリア側の姿勢に十分に配慮して、伝えたつもりですが、みなさんはどのように思われますか?

 私は、ポールワトソンの主張を訳している時のように、文章を記しながら、ふぅーとため息の連続でした。

カテゴリ: 世界から  > 世界の話題    フォルダ: 世界の国々でいま   このエントリをイザ!ブックマークに追加 (0 user)

コメント(10)  |  トラックバック(6)

 
 
 
関連ニュース:
 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://sasakima.iza.ne.jp/blog/trackback/510596

コメント(10)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2008/03/13 22:04

Commented by やせ我慢 さん

保護活動を標榜するもの同志の分断を図れないものでしょうか。現在のような、日本政府VS市民団体のような構図は、日本にとって不利です。強者に向かう英雄的市民のイメージが出来るからです。

彼らの主張が混沌とし、一般の人には簡単に善悪が判別出来なくなれば、支援も資金も現在よりも減っていくのではないでしょうか。

さらに捕鯨推進の市民団体もあるとか。なんとか支援できないものでしょうか。

もちろん、多様な対抗策の一つとしての案ですが。

 
 

2008/03/13 22:46

Commented by dpal451 さん

佐々木様 こんばんは。

 西洋人の命に対する感じ方には、いつでも疑問を感じますね。
牛は人間に食べられるためにあるなどと普通に思っているようです。クジラを特別視するなら牛も同じですね。納得する答えを未だにもらったことはありません。菜食主義者であればまだしも納得もできますが、そうでなければ自分の矛盾も分からないのかと思います。

 これは、キリスト教で人間は特別で他は神が人間のために作ったとするような命の差別観から来ているのかも知れません。

 いつの世にもむずかしい問題ですが、命に対しては本当はすべて平等で、もし殺さなければならない時も、自分のために死んでくれたと感謝の気持ちがなくてはならないと思います。

 
 

 
 

2008/03/13 23:52

Commented by 半助 さん

ポールワトソン氏の主張の理屈で言えば、クジラが増えすぎているために、海の生態系が変わっていることの根拠を示せば捕鯨を行ってもよい、ということですね。

まあ例によって鯨は特別だと反論してくるでしょうから、クジラの屠殺は残酷で牛や豚の屠殺は残酷ではないというのは、我々日本人には全く理解できない。わかりやすく説明してくれ、とでも言い返しましょう。どんな答えが返ってくるのか、非常に興味があります。

 
 

2008/03/14 00:35

Commented by hiropon さん

長い目で見て海の生態系のバランスが狂ったりすれば捕鯨が必要になるときだってあるでしょうに・・・。カンガルーの間引きはOKで、鯨の間引きはNGという、この環境大臣の頭の構造はどうなってるのか見てみたいもんですが

 
 

2008/03/14 01:30

Commented by momonippon さん

佐々木様、いつも逸早い情報収集力とするどい分析力に感服して拝見しています。本音はいい気味です。オーストラリアはまず、お得意の「非致死的調査」から始めて、分析調査結果を持って、国際社会を納得させればいいのでは?(有言実行しろ!)私は食料自給率回復の為にも、他国の輸入食料よりも安心できる自国の鯨肉等の国産品を購入して食べたいです。食品テロを起しかねない反日分子の住む反日国家に大事な食料を安心して任せれません。日本政府は捕鯨問題に毅然とした態度、外交力を持って、日本国民の生命の安全、国益を最優先すべきです。しかし、外交官に日本国益、日本国民の主権を守る気概の人は何人かいるのでしょうか。

 
 

2008/03/14 02:52

Commented by セアラ小太郎 さん

佐々木さん、こんばんは。

>その割には、オーストラリアやニュージーランドでは、日本の調査捕鯨妨害キャンペーンの際とは違って、報道量は少ないですが・・・・・
それはそうでしょう、彼らは日本の捕鯨と違って自分たちの政府が正しい事をやっているのだという思い込みでこの事態を見ているのですから。

オーストラリアは野生動物や地球環境のケアには十分、配慮している。
>人道的にも配慮した上で適切に処理されるこのような計画が必要となってくる

こうした考えが「スタンダード」として国際社会には認められるとの思いが、カンガルーなどの野生動物や先住民族アボリジニへの行為を産む元凶と見なされる事に気づかないとは愚かなものです。

 
 

2008/03/14 18:44

Commented by the-prayer さん

こんばんは。

昔、手塚治虫のアニメ映画でジャングル大帝というのがありました。ジャングルの王者として諸動物の共存の世界を目指すという映画でした。そこでの食料は昆虫を動物たちは食べましょうというものでした。
タンパク源は必要なので、昆虫なら、動物はたべても良いとしたのだと思います。
手塚治虫の思想を否定しませんし、映画そのものは、人の社会の争いを止めましょうといっているのだと思います。
でも、生き物はなんらかの食料を必要としていますし、タンパク源なしでは、動物は種の継続は困難となります。

そこで、キリスト・イエスは、食べ物の禁忌はないと決めたのだと思います。旧約聖書では、鯨の偉大さを記述しています。それは、そうです。神の創造物としては、最大の動物です。ひとが畏怖するのは当然です。しかし、キリスト教は(イエスさんはといいましょうか)食べ物の禁忌はないと決めました。それは、なにか禁忌をきめますとそこに罪がうまれてしまうからです。ユダヤ教は禁忌のオンパレードでひとの罪からのがれるすべを規定しています。すなわち、律法です。しかし、禁忌を定めると、ひとは罪びとになめわけで、その呪縛からのがれることはできなくなります。人々の平安は、神(創造主)のみ信じるだけでよいと、のべたのはこくような意味があります。「律法を否定するのではなく、完成させるために、わたくしは存在する。」と、イエスさんはいいました。

オーストラリアの環境大臣の発言は、どう、説明しても、所詮は動物愛護団体の主張を論破できないです。動物愛護団体だって、食物としての家畜の存在を否定していません。ようするに、命を大切にしましょうということだと思います。

 
 

2008/03/14 19:20

Commented by tentenchan さん

クジラもカンガルーと同じ哺乳動物の一つだと考えるなら、様々な理由で間引くことが許されるだろうというのはギャレットの頭でも理解できるはずだと思うのですが。そもそも「クジラは特別だ」という前提がそれを許さないようです。ギャレットはクジラを表現する際に必ず「美しい」「素晴らしい」などの”余計な”形容詞を使います。しかしカンガルーについては使いません。

クジラ資源の回復、健全さは漁業での混獲や船舶との衝突等の事例を見ても確かなようです。またアイスランドが今年も商業捕鯨をするだろうという情報もあります。


勇魚通信vol.32 2007 12月発行より

資源の頑健さの証拠か 米国政府、200海里内での鯨類混獲を許可
http://www.whaling.jp/isana.html
米国国家海洋漁業局(NMFS) はこのほど、太平洋水域の距岸3~150海里の排他的経済水域内で操業する刺網漁船に対し、10月26日から3年間有効な、鯨類の混獲許可を発給したと発表しました。

対象となるのは、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン系ナガス鯨、マツコウ鯨、東部北太平洋系セミ鯨の3鯨種。これらの種は、現在、米国の国内法、「絶滅の危機に瀕する種の法律」と「海洋性哺乳動物保護法」で保護されています。

日本の関係者は、今回の発表について、反捕鯨団体の政治的圧力が強い米国の措置であるため、混獲許可といえども、国内業者に発給したことを「意外」と受け止めています。

水産庁では、これら3鯨種の資源状況がきわめて頑健であることの証拠であり、クジラ混獲の実態が相当増えてNMFSにとっても捨て置けない状況になったのでは、と見ています。

 
 

2008/03/14 19:20

Commented by tentenchan さん

クジラなど衝突に備え、日韓高速船で事故訓練…博多湾
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08031406.htm
高速船がクジラなどに衝突する事故は2004年12月以降、9件発生して乗客1人が死亡。JR九州高速船は昨年、対馬沖などで計69頭のクジラを発見、減速して回避したが、海面に姿を見せない海洋生物や流木を見つけるのは難しいという。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7294564.stm
アイスランドがこの夏にミンク100頭、ナガス数頭の商業捕鯨を実施するようです。確定ではないですが、おそらくやるでしょう。アイスランドは日本への鯨肉輸出を再開したいようですので、その点でも欧米メディアは関心があるようです。

 
 

2008/03/15 02:44

Commented by mutimsa さん

 地球にとって最も有害な「ヒト」の駆除の事例をもう人間は経験しています。
 鯨やカンガルーに対する白人の主張は理解しがたいが、日本での猿や鹿の被害は駆除の理由になんとなく納得させられます。
 ヒトの原罪を説いても自虐的になるばかり、現実にはヒトを最優先に生かすシステムが世界的に急務です、事実にはいくらか目をつぶって。冷静で理詰めの議論がすすめられればいいですが。

 
 
トラックバック(6)

2008/03/13 21:51

分断工作はできないか(思いつき) [戦争に負けた国]

 

ノルウェー・アイスランドなどの国々が、商業捕鯨を行っているのは知っていましたが、捕鯨推進団体というのがあるとは知りませんでした。他にも同様な団体や運動などあるのでしょうか。 ---------------------------…

 

2008/03/13 22:22

【オーストラリア】鯨は守れ!カンガルーは殺せ!【ご都合主義】 [加賀もんのブログ]

 

環境テロリスト・シーシェパードによる、日本の調査捕鯨船に対するテロ行為を支持している”テロ支援国家オーストラリア。 日本人より鯨という価値観には、もはや狂気の沙汰と言う他はない。 「人間より鯨」とい…

 

2008/03/13 23:09

野菜も食べなければ [ちょころぐ。]

 

もっと環境に優しいと思うよ! ね!(`・ω・´) というか、環境保護団体はどうして肉食・菜食の全面的中止を訴えないのか、ちょこには理解できません。 野菜を食べないことの利点 1)大気中の二酸化炭素を吸収…

 

2008/03/14 18:33

クジラの知能は反捕鯨論者と同程度に高いかも。 [メガリス]

 

 オーストラリアのギャレット環境相は12日、首都キャンベラで野生のカンガルー約400頭を駆除する計画を承認したそうだ。彼は「バランスが取られ、科学的に実行される計画は良い政策だ」と言ったらしい。  そ…

 

2008/03/14 18:47

◆大笑園/カンガルーは食べてもクジラはダメなの? [胡錦亭新ゴマのお笑い写真]

 

写真はオーストラリアのスーパーで売られているカンガルー肉、超低脂肪でヘルシーだって 増えすぎたカンガルーはまとめて殺して食べてしまうけど、増えすぎたクジラはどうして食べちゃダメなのよ。 ウィキペディア h…

 

2008/03/14 20:16

自国のは良い虐殺ですか? [ひっそりと語ってみる]

 

オーストラリアの今までの反捕鯨に対する姿勢は 動物愛護の観点からではなかったのでは? この記事を読むと、余りにもお粗末な気がします。 あと読売新聞の記事では、日本批判の急先鋒である ギャレット環境相は鯨と…