「ＦＡＣ前社長ら逮捕　詐欺容疑、資金運用実態なく」の記事詳細

ＦＡＣ前社長ら逮捕　詐欺容疑、資金運用実態なく

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11/04 09:53更新

　福岡市の資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー（ＦＡＣ）」が元本保証、高配当をうたって全国の約８０００人から出資金約１３５億円を集めたとされる事件で、福岡、佐賀、熊本、大分の４県警の合同捜査本部は３日、詐欺容疑で同社の前社長、黒木博文容疑者（４２）＝那覇市垣花町＝ら１２人を逮捕した。同社の関連団体から複数の政治家側にパーティー券購入代金名目などとして資金が流れたことが判明しており、捜査本部は資金の使途を含め全容解明を進める。

　捜査本部は、同社が資金を運用していた実態はほとんどなく、集めた資金を会員への配当に回す自転車操業だったと判断。前社長らが当初から詐取する目的で金を集めていたとして詐欺容疑での立件に踏み切った。被害は島根を除く４６都道府県に広がっているとみている。
　調べでは、黒木容疑者らは「『投資家への道』と題したＣＤソフトなどの購入代金として１口１００万円を出せば、毎月５万円を受け取れる」などと虚偽の説明をして昨年１～３月、山口県下関市の女性（４９）、北海道千歳市の男性会社員（３９）ら４人から計約１５００万円を詐取した疑い。大半の容疑者が否認している。
　同社は全国各地でセミナーを開催し「独自に開発した外国為替証拠金取引で運用益をあげている」と、元本保証と高配当を約束し出資を募集。新規出資者を紹介すると月２万円が受け取れるとも説明していた。

　捜査本部によると、集めた金は黒木容疑者らの高額な報酬や遊興費にあてられたほか、モンゴルでの石炭採掘事業などに約１０億円を投資したとみられ、残りは約７億３０００万円しかないという。
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　■政治家に「カネ」使途追及へ

　ＦＡＣをめぐっては、前社長の黒木博文容疑者が代表を務めた関連団体「ＷＢＥＦ」から故松岡利勝元農水相ら３人の国会議員側にパーティー券購入名目などで金が流れたことが判明している。
　故松岡氏側は平成１７年１２月にＷＢＥＦから１００万円を受け取ったが、政治資金収支報告書には記載せず、農水相就任直後の昨年９月に報告書を訂正していたことが発覚。また特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）の認証を目指していたＷＢＥＦのために、松岡氏の秘書が所管の内閣府に審査状況を照会していたことも判明。松岡氏は「働き掛けや要請ではなかった」と説明した。

　このほか、ＷＢＥＦからは魚住汎英元参院議員側にもパーティー券購入代金の２４０万円や、囲碁セット購入名目で２０００万円が流れたことも明らかになった。昨年３月には野呂田芳成元農水相（衆院秋田２区）側にもパーティー券購入代として４０万円が振り込まれた。

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