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男性ターゲット　チョコは“効能”で売る

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06/25 13:08更新

■疲労回復や動脈硬化予防

　「ストレス社会で闘うあなたに」「立ち止まってはいられないオトコ達へ」
　力強いキャッチコピーとともに、男性を意識した機能性チョコレートが続々と登場している。抗酸化作用のあるポリフェノールを含み、健康によい食品としても注目されているチョコレートに、ストレス軽減や疲労回復を助ける成分を加えた商品がビジネスマンを中心に人気を集めている。

　江崎グリコは２年前に投入した「メンタルバランスチョコレートＧＡＢＡ」のギャバ成分を２倍に増やした新製品を５月５日発売した。当初の製品は売り上げ１０億円でヒットと呼ばれる菓子市場で０５、０６年度の２年連続、４０億円を売り上げる大ヒット商品となった。

　ギャバは抑制系の神経伝達物質で、人間の脳に存在する。本来なら、体内で必要な量を作り出すことができるのだが、年齢が上がったり、ストレスを感じることによって体内のギャバ量が減少。興奮系の神経伝達物質が過剰に分泌するのを抑えることができなくなり、常に緊張状態になるという。ギャバ・ストレス研究センターの実験によると満員電車の乗車前にギャバを摂取すると、摂取していない人に比べて精神的ストレス指標のクロモグラニンＡの上昇率がゆるやかになったとの報告もある。

　同センターの発起人で静岡県立大学の横越英彦教授によると、ギャバは「１回に３０ミリグラム以上を摂取すると３０分から１時間でストレス低減効果が得られる」という。「メンタルバランスチョコレートＧＡＢＡ」の場合、従来品（１粒２・５グラムにギャバ７ミリグラム）なら４～５粒、新製品（１粒１グラムにギャバ５・６ミリグラム）は５～６粒を食べると効果が得られそうだ。

　森永製菓も機能性チョコレートとして「ＭＡＣＡチョコレート」（４０グラム１５８円）を１２日に発売した。マカはアミノ酸やビタミンを豊富に含み、アンデス地方では古くから栄養源として食べられてきた。マカの輸入販売を行うヤマノ（福岡県北九州市）によると、マカにはアスパラギン酸というアミノ酸が豊富に含まれているという。アスパラギン酸は新陳代謝を促し、タンパク質の合成を高めるため、滋養強壮や疲労回復に役立つのだ。

　森永製菓で開発を担当した菓子事業本部菓子マーケティング部チョコレートカテゴリーＰＭの西川憲之さんは「オフィスで疲れたときに食べてほしい」としている。
　明治製菓も４月に、従来の糖質の半分を、筋肉や脳を動かす原動力となるぶどう糖に置き換えた「ぶどう糖チョコレート」（５０グラム１５８円）を発売。４、５月の売り上げは目標額を３０％上回った。

　機能性チョコレートが花盛りだが、チョコレートはもともと健康に良いとされる成分を豊富に含んでいる。チョコレートの原料となるカカオ豆は抗酸化作用のあるカカオマスポリフェノールを含み、動脈硬化予防や血液をサラサラにする効果が期待されている。カカオ分を高め、ポリフェノールを豊富に含む商品も発売され「嗜好（しこう）品ではなく健康食品として食べる人が増えている」（チョコレート・ココア協会）という。

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　■「夏限定」もヒット

　これまでチョコレートの需要期は秋冬とされてきたが、冷やして食べる「夏チョコ」ブームなどを追い風に、チョコレート生地１００％製品の売り上げは４年間で２倍に成長した。また夏季は、各社が新製品を続々と投入する秋冬期に比べて、新製品に注目を集めることができ、機能性を訴えるにはうってつけの時期だ。各社とも今年は、「夏チョコ」と「機能性」の両輪で夏枯れ防止に挑む。

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