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2026年5月5日

『教員による若年性被害者を支える会』 通称『糧の会(かてのかい)』について

2026年5月5日

「糧の会」代表 弁護士 小 竹 広 子

同   理事 弁護士 秦   雅 子

同   理事 弁護士 河 邉 優 子 

糧の会(かてのかい)を設立しました

 2026年2月20日付の札幌地裁判決で、学校法人恭敬学園が運営する北海道芸術高校札幌サテライトキャンパスに通っていた女性が16歳から18歳まで教員から継続的性被害を受けていたケースにつき、1100万円の損害賠償請求が認容されました。この事件が広く報道されると、「被害者を支援するために寄付したい」といったお問い合わせが、複数人の方々から、代理人の小竹・河邉が所属する東京共同法律事務所に寄せられました。

代理人弁護士らが、原告本人と相談した結果、大変有り難くご支援を受けたいということでした。ただ、もし可能であれば、原告だけでなく、同じ加害教員から性被害を受けた方、他の教員から性被害を受けた若年者一般も対象として支援ができる枠組みで寄付を受けられたら、より嬉しいとのご意向でしたので、受任弁護士が、所属事務所の他の弁護士とも相談した結果、『教員による若年性被害者を支える会』、愛称『糧の会(かてのかい)』を作ることとなりました。

 

寄付金の使いみち

いただいた寄付金は、まずは、今回の札幌地裁判決の原告が、必要とする裁判費用(訴訟印紙代・郵券代等裁判所に支払う訴訟費用、弁護士費用、診断書・専門家意見書・鑑定費用、通信費・交通費・コピー代等の実費)に使用させていただきます。

次に、原告は、激しいPTSDと解離性同一性障害の症状のために大学に通えなくなり、学業が頓挫してしまっていますが、今後原告が、学び直しができる心身の状態に回復した場合には、学び直しに必要な学費に使わせて頂くことが考えられます。

もし充分多額の寄付金が集まった場合には、

・同じ加害者による他の被害者、

・他の教員による若年性被害者に対しても、今後、同様の支援ができたら良いと考えております。

なお、被害者のプライバシー保護の観点から、会の運営は、弁護士のみを会員・役員として行わせていただくつもりです。

 

教員から性被害を受けた若年者が抱える深刻な問題

会の理事となった弁護士は、皆、これまで多くの性被害者の支援を行ってきた女性弁護士です。

教員から性被害を受けた若年者が抱える問題は、以下のように、非常に深刻で、多岐にわたります。

  • 被害を受けたときには、人生経験や性的経験が少なく幼いことから、それが被害であるとさえ気づけないことが多く、親しく信頼していた教員からの性被害にどう対処すれば良いのかわからず、自分の座標軸が持てないまま、嵐の中にいるように、とにかく辛い、苦しい状態が続いてしまいます。
  • 自分に起きている被害がおかしいことかもしれないと思っても、教員から指導を受け続ける必要がある、指導に名を借りた教員からの仕返しが怖い、学校での居場所を失いたくない、受け入れてしまった自分が悪いと思わされ、後からその関係を覆すことができないなどの理由で、誰にも相談できないまま、被害に遭い続ける状態に置かれやすくなります。
  • 被害と気づいた場合でも、既に両親から心理的に切り離して加害教員だけが味方だと思わせるマインドコントロールが完成していることや、両親を心配させたり怒らせたりするのを避けるために、誰にも言えない場合が続くこともあります。
  • 経済的自立ができていないため、医療や弁護士相談へのアクセスも両親の同意が不可欠であり、支援につながることが困難になります。
  • 被害から逃れられた後も、性被害の後遺症として、自分に起きたことを確認するかのように自身の性的魅力に価値を見出す仕事(ガールズバー、キャバクラ、性風俗店など)に近づいてしまうなど、生きづらさが生じやすくなります。
  • 被害が大きければ大きいほど、心の奥に深く沈めて自分の心を守ろうという反応が生じるため、かなり長時間が経過してから性被害だったことに気がついたり、PTSDの症状が生じたりして、時効により損害賠償請求が認められないという事態が生じます。
  • 弁護士からすれば、時間が経過した被害は証拠の散逸などから扱いにくく、警察など刑事司法機関も扱ってくれません。弁護士費用と時間とエネルギーをかけて提訴などの活動をすることは、本人にとってもメリットが無いと考えられるため、受任してくれる弁護士を探すこと自体が困難となります。

 

心ある方からのご寄付のお願い

このように、教員からの性被害を被害として訴えようとする方には、様々な困難が伴い、経済的な事情で訴訟等をあきらめなければならない方も多々おられます。

本件の原告と、教員から性被害を受けた若年者に、お心を寄せて下さる方からのご寄付を募ります。

【振込先】

三菱UFJ銀行 新宿通支店 普通口座

口座番号: 0813170

口座名義: 糧の会(カテノカイ)

これまで「預り金弁護士小竹広子」名義の口座宛にご送金いただいたご寄付についても、上記口座に組み入れ済みです。既にご寄付をくださった皆さま、温かい言葉をお送りくださった皆さま、ご関心を寄せてくださった全ての皆さまに心より感謝申し上げます。


本会の愛称『糧の会』は、原告が描いた自画像に由来しています。

原告は、「この自画像は、泣き腫らしたあとのすっぴんで、毎日泣き腫らしているので、要するにありのままを描いていて、赤黒い嫌な記憶も私の人生なので、糧に加工してネックレスにして首元にかけており、赤黒い嫌な記憶は事実なので、なかったことにしない、それでも私は汚れていない、という絵です」と説明してくれました。

想像を絶する性被害の経験を、人生の「糧」に加工するための過程として、必要な訴訟費用等の経済的支援ができれば、幸いです。

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