佐賀県警のDNA型鑑定不正、警察庁が特別監察 求められる背景解明

有料記事

編集委員・吉田伸八
[PR]

 佐賀県警科学捜査研究所(科捜研)の職員(懲戒免職)がDNA型鑑定で不正行為をしていた問題について、警察庁の楠芳伸長官は2日の定例会見で、警察庁が同県警に8日から特別監察に入ることを明らかにした。今回の不正行為の事実関係や繰り返された原因、再発防止策が適切かなどを確認する。この問題では、県弁護士会などから第三者による調査を求める声が出ている。

 特別監察は、都道府県警の重大な不祥事などを受け、規律保持のために必要と判断した場合に実施するもの。特別監察では、警察庁の首席監察官、刑事局の担当官のほか、警察庁の付属機関「科学警察研究所」のDNA型鑑定の担当職員も同行し、専門家の目で県警の鑑定の体制や実施状況などを確認する。

 警察庁は特別監察の結果をふまえ、今後、他の都道府県警の科捜研に対する業務監察も行い、DNA型鑑定などの実施状況に問題がないか確認する。

 楠長官は会見で、不正について「DNA型鑑定に対する国民の信頼を損なうもので、警察庁として重く受け止めている。対策を確実に実施して、今回のような事案を二度と発生させることのないよう、しっかり取り組んいいく」と述べた。

不適切な行為は130件

 佐賀県警の問題は、元職員が2017~24年、実際には行っていないDNA型鑑定を行ったように装ったり、鑑定資料を紛失して別のものを警察署に返還したりといった不正を重ねていた。不適切な行為は130件にのぼるという。

 県警は9月8日、職員を懲戒免職とし、このうち13件について虚偽有印公文書作成容疑などで書類送検したと発表。「捜査や公判に影響はなかった」と説明した。鑑定作業の各段階で上司が立ち会い、複数の目でチェックするといった再発防止策を明らかにしていた。

 佐賀県弁護士会は同9日、「身内だけで出された結論で、公正さを欠く」などと指摘し、第三者機関による調査を求める会長声明を発表した。日本弁護士連合会も同29日、第三者機関を設置し、不正行為が捜査や公判に与えた影響の検証などを法務省や警察庁などに求める会長声明を発表した。これに対し、県警の福田英之本部長は県議会や記者会見で、第三者による調査は必要ないとの考えを示している。

 警察庁によると、特別監察は…

この記事は有料記事です。残り1178文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
吉田伸八
編集委員|警察庁担当
専門・関心分野
警察行政、事件、犯罪