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“なぜまた能登が...”〜緊急報告 繰り返された被災〜

初回放送日:2024年9月24日

元日の地震で甚大な被害を受けた能登半島を今度は記録的大雨が襲った。24時間雨量が400ミリ超という観測史上最大の大雨によって、復興の遅れが指摘されていた地域での被害が拡大。20を超える河川が氾濫し、仮設住宅の浸水も。さらに各地で土砂崩れが起き、孤立した集落は115か所となり、命と暮らしが再び脅かされる事態になっている。桑子キャスターが現地取材し「繰り返された被災」の実態を緊急報告する。

放送内容

目次
  • 緊急報告 能登大雨 なぜ被害は拡大した
  • 大雨による土砂崩れ 地震の影響が
  • 仮設住宅も浸水 そのリスクは
  • 被災地の状況は
  • 地震と大雨で 能登復興への影響は
  • 地震からの復興に影響は 専門家に聞く

緊急報告 能登大雨 なぜ被害は拡大した

想定外の事態は、なぜ起きたのか。
輪島市中心部の河井町で、自宅が浸水被害を受けた本多さん一家。

本多清美さん
「一方、二方、三方で、全部こっちで流れたので。これは、あっという間でした。流れる量は、結構、速かったです」

本多さんの自宅の防犯カメラに、その様子が克明に記録されていました。

朝7時、まだ雨は本降りではありません。8時になると、次第に雨が強くなっていきます。9時、冠水が始まる様子が映し出されています。その後、10時には広範囲に冠水が拡大。

11時には、輪島市の中心部を流れる河原田川が氾濫し、車が立往生。こうした急激な事態の悪化をもたらした要因の一つは、線状降水帯の発生でした。

線状降水帯は、発達した積乱雲から非常に激しい雨が同じ場所に降り続く現象です。気象庁は危機感を持ってもらうため、半日前の予測を目指しています。しかし、今回、予測は発表されませんでした。

当日の雨雲レーダーでは、朝8時から発達した雨雲がかかり始めます。9時7分、気象庁は線状降水帯が発生したと発表しました。輪島では、観測史上最大の雨量を記録していました。

名古屋大学 坪木和久教授
「ある程度の雨が降るということは予測できたのではないかなと思います。難しいのは、それが100ミリで終わるのか、300ミリ、400ミリと降るのか。この量を予測するのが難しい。線状降水帯を正確に予測することは、現状では非常に難しい」

朝9時、各地で災害が発生し始めます。地震からの復興の象徴として期待される、中屋トンネル。25日、通行が再開する予定でしたが…。

9時30分ごろ、土砂崩れが発生しました。現場周辺では10人が救助されましたが、このうち2人が亡くなりました。救助された堂口英司さんです。この日、トンネル付近で警備の仕事をしていました。

警備員 堂口英司さん
「何とも言われんよ。(救助されるまで)不安で」

これは、他の作業員が撮影した当日の映像です。堂口さんは、この日、朝9時から勤務を開始しますが、大雨のため1時間ほどで仕事が中止に。帰宅しようとしたところ、土砂で道が塞がれて孤立状態に陥りました。妻が持たせてくれたおにぎりで、一晩耐えしのんだといいます。

堂口英司さん
「いつ(救助に)来てくれるか。3日も4日もいないといけないか、それとも野たれ死にになるのかって」

翌日。自衛隊によって救出。妻とも再会を果たすことができました。

輪島市の塚田川です。21日の朝9時ごろ、川の水位は急激に上昇。その後、氾濫が起きました。大雨の翌日、捜索活動の様子を見つめる一組の親子がいました。

喜三鷹也さん
「本当は捜索したいんですけど、見守るしかない状況で」

安否が分からなくなっている、中学3年生の娘、喜三翼音(きそ・はのん)さん。家に一人でいたところ川が氾濫し、家ごと流されたと見られています。翼音さんは、テレビ電話で家族に自分の状況を伝え続けていました。最後に電話がつながったのは、朝9時55分のことでした。

母親
「9時55分に(電話を)かけて、それが最後だった。なるべく高いところに逃げてって(伝えて)。その時は必死だったと思う」

喜三鷹也さん
「とにかく、どんな形でも見つかってほしいという願いだけです。抱きしめたいですね」

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このエピソードの放送予定

都道府県(放送局):
東京都(首都圏局)

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出演者・キャストほか

  • ゲスト
    姥浦 道生
    東北大学 災害科学国際研究所教授
  • キャスター
    桑子 真帆
    アナウンサー
  • キャスター
    井上 二郎
    アナウンサー