総合スーパー(GMS)の低迷が言われるなか、ユニーが復活した。「ドン・キホーテ」による完全子会社化から5年がたち、営業利益は約10年ぶりの水準に回復。店にはドンキ流が浸透し、パートらが売り場の「経営者」となって活躍。仕入れを一任され、時に数百万円分の発注もする。責任感が強まるなど、好業績につながる循環が生まれている。

※「日経MJ」2024年3月29日付記事「情熱パートでユニー復活」を再構成したものです
ユニーがドンキ流の経営ノウハウで復活を遂げている(愛知県稲沢市のアピタ稲沢店)
ユニーがドンキ流の経営ノウハウで復活を遂げている(愛知県稲沢市のアピタ稲沢店)

 「次の冬物商品は値下げして在庫をなくそうと思っているのよ」「値下げしたら粗利が減るわよ。ほかでどう稼ぐのよ」。2023年11月、ユニーのアピタ緑店(名古屋市)の従業員控室で60代や50代のメイトが集まっていた。

 ユニーはドンキと同じく、パートやアルバイトのことを「メイト(仲間)」と呼ぶ。メイトは全従業員の8割強にあたる1万9000人いる。

 勤続年数25年でインナー部門のリーダー「メイトMDプランナー」、家田まなみさん(59)は「メイト同士が休憩中に商品の粗利や販売の仕方を話し合う光景は、昔のユニーではみられなかった」と明かす。

パート・アルバイト(メイト)へ仕事を任せることが、好調につながっている
パート・アルバイト(メイト)へ仕事を任せることが、好調につながっている

「1人の商売人」として仕事をする

 家田さんは通勤時、勤務先近くのドン・キホーテ緑店(同市)の視察を日課としている。自分が担当する靴下売り場の収益向上を目指し、そのヒントを探るためだ。

 靴下をばら売りにしたのはその成果の一つ。従来は3足・4足セットとして販売していたが、顧客から「この1足だけがほしい」との要望が増えてきたことに対応した。

 陳列方法も年代別・属性に応じて変えた。10代向けはカラフルな棚、男性向けでは機能性をアピールする店頭販促(POP)を取り入れた。粗利益率は変更前と比べて4ポイント以上も改善した。

 家田さんは「昔は『売れないのは私のせいではない』と思っていた。今は1人の商売人として自分で仕入れて棚を作っている。一喜一憂する毎日が楽しい」と語る。

 ユニーは1912年(大正元年)に創業し、歴代社長の中から日本チェーンストア協会の会長を輩出する名門企業だ。90年代や2000年代には中部地方に集中出店するドミナント戦略を展開して収益を拡大してきた。

 しかし、イオンやセブン&アイ・ホールディングスのほか、家電量販店やアパレル専門店に顧客を徐々に奪われて業績不振に。17年2月期の最終損益は565億円の赤字に陥った。

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