- 中国の福建省で見られる「土楼」とは、「土の建物」という意味で、主に木材と土壁で造られた長い歴史を持つ家屋のことをいう。
- 2008年、46棟の土楼がユネスコ世界遺産に登録された。
- 要塞の役割も果たすこの数階建ての建造物は、観光地化される一方で、現在も住む人たちがいる。
中国南東部に位置する福建省の山あいには、巨大な要塞のような建造物が建っている
ナショナルジオグラフィックによると、これらの長い歴史を持つ建造物は「土楼」と呼ばれる共同住宅で、かつては1棟に最大800人が住んでいたという。
土楼は通常、3、4階建てで、木材や土壁などで作られており、伝統的に客家人と関連付けられている。
建設された時期は15世紀から20世紀で、ユネスコによると中央の中庭に面する造りになっているという。
土楼の造りはとにかく実用的だ。紛争が起きた際には、この巨大な共同住宅が要塞の役割を果たす
中国の北方から南方に移住してきた客家人は、しばしば現地の住民との争いに直面した。
敵対する勢力からの防御のために、土楼の壁は厚さ1.5メートルにもなった。また、鉄の門や脱出用地下道、武器庫、銃眼などで防御を固め、包囲された場合でも住民が住居を守れるようになっていた。
「開口部は一般的に花崗岩の角材で枠が造られ、そこに木材の扉が取り付けられた。入り口が1つしかないため、防御がしやすい」と、シンガポール工科デザイン大学の建築の歴史・理論・批評の准教授、楊茳善(Yeo Kang Shua)はInsiderに語っている。
「窓は通常、高層階にあるため、そこから入るのも難しい」
威圧感のある外観とは異なり、内部は共同生活のための設計となっている
中庭は、宗教的な儀式やお祭り、結婚式など、居住者が集う場所として利用されている。
土楼は広東省をはじめ、中国の他の地域でも見られる。
シンガポール国立大学中国学部の康格温(Kang Ger-Wen)助教授はInsiderに対し、広東省の土楼を訪れたときのことをこう語った。
「ほとんどの土楼には、一族の神社や学校がある。客家の人々は、家族関係と教育が人生で最も重要なことだと考えているからだ」
各部屋は同じ間取りで設計されている
それぞれの土楼は、自己完結した村のようだ。建物の区画は、同じ氏族ごとに分けられている。
電気や水道も完備し、食料は主に自分たちの畑や近隣の村から調達していると康助教授は言う。
各階の個室をつなぐ廊下は、居住者同士の近所付き合いを促すという意図が込められている。
土楼の形はドーナツ型が多いが、正方形のものもある
「防御のための建造物として、円形にすることは、死角を作らないことを意味する」と、楊准教授はInsiderに語った。
2008年には、46棟の土楼がユネスコ世界遺産に登録された
ユネスコのウェブサイトによると、これらの土楼は「人類の定住場所として傑出した事例」であるという。
観光客に公開されるようになったが、今も多くの高齢者が土楼に暮らしている
若い世代が仕事や教育の機会を求めて都市部に移り住むようになり、土楼の居住者数は近年減少傾向にある。
しかし、この地域の観光が盛んになったことで、これらの歴史的建造物は地域の産業を支え、活気を取り戻している。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
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