「息子の尊厳が守られたとは言えない」 小樽・飲酒運転事故死の大学院生の家族がコメント
2026年 8月19日 16:08 掲載
2024年、小樽市の国道で、飲酒運転で事故を起こし大学院生を死亡させた危険運転致死の罪に問われた男の刑が確定したことを受けて、大学院生の家族が「死ぬ必要のなかった息子の尊厳が守られたとは言えない」とするコメントを発表しました。
34歳の受刑者の男は2024年9月、およそ12時間にわたって酒を飲んだ後、車を運転し、小樽市の国道5号で乗用車と正面衝突する事故を起こし、大学院生の田中友規さんを死亡させた危険運転致死の罪に問われていました。
札幌地裁小樽支部は、7月の判決で「運転できると安易に判断した無謀な意思決定は非難に値する」とした一方で、「被告人なりに反省の態度を示し、損害賠償が見込まれる」などとして、懲役5年6か月の求刑に対し懲役4年6か月を言い渡しました。
控訴の期限までに検察側、弁護側いずれからも控訴の申し入れがなかったことから、今月13日付で、懲役4年6か月の判決が確定しています。
【田中友規さん両親のコメント】
判決は裁判官の裁量の範囲内との判断で、検察側からの控訴はありませんでした。
この件には被害者側は物申せぬものだそうです。
刑は懲役4年6か月で確定しました。
12時間余りの飲酒後に札幌の中心街から小樽までの長距離を飲酒運転していて休もうとしなかったこと、わざわざ中島公園の近くの駐車場を選んでいて警察の取り締まりを逃れようとしていること、初めから車で飲みに行っていることから、被告人は飲酒運転をはじめからする気であり、極めて悪質なるものだったと思います。
しかも、常習性を強く感じます。
私共にとっては殺人です。
検察官の求刑も短いなと感じました。
裁判では被告人のその自己判断は厳しく指摘されていましたが、反省を示している、任意保険による賠償が見込める、前科がないといった理由で、検察官が同じことを指摘して求刑しているにもかかわらず、さらに同じ理由で減刑されてしまったな、という理解に至ると、これだけの事件を起こしても、そんなものなのかと思います。
量刑判断を聞き、息子は2回殺されたかのような思いに苛まれます。
最近、法改正も行なわれたようで、自動車運転死傷処罰法第2条で息子の様な案件もより重く処罰されるようになるかもしれません。
飲酒運転を、量刑のみでなくそうとする考えは正しくないと思います。
しかし、今回の事故がトンネルの中で起こって多重事故、火災などに至っていたとしたらと思うと、ぞっとします。
今回の判決では、飲酒運転の悪質さの本質が理解されず、あまり強く罰せられなかったように感じます。
この判決では、厳罰化の傾向のあった飲酒運転の処罰に水を差し、死ぬ必要のなかった息子の尊厳が守られたとは言えません。
繰り返される飲酒事故に対し、刑事罰が抑止力を担ってもらえるならば、より厳しい判断を裁く側にお願いしたいです。
同じような悲劇が繰り返されることが何とかなくなってほしいというのが、今私共が申しあげられる唯一の願い、唯一の祈りです。