二次創作を殺すのは鹿乃つのでもIxy先生でもなくて
面倒くさくなるから必死に言及しないようにしてきたんですけど、Ixy先生を「シキシー」などと揶揄する輩が出てきたばかりか「鹿乃つのと同じ」などと愚弄を重ねる投稿があまりに増えてきたので、怒りのままこれを書きます。
私とIxy先生が同レベルなわけないだろふざけんな。
IXY(いくしー/シキシー)&擁護信者&色紙オークション闇絵師界隈に対して
— ウルミ (@gdfrt9999) August 18, 2026
「一次創作に対するリスペクトの無さと私物化が鹿之つのと同レベルだろ」
って言っちゃうの、あまりにも火の玉ストレートすぎるから禁止カードになりそう
公式が出す二次創作→超かぐや姫!お疲れ様本騒動
公式の仕事も数多く手がける、公式寄りの絵師による二次創作→Ixy先生ブルアカ色紙騒動二次創作
C108 2026年夏のコミックマーケットで、これらが同時に話題になったのはただの偶然ではなく、必然だったと思います。
その二者が現在投げつけられている罵詈雑言の大半は、私は2025年の万博コスプレ騒動以降、私にも向けられてきたものでした。
1人の当事者として渦中に立った私は、騒動の初期のインタビューでこのように答えています。
今回のように、コスプレや二次創作の是非が一般の方も巻き込んで議論となるのは、長く曖昧になっていた二次創作の在り方を定義する、またとない機会になると思います
また、その数ヶ月後にはYouTube番組『REAL INFLUENCER』でのインタビューでもこのように答えています。
このままだと、表現の萎縮だったりとか、コスプレ文化、同人文化が小さくなっていってしまうと思う
放送では尺の都合上「誹謗中傷が同人文化の衰退を招いてしまう」という文脈になってしまいましたが、実際は下記のようなプレゼンがあった上で、それとは少し違う文脈で「同人文化衰退」について語っていました。
この画像はREAL INFLUENCERで実際に使ったプレゼンの一部です。
そんな私の、C108のあれこれに対する率直な感想、第一声はこれです。
「だから言ったじゃん」
私の嘘の悪評をばら撒かれてるとか、そんなのは二の次三の次でよくて(よくないけど)、渦中で当事者として「消費者側の暴走によって二次創作の首が絞められている」ことを強く感じたんですよ。
このままじゃ、二次創作が潰れると。
私程度の適当なクリエイターがいい感じに論争の渦中にいるうちに、ちゃんと議論して、ちゃんと線引きか対処か何かしたらよかったんだよ。
叩きたがりさんが注目を浴びるのが容易な今、叩きたがりさんと便乗屋を個別に縛るなんて無理な話。構造と制度でなんとかしなきゃならない時代が確実にきていると思います。
二次創作は内々でうまく回ってきた
前述の資料のとおり、今まで二次創作周りはうまくバランスが保たれていました。界隈が小さく「わかる人だけが集まる」「わからない人や反感、疑問を持つ人もいるが、良い同調圧力で『そういうものだから』で終わる」という状態だったんです。
見る側、作る側の人口がここまで爆発的に増え、創作者と消費者の距離がここまで近くなった今、そのバランスは崩れはじめています。
「必ずしも悪いことをしているわけではないが、叩くこともできる出来事がTLにぱっと流れてくる」
「叩いている人の意見に数千、数万いいねがついている」
「叩いている側が正しいように見える」
「自分も便乗する」
「いいねや閲覧数が増えて気持ちがよくなり、さらなる追及や粗探しへ」
この流れが顕著になっているように感じます。
万博コスプレ騒動当時から、私はこれを懸念してきました。
クリエイターを殺させない日本であってほしい
私はIxy先生様とはもちろんお話をしたことがなく、ご本人のお人柄なども存じていないので、勝手な代弁は避けるべきだとは重々承知しています。
しかし、一般的な「人間」の心と最近の言動を照らし合わせると──本当に実際の状況がわからないので非常に失礼なことを申し上げる覚悟で言いますが、Ixy先生が命を絶つとか、筆を折るとか、そんなこともありえると思って、怖いなと思っています。
氷菓の二次創作イラストレーターのmery氏が、イラストを全て消してしまったあの時のような怖さを覚えています。
Ixy先生の色紙の金額は妥当なのか
「Ixy先生が色紙1枚で3万円以上の対価を受け取っている」という事実を、第三者、素人が知ったら、「おや?」と思うことまでは自然だと思うんですよ。
色紙といえば、多くの人にとっては「サイン会などで本を買ったら書いてもらうもの」「飲食店で無料で飾られているもの」などという価値観が広くあるからです。「思う」まではいいんですよ。
本人に届く形で「書く」から問題なんですよ。しかもさも自分が正しいかのような断定調で。
ろくすっぽ、そのルールやイベントの成り立ちや歴史、その存在意義、実運用のあり方も調べず、ぱっと見で叩く。で壊すんですよ。文化と、クリエイター個人を壊すんですよ。
で、気軽にいいねをつける。いいねってのは気軽でしょうけど、それって戦闘力、攻撃力、正当性みたいな顔して普通に本人に一つずつ襲いかかりますからね。立派な攻撃ですよ。
「当然」も「常識」も「あなたにとっての」でしかない
すべての「当然」「常識」は、令和8年の日本に、例えば東京に、その界隈に立っている、あなたの当然、常識でしかないんですよ。時代、場所、界隈、文化が違えば、当然も常識も全然異なるんですよ。
実際コレクターの常識と、多くの人間の常識は違います。コレクターの間で、こうした色紙、原画は数十万円でやりとりされることもザラです。珍しい色紙をゲットしたとInstagramにアップしたら、海外のコレクターから「⚪︎百万で売ってくれ」とDMが来たという方の話も聞いたことがあります。
そういった価値基準の中で生きている人からすれば、Ixy先生の色紙が数万だろうと、数十万だろうと、安く…というか、価値を軽く考えすぎとすら言えるのかもしれません。高い金額をつけるからこそ、後生大切に飾ってくれる本当に熱いファンの手に渡るという考え方もできます。
Ixy先生が数千円頒布しても、転売は数万に
逆に色紙をIxy先生自身が数千円で売ったとして、のちにコレクターが数万、数十万、数百万でやりとりしていたらどうでしょう。そのお金はIxy先生には入りません。
Ixy先生が長年培ってきた技術力とブランド力によって発生した価値が、Ixy先生自身ではなくまったく第三者のコレクターにだけ入る。それもそれで健全か、正しいのかは疑問です。(コレクターの方を批判する気は毛頭ありません。コレクターの方も鑑定などの高い技術力を要しますし)
Ixy先生は色紙を頒布しなければよかったのか
じゃあIxy先生は版権物の色紙を頒布しなければよかったのかもしれませんね。
でも、それは誰が幸せなんですかね。誰得なんですかね。
Ixy先生が描くことで、ブルアカの利益をぶんどることになるんであれば問題ですよ。それならブルアカ側が怒ると思いますし。(版元が何も言ってないからセーフって、こういう意味なんですよね)
でも消費者が首を絞めるのは、どういう了見なんですかね。シキシーだとかくだらないあだ名を気軽につけてるお前たちは、今日も楽しく「ああ仕事が大変だ」「明日も頑張ろう」とか言ってるんでしょうけど、画面の向こうの人に、それが数千、数万、数十万と襲いかかったとき、どれほどの暴力性を持つかなんて想像つかないんでしょうね。今どんな気持ちか想像しないんでしょうね。できないんでしょうね。だからそんなことを平気でやってのうのうの生きてられるんでしょうね。
Ixy先生がこういう頒布をやめてしまったら。
この1件を受けて、次回のコミケでは「色紙等のオークション」は目の敵にされるでしょう。それを危惧した絵師たちが、金額の大小関わらずこういった頒布をやめたら。
そろそろC108の本の電子頒布とかも始まりますかね?電子なら印刷代がかかっていないんだから金を取るのはおかしいとか始まるんですかね?メロブの委託にも何か言うんですか?メロブ自体を糾弾しますか?
次はスケブかな?それともポスターじゃんけん?それとも壁サーの売上?何を標的にするんですか?
外野が知ったら叩きたくなる事例
壁サーの利益はいくらか
ついでに。そもそも、壁サークル(何千部と頒布する超大人気サークルを指す。行列を外に形成する都合から、壁側に配置される)の利益を考えてみてください。
例えば2000円の同人誌を3000部頒布したら、200万円になります。この数字はかなり適当です。むしろかなり少なく見積もりました。でも、私たちの月収や生活費から考えれば大金ですね。
Ixy先生の色紙が「二次創作で」「数十万〜数百万?利益を出している」ことが本当に問題なのであれば、ほとんどの二次創作壁サーも問題としてとりあげられているはず。
しかしそんなことにはなっていません。
こんなふうに、素人、第三者が内情を知ったら、ぱっと見で叩きたくなる事案なんて世の中には山ほどあります。今日の生活に苦労している人が「二次創作で」「数百万」なんてのを見たら、叩きたくなる気持ちはわかります。
サビ残を望んでいる人もいる
もう一つ「第三者が知ったら叩きたくなる事例」を出しておきましょう。
サービス残業なんかはわかりやすく良くないことですね。法令違反ですし。一方で「若いうちの苦労は買ってでも」と、本人が心から望んでいるケースもあります。(私個人としてはサビ残大反対派ですが)
実際、若いデザイナーの友人から「会社で先輩と仕事をしたいのに、残業上限オーバーしちゃうから家に持って帰ってやっている」という本末転倒な愚痴も聞いたことがあります。
私はこの話をカフェで友人から聞きました。友人の事情や感情もその場で聞けます。だから「え〜それは大変だよね」「私はサビ残に苦労させられた経験あるから整備されて助かってるけど、やりたい人もいるんだもんね」と返せます。
しかしネット上で見かけた場合は、どうでしょうか。
「サビ残なんてありえない」「推奨しているのか」「これを盾に上司にサビ残を肯定されたら困る」なんて批判も、一定の説得力があります。
でもその批判になんの価値があるのでしょうか。…と思えた人は健全な方だと思います。価値があるんですよ、彼らには。
では「SNSでの批判に価値を感じる彼ら」とは誰なのか
だらだらと書き連ねていたらちょっと溜飲も下がってきたので、最近読んだ本のことを思い出しながらもう少し冷静に話をしてみようと思います。
次の回で。
https://note.com/preview/nb6c869ce3a11?prev_access_key=26db78ce2f25ad54a5bbf75daed2477f
追記
冒頭の投稿の人とその周りの人たちにはとても怒りを覚えていますが、ウルミ氏自身はまだ一貫性があるんですよね。そう、じゃあ〇〇はいいのかと言われたら大体結構全部だめなんですよ。
じゃあ〇〇はいいのか理論、
— ウルミ (@gdfrt9999) August 20, 2026
「メロブも虎もFANZAもDLsiteもpixivもダメなことしてるに決まっとるやないか」
って言われるだけなので最初から破綻してる https://t.co/MGCYfgP3fc
あとこれね。私に対して「原作リスペクトがない」と言っているコスプレイヤー、絵師がエロ売りしていない作品のエロ同人やったり楽しんだりしてるのは甚だ矛盾しているとずっと思っていたので。
少なくともエロ売りしてない作品のエロ二次創作同人作品は原作や権利者に対するリスペクト0で(仮に拡散してやってる理論が機能したとしても)広告として最悪に近い風評被害にしかなってない https://t.co/nmz8z65zte
— ウルミ (@gdfrt9999) August 20, 2026
ただ「シキシー」なんてのを面白いと思う性格も、いいねで気持ちよくなったのか暴言投げつけてるところも全然擁護できないけど。それはそれ、これはこれ。

