大学病院など9医療機関で管理されていた患者のX線画像が、本人の同意なく医療機器会社(東京都港区)に流出した疑いがあることが朝日新聞の取材でわかった。患者の手術の際にこの会社の社員がX線画像を手持ちのカメラで撮影したとみられる。専門家は「X線画像は厳格な管理が求められている。個人情報保護法に抵触するおそれがある」と指摘した。
この会社は英国で創業された「スミス・アンド・ネフュー」の日本法人。整形外科の人工関節手術で使われるインプラントなどの医療機器を販売する。同社は取材に事実関係を大筋で認め、「極めて重く受け止めている。患者情報保護の遵守(じゅんしゅ)に取り組んでいく」とした。
X線画像、持ち出したのはなぜ?
X線画像の患者にはスミス社の機器が使われていた。画像は社内で共有したとし、その理由を「知見の共有目的」と説明している。だが同社関係者は「営業先の医師に画像を見せて機器を売り込むためだ」と指摘した。
朝日新聞は同社内のグループチャットに投稿されたX線画像と撮影した病院名などが記されたコメントを確認し、病院側にも取材した。その結果、少なくとも金沢大(金沢市)や神戸大(神戸市)、大阪公立大(大阪市)、宝塚市立(兵庫県)、埼玉協同(埼玉県)、聖マリアンナ医大(神奈川県)、日本鋼管福山(広島県)など全国各地の大学病院など9医療機関の患者16人分のX線画像が撮影されていたことが判明。投稿は2025年9月と10月にあった。
スミス社関係者によると、問題の投稿は社員数十人が閲覧することができ、画像をさらに外部に持ち出せる状態だった。投稿について同社関係者は取材に「少なくとも5年前からあった」と証言した。
国に報告した病院も
神戸大と大阪公立大、埼玉協…