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BeReal炎上—新入社員のSNS炎上が続く理由とは 米国と日本の違い、防ぐための対策は

成蹊大学特別客員教授/ITジャーナリスト
写真:ロイター/アフロ

BeReal、ストーリーズ炎上が続く理由

BeRealによる炎上が続いている。西日本シティ銀行や仙台市の小学校などで、若手社員などにより社内情報、個人情報が流出し、炎上しているのだ。

BeRealはランダムにくる通知から2分以内に撮影するアプリで、インカメラとアウトカメラで同時に撮影するため、撮影者といる場所が同時に写る。写真は加工はできず、保存した写真も使えないため、通知がきたらその場で撮る必要がある。投稿しないと友達の写真にはぼかしが入って見られないため、投稿しなければならない仕組みとなっている。

「2分以内」は義務ではない。しかしカウントダウンが始まると、「間に合わせなければ」という心理に陥りやすい。間に合えば再度好きなタイミングで撮影できるメリットがある一方、遅れれば「○時間遅れ」と表示されてしまうのも、この心理を後押しする。

友達限定公開にしていたり、投稿が最大24時間で消える仕組みも、油断につながりやすい。つまり、焦って撮影されるため問題あるものが写り込みやすいこと、「友達限定だし」「どうせ消えるから」という油断が働きやすいことが、問題投稿が多い理由なのだ。

4月頭には、日テレ「ZIP!」制作会社新入社員による炎上事件が起きた。こちらはInstagramのストーリーズによるものだった。ストーリーズは友達限定公開が多く、24時間で投稿が自動的に消える仕組みがある。つまり、「友達限定」「消える」が共通しているのだ。

SNSの友達は、真の友達とは限らない。相手が自分に好意的でなかったり、問題投稿をしていた場合は、画面を収録されて外部に流出、炎上させられるというわけだ。

米国でも続くSNSによるHIPAA違反炎上、解雇

様々なSNSによる法律違反投稿による炎上は、米国でも起きている。

米国である看護師が勤務中、投薬の様子をTikTokでライブ配信。患者は映していなかったものの、薬のパッケージに患者の個人情報が映り込んでいた。また、リドカインパッチを誤った時間に患者に貼ってしまい、気付いて剥がしたが、その様子も配信されていた。この動画は拡散、炎上し、通報されることに

患者の医療情報などを保護するHIPAA(医療保険の相互運用性と責任に関する法律)違反として、停職、解雇処分となった。

米国の歯科医院で、スタッフが患者の私的な日記を見つけ、読み上げながら笑っているTikTokが炎上した。ガン患者の放射線治療や治療への不安などを綴った日記だった。動画は、悪質なプライバシー侵害であり、医療従事者としてあり得ないとして炎上状態に。その上、ふざけた調子で笑いながら謝罪動画をTikTokに挙げるなどしたため、さらに批判が集まった。こちらも即時解雇処分となった。

日本と米国の違いは匿名性と法律

日本ではこのような問題を起こした場合、SNSで炎上し、個人情報が特定されてさらされ、デジタルタトゥーになる。大炎上した場合、ニュースとして社名とセットで報じられてしまう。

米国でも、日本と同じような事例は起きているが、少々事態は異なる。

米国は、Facebookに見るようにSNSでも実名文化だ。日本のように特定班など必要なく、即時解雇、或いは法的手段に訴えられるケースが多いのだ。

過去にも、TikTok以外に、FacebookやTwitterなどでも問題投稿から炎上、解雇処分などにつながっている。

米国では、HIPAA違反で医療関係者が問題になっているケースが多いが、患者名を明かしていなくても病院名などから特定できればアウトと見なされることが影響しているだろう。

(平成26年版情報通信白書で、Twitterの匿名・実名利用状況について国別比較をした調査がある。日本は75.1%が匿名利用で他国の倍以上となっており、SNSで匿名性を好む傾向が強いことは間違いないだろう)

平成26年版 総務省「情報通信白書」
平成26年版 総務省「情報通信白書」

安全に使うには慣れすぎず、反面教師に学ぶこと

国は違っても、問題投稿をすれば炎上し、罰を受けることには変わりはない。では、安全に炎上させずに使うためにはどうすればいいのか。

基本的なことだが、投稿する前に投稿内容、特に写真や動画は隅々まで見直すこと。社会人は特に、守秘義務違反行為とならないのかという視点で見直す習慣を付けてほしい。

医療従事者や教員などは、患者や児童生徒などの個人情報の取り扱いに特に注意が必要だ。院内や校内では撮影しないことを徹底するといいのではないか。

また、友達限定でも消える投稿でも油断しないこと。インターネットに一度投稿したものは、デジタルタトゥーになるリスクがあることを忘れないでほしい。

会社によっては、社内での撮影やSNS投稿が禁じられている場合もある。違反すると処罰対象となったり、会社に損害を与えれば損害賠償請求される可能性もある。就業規則を確認し、ソーシャルメディアポリシーなども確認しておこう。

このような炎上事件には、Twitterなどで多発した「バイトテロ」、「(寿司チェーンなどの)顧客テロ」、今年の年初に多発した「中高生暴行動画炎上」、今回の「社員テロ」など、流行のようなものがある。西日本シティ銀行の炎上動画は2024年撮影と見られ、古いものが掘り返されて炎上している。

テレビなどのニュースで、今どのような炎上が起きているのかパターンを知り、自分の行動の戒めにすることが大切だ。

SNSはあくまで趣味で楽しむために使うものだ。所属先や顧客などに迷惑をかけたり、デジタルタトゥーになってまで使うものではないことを、くれぐれも忘れないでほしい。

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ありがとうございます。
成蹊大学特別客員教授/ITジャーナリスト

ITジャーナリスト、成蹊大学特別客員教授。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。テレビ・ラジオ・雑誌等での解説等も行っている。元小学校教員。『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社+α新書)、『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)等著作と監修は合わせて30冊以上。教育出版中学校国語の教科書にコラム掲載中。光村図書道徳小中学校の教科書で情報モラルに関する校閲監修を担当。元小学校教員。子どもは高校生。

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