ネット上で話題になった、医療界騒然のマンガ『脳外科医 竹田くん』。主人公は口だけうまく、やたらと手術をしたがるが、手術はミス続き。そのモデルになった医師本人が初めて口を開いた――。
なぜあの人が担当に
〈四肢麻痺〉〈重度の聴力障害〉〈穿孔に起因する頭蓋内出血〉〈死亡退院〉
手術やカテーテル治療で失敗を重ね、こうした取り返しのつかない事態を招きながらも、開き直って周囲を振り回す外科医を描いたマンガ『脳外科医 竹田くん』が、医療界で波紋を広げていることをご存じだろうか。
2023年1月からブログ上で連載を始め、同7月まで更新されていたこのマンガは、早くから「ある実在の医師」をモデルにしているのではないか、と指摘されていた。それが、2019年7月から2021年8月まで兵庫県の赤穂市民病院に勤務していた脳外科医のA医師(40代・男性)である。
同病院の脳神経外科では、A医師が着任してわずか半年あまりで8件の医療事故が発生、3名の患者が亡くなった。市と同病院は原因などの検証を行ったものの、A医師が病院を去ったこともあり、地元では早くも事件は風化しつつあった。
ところが今年2月、事態は急展開を見せる。赤穂を離れたA医師が、その後勤務していた医誠会病院(大阪市、現・医誠会国際総合病院)でも医療事故にかかわり、搬送された男性を死亡させた疑いがあるとして、遺族から提訴されたのだ。
この遺族が語る。
「大病院で治療を受けられると安心していたのに、A医師は苦しむ父に診察も、必要な処置もしなかったのです。父を担当したのが、赤穂で複数の医療事故に絡んで追及されている医師だったことは後から知りましたが、医誠会病院はなぜそんな人を救急の医長にしていたのかと、やりきれない思いです」
今回、本誌はA医師を訴えた二組の患者家族と複数の赤穂市民病院関係者、さらにA医師本人からも話を聞いた。そこから見えるのは、医療ミスが疑われても十分に検証も反省もされない、医療界の「闇」だった――。