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オフセット印刷とデジタルオフセット印刷とデジタル印刷とオンデマンド印刷と。

印刷や加工にはたくさんの種類があって、それをどう呼ぶかは、法律や規格で決まっているわけではない。だからこそ(新しいものは特に)名称を使うひとや会社によって違っていたりもする。それが混乱のもとになることもあるので、私なりに整理をしてみたいと思う。

今日はタイトルに書いた、オフセット印刷とその仲間たちについて説明しよう。

オフセット印刷とは?

オフセット印刷はよく聞く名前だと思う。多くの場合は、PS版と呼ばれる平らな版を使って印刷する手法のことを指していて、平版印刷とも呼ぶ。版が平たいのになんで刷れるの? と思うかもしれないが、これは平たい版の表面を親油性と親水性とに性質を分けることで、親油性の部分にのみインキがついて、絵柄や文字を印刷できるのだ。

今、さらっと「平版印刷とも呼ぶ」と書いたが、実はこれ、正解でもあるのだが間違いでもある。

というのも、今、オフセット印刷と言った場合には、平版印刷を指していることがほんとんどだ。でも「オフセット印刷」のもともとの意味は「インキを一度、ブランケットなどに転写して(オフして)、それを紙などに刷る(セットする)」こと。なので、平版を使わなくてもインキを一度ブランケットなどに転写してから紙に再転移する印刷手法であれば、それもオフセット印刷と言える。多くが平版を使ったもののため、それがオフセット印刷の代名詞となり、現在ではオフセット印刷=平版を使ったもの、となっているというわけだ。

デジタル印刷とは?

近年多く使われているデジタル印刷は、前述した平版によるオフセット印刷が「版」を使って刷るのに対して、版を使わず、つまり無版で印刷する手法を指す。インクジェット方式や、粉末トナーや液体トナーを使った電子写真方式など、絵柄や文字を印字する方式はいくつものタイプがあるが、どれもコンピュータからデータを送信して、版をつくることなく、紙やシートに直接インキやトナーで絵柄や文字を印字するのだ。

そもそもは、印刷は版を使って絵柄や文字を複製するものを指していたが、特に近年は版を使わない方式も「印刷」と呼ぶようになったと感じている。

版をつくらないため、印刷の初期費用がリーズナブルな場合が多く、一部など小ロットでも比較的安価に印刷できるのが特徴のひとつだ。版を使う場合は(平版の版は他の版を使った印刷よりリーズナブルではあるものの)、どうしても版代がかかる上、版にインキをつけて色の調子が整うまでに結構な枚数の試し刷りも必要。そのため小ロットだと割高になってしまう。

またどんなシステムのデジタル印刷機を使うかによって変わるが、デジタル印刷は版がないため、一部ずつ違う情報を刷る「バリアブル印刷」なんてこともできる。

オンデマンド印刷とは?

デジタル印刷の説明を読んで、「それはオンデマンド印刷では?」と思ったひともいるだろう。確かにデジタル印刷のことをオンデマンド印刷と呼んでいる場合は多い。

そもそもオンデマンド(on-demand)は「需要に応じて」という意味。オンデマンド印刷はその名の通り、需要に応じた印刷というのがもともとの意味で、一部のような小ロットの需要にも対応できる印刷を指すことが多かったことから、デジタル印刷やプリンタ的な版を使わない印刷のことをオンデマンド印刷と呼ぶようになった。

そんなことから、デジタル印刷≒オンデマンド印刷と言うことができ、現在はほぼ同じ意味と言っても過言ではないだろう。

デジタルオフセット印刷とは?

最近、デジタルオフセット印刷なる名称を目にすることがある。デジタル印刷なの? オフセット印刷なの?? と混乱してしまうひともいるだろう。

でもここまで、こんな文字だらけの長文を読んでくれた方ならもうおわかりかもしれない。そう、オフセット印刷は平版を使わなくても、インキをブランケットに一度転写してから紙に刷っていれば、それはオフセット印刷なのである。

デジタルオフセット印刷は、結論から言えばデジタル印刷の一種で、版を使わず、デジタルデータからトナーなどで一度ブランケットに絵柄や文字を形づくり、それを紙に転写して印刷する方式を指す。

そのため、1枚などの小ロットから比較的リーズナブルに印刷可能で、なおかつ現状のデジタル印刷の中では、かなり高いクオリティで絵柄を印刷表現できる手法だ。hpのIndigoを使っての印刷を指す場合も多い。私もIndigoは平版でのオフセット印刷ライクな印刷表現というか、キリッとした網点での印刷ができて好きである。

ややこしいことを書くが、デジタルオフセット印刷は1枚からできることを考えると、オンデマンド印刷とも言えてしまい……さらにわかりにくいことになりますな。

と、私なりに区別していることを書きましたが、これはそのひとや会社によっても使い分けが違ったりもするので、相手が何を指しているのかをしっかり把握しないと混乱のもとになるので、注意が必要だなとあらためて思うのでした。


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オフセット印刷とデジタルオフセット印刷とデジタル印刷とオンデマンド印刷と。|デザインのひきだし 津田淳子
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