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第三者の楽しみ方/蒼鳥の小説

第三者の楽しみ方

7,005文字14分

篤寛がもし存在するとしたら…コンビニとか行くかなぁ…
そしたらそのコンビニで働きたいなぁ…

と妄想した結果のもの

何でもいい方はどうぞ

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「いらっしゃいませ〜」



私は近所のコンビニで働き始めてから2年が経つ。



シフトの時間は夜10時から早朝の5時まで、週2、3回で勤務している。



体力的にもきついが私はこのコンビニならではの楽しみを見出してしまったせいでやめられない。



それは…



___



「お前なぁ…夜にそんな重いもの食わない方がいいぞ?」

「この間、虎杖たちがこのカップ麺にアレンジするととても罪深い味が楽しめると言っていた…それに夜中のカップ麺は食べると悪いことをしてるみたいでいいじゃないか…」

「例の『やってはいけないと思い込んでいたこと』か……どうせまた、胃がもたれて無理って言い出すだろ…まぁ最悪、残したら俺が食うけどさぁ…」

「俺が残す前提で話をするな…」

「前もそう言ってメガ盛りバーガーでやらかしてただろうが」

「……こっちの味にするか」

「おい、無視すんなよ」

これだ。
この如何にも30代半ばから後半くらいの男性二人組の絡みを見たいがためにやめられない。
話から察するに一緒に住んでるのか?かなり親密な関係に思うが…たまに疑問に思うことがある。

「見てくれ、日下部…君がよく買う飴の新しい味が出ている」

「本当だ…さくらんぼかぁ…買ってみよ」

おぉ…新作の味に早速食い付いたか…。

「あ、見てくれて日下部…ぷっちょの紅鮭味がある…」

「絶対、美味くないだろ…それ」

「買うから食べてみてくれ…」

「え?俺が?お前は食わねぇのかよ…」

「君の反応を見てから食べるとする」

「俺で試すなよ…別にいいけど」

何あれ…男子高校生かよ。
あの男性二人組、お菓子コーナーでキャッキャやってるわ…。
細身だけど近くで見るといい体格をした黒スーツの似合う男とその男よりも体格ががっちりとした胸がデカいトレンチコートを着た男…あれはやっぱり付き合ってるな…。
あれで付き合ってないとか…ないない…。
それにしても距離感がやはりおかしい。
男子高校生が戯れあってるような距離感に加えて、特にトレンチコートを着た男が明らかに黒スーツの男にベタベタくっついては腰に手を置いたり頭を撫でたりしている。
それを満更でもない顔している黒スーツの男…いい…非常にいい…。
腐女子の私には堪らない光景だ。
やはり、あっちのトレンチコートの男が攻めか?いい身体付きだ。
あのおっぱいはあかん…はち切れそうじゃね?
個人的には黒スーツの男の方が見ていて可愛いから受けがいい…顔はもちろん、堅そうな感じなのに抱かれる時には蕩けてエロい顔すんのとかさぁ…堪らん…。
もう…身体の関係は持ってるのだろうか?どうなんだ?
教えてくれ…あぁ、でないと妄想が膨らんで仕事どころではない…。

「すんませーん」

「あ、はーい…今行きます」

急いでレジに向かい例の男性二人組の対応をする。
バーコードを通しながら二人の会話を全集中して聴く、ただし手は止めない。
さっき話をしていた棒付き飴とぷっちょにお酒か…。
このぷっちょ結局買うのか…。

「なぁ…明日の任務終わったら飯いかねぇ?」

「行く」

「何処がいい?」

「君が前に連れて行ってくれた居酒屋に行きたい」

「分かった…」

成程、よく飲みに行く仲なのか…。
飲んだ酒の勢いでやったりしないかなぁ…。

「お客様、ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「俺はねぇな…日車、確か持ってたよな?」

「あぁ…、これでお願いします」

え?相手の財布の中にポイントカードが入ってるのを把握しているんだ…ふーん。

「はい、ありがとうございます…あと、袋はお付けしますか?」

「付けようかな…」

「いえ、なしで大丈夫です…これがあるからな」

「エコバッグじゃん…しかも何その可愛い柄のやつ」

「この間、虎杖たちと合同任務で釘崎からの貰い物だ」

「ふーん……すんません…じゃあ、なしで」

「かしこまりました。お会計はこちらから選択をお願い致します。」

エコバッグを誰かから貰ったのに対して嫉妬なのかトレンチコートの男の顔色が少し変わった。
独占欲が強いのか……なんそれ、物凄くいい。

「そういえば、最近のレジは色々変わったもんな…PayPayで…あれ?選択は…QR決済だっけ?あんま使わねーから忘れた…」

「はい、こちらタッチして頂いて…ありがとうございます」

「すまない、日下部、お金は後で君の家で返す…」

「おぉ…、ん?支払い終わった?」

「はい、ありがとうございました」

「いやぁ…便利になったな」

「あぁ…俺は未だになれないから現金の方が内心落ち着く」

「ありがとうございました、またお待ちしております」

ん?さっきお金は君の家で返すって…購入していたお酒は宅飲みのためのものだったか…。
それだと、一緒には住んでないがお泊まりをする関係か…お泊まり何してんだろ…妄想が止まらない。
あの感じだとおつまみとか料理はトレンチコートの男の方かな?
独占欲強そうだし…世話をめっちゃ焼いてそう…。



___



おかしい…最近、あの二人組を見れていない。
今日で2週間、……来るかなぁ…私の楽しみなのに。

「いらっしゃいませー」

あれ、黒スーツの人だけ?
トレンチコートの男はどうした?
いつも来る時は仲良く一緒にいたじゃん!!
それに…この人、いつもより顔色悪いし!
大丈夫なのか?
ご飯食べてる?心配なんだが?
無言のまま、レジに持ってきたのがウィスキーと缶ビール、それから…トレンチコートの男がよく買っていた棒付き飴と…これは…コンドームだ…え?コンドーム…??
突然、インパクトのある情報が飛んできて頭が回らない。

「ありがとうございます…今日はお連れ様はいないんですね」

しまった…つい気になって聞いてしまった。

「……あぁ……」

これは何かあったな…。
でも、コンドームは?これ何?
あの男と使うんじゃないのか?
いや待って、落ち着け私…。

「……君…いつも来た時にレジで対応してくれてたろ…」

「はい…」

認知されてた…のか…。

「もう、ここに来ないと思う……俺が来るのはこれが最後だから……君の顔が見れて良かった、いつも親切な対応してくれていたから…最後に対応してもらえて嬉しい……」

「え!?ちょっと待ってください!!急に!!え!?私の楽しみが!!え!?な、なにがあったんですか?」

「楽しみ…とは??」

しまった…。

「申し訳ございません」


___



「君は要するに俺と彼のことを見て妄想することを楽しみにしていたのか?」

「はい…」

会計後に黒スーツの人から拷問のような自分の腐女子暴露と状況の再確認されている。
何これ、しんどい…
そして、彼の名前は日車寛見、元弁護士とのことだ。
ギリギリ法には触れていないよな?
あれ?アウトか?
まあいいや…あと、一緒にいた男の名は日下部篤也で今の仕事の同僚らしい。
日車さんは私に続けて話し始めた。

日車「君には俺と彼は仲良さそうに見えていたのか」

もうバレたから全部言ってしまおう。

「この際、バレたので全部言いますね…仲良いってレベルじゃないでしょ!あんなにベタベタとイチャイチャしておいて!一緒に住んでるのかなぁとか、身体の関係はあるのかとか!!妄想が止まらないし仕事にならない!!でも、あなた方のイチャイチャを見るために身と精神を削ってここの深夜の仕事やってるんですよ!!わざわざ!!それなのに、もう見れないなんて…仕事する意味が…楽しみがない…今後どうしたらいいんですか!?」

日車「驚いた…君は普段そんな感じなのか?」

「それは…仕事ですから普段はしっかりしますけど…これは大事件です…何があったか聞いていいですか?あとそのコンドームのことも気になります」

日車「女性にこんなことを聞かせてはいけないが」

むしろ聞きたいが?

「これは今後の私の生活に関わることなんです」

日車「じゃあ……相談という形で…俺の方が今から君に話す内容で法に触れそうだ……その、気持ち悪いと思われるかもしれないが…彼とこの間、酔った勢いで…身体の関係を持ってしまったんだ」

「は?…なんそれ、最高…」

まだ、関係持ってなかったの?
え?
じゃあ、この前会った時には処女だったってことだよね?
今は非処女か…いい…。

日車「ん?」

「いえ、続けて下さい」

日車「ずっと片想いしていたから…たった一度だけでも…彼と繋がれて幸せだったんだ……」

なんか…可愛いなこの人。
ん?幸せだった…過去形?

日車「だが…彼は……その、……後悔してたんだ」

「はぁ!?」

日車「それからはずっと…彼と気まずくなって……」

「何ですかそれ!あんなに独占欲出しといて!最低だ!」

日車「彼は悪くないんだ…俺が…彼の優しさにつけ込んだ」

「日車さん、だからと言って抱いた後にその人を傷つけていい理由にはなりません!」

日車「だが…」

「それに抱く人よりも抱かれた側の人の方が身体もしんどいし負担が大きいのにそれをわかっていないんですよ!そんな状態で精神抉ります?酷いですよ」

日車「君は優しいんだな…」

「私はあなた方二人組を見るのを楽しみにしてましたが、ぶっちゃけると日車さんの方を見るの楽しみにしてたんです!可愛い私の理想の受けだから!」

日車「え?」

「でも…あの人、あなたのこと凄く大事にして…ことあるごとに可愛がって…頭撫でて、イチャイチャしてたし…もしかしたら何か……勘違い?誤解もあるのかもしれないですね…面と向かって言われたんですか?」

日車「……いやっ…ただ、「抱いちまった」と俯きながら言っていたから…後悔しているように見えたんだ……っ、今度、ちゃんと話してみる」

「それがいいですね…辛かったらまたお話ししに来て下さい!この時間、人いなくて暇だと思うので、多分!」

日車「あぁ…そうさせてもらう」

「ん?ちょっと待って…じゃあ、そのコンドームは!!なんですか!!何用ですか!?」

日車「いや、これは………」

目を瞑り顔を背けている。
それに顔から耳にかけて真っ赤だ。
え、可愛すぎでしょ?これで非処女?
もはや永遠の処女では?
この反応…誰かと使うとかじゃないのか……え?
だとすると…

「まさか!!それ」

日下部「日車!!」

気付くと例の男が慌てた顔で入店してきた。

日車「………帰る」

日下部「ちょ、逃げんな…待てくれっ!」

日下部さんは日車さんの腕を強く掴み、さっき購入したものが床に落ちる音が店内に響く。
あぁ…例のものが顕になっちゃってるよ…。
良かった…ここにはこの3人しかいないし…大丈夫か。
彼は乱れた呼吸を整えながら必死な顔で日車さんに話しかけていた。

日下部「おまっ、はぁ…っ、なんで、逃げんだよ……」

日車「それは…」

日下部「はぁ……ん、これ………何?」

日車「え?」

さっき購入したコンドームが床に落とされ顕になってしまっていたのに日下部さんが気付いた途端、顔色が一気に変わった。
これ…不味くないか?日車さん大丈夫か?

日下部「……お前、恋人できたの?………、それとも誰かと寝る予定だったの?」

空気が冷え込み重くなるのを感じる。
違うんだよ!そっちじゃない!そっちの意味じゃない!!
彼に詰め寄り絶対に逃さないと距離の縮めていく…恐ろしい。

日車「……ち、ちがっ、」

日下部「日車、今から俺の家に来い」

怖い顔してる…え?!怖っ!!
何あれ、怖すぎる…普段の優しい男前どこいった?

日車「い、……やだ…」

そりゃあ、普段の顔と違うもん、拒否られるわ。

日下部「いいから…来い……っ」

いつもと違う低く冷め切った態度と声に驚いた。
これは違う男に抱かれようとしていると勘違いしているな…間違いなく。
この男の日車さんへの執着、独占欲がこんなにあるのか。

日車「………っ」

品物を拾い上げ、日車さんを引き摺りながら店の外へ出て行ってしまった。

「あれは…日車さん、大丈夫か?」

きっと激しく抱かれるだろうな…。
まぁ大丈夫そうだ、多分またここにも来るだろうし…。
そしたら今度、顔色を見てみよう…。
可愛いだろうな…彼は理想の受けそのものだから絶対かわいい。



___



ふと時計に目を向けると朝の4時だ。
後もうし少しで仕事が終わる。
そう思っていると誰かが入店してきたようだ。
レジの方に出てくると見覚えがある…日下部さんだ。
えーっと…日車さんが来たのが夜9時で…、そんで日下部さんが朝の4時に来た…。

「いらっしゃいませー」

これは…やったんか…。
いやっ、やっただろ?やったに違いないよね?
それとも話だけして別れた?
家に強引に連れて行ったなら強引なセックスと仲直りセックスは欠かせないだろ?
いや…いやいや…。
分からない…。

日下部「すんません」

「はい!えっと…こちらお預かり……します」

持ってきたものが飲み物(水)二本、サンドイッチ(ハムレタスと卵)、おにぎり(昆布と梅干し)、ここまでは分かる…きっと一緒にご飯食べるのかなぁ…とか思うけど。
これ……またコンドームか…これは今から使うやつ?
え?どうなの?
もしかして日車さんが持ってたコンドームは?使った?
使ったんでしょ?え、使い切った?追加購入?
あれ大容量だったよ?
え?朝の4時に追加購入?これ同じ大容量のだよ?
セックスしてエネルギー補給のための買い物、そのついでにコンドームの追加購入?
これは…あかん。
妄想が止まらない。
それに…首筋のところに…あれは噛み跡だ。
どう見ても人の歯跡だ。
落ち着け、私…落ち着くんだ…。

「お連れ様は一緒じゃないんですね」

つい気になってきいてしまった。

日下部「あ!……えっと…アンタ昨日の夜もいたよな……その…昨日はごめんな迷惑かけちまって」

「いえ!気にしないで下さい…あの…日車さんは?」

日下部「あぁ…今は……訳あって動けなくてな」

「成程、激しめに抱いたんですねー」

日下部「はぁ!?え?!?!」

「ん?……ぁぁあ!!えっと、間違えた…じゃない!忘れて下さい!!」

日下部「あんた…昨日、日車と何話してたんだ?」

睨まないで…怖いから…。

「えっと…お客様同士の身体の関係…というか…」

日下部「はぁ!?あいつが言ったのそれ?」

「はい…それに日車さん、顔色が悪過ぎて…もう、心配になるくらい!」

日下部「すまん、おっさんたちの汚ねぇ話を聞かせたみたいで」

「何をいうんですか!!私のご褒美なのに!!」

日下部「え?……まぁ、その…なんだ、あと悪いがあんまり寛見にちょっかいは掛けないでくれ」

寛見…下の名前呼びじゃん…。
もう、これはあかん…。

「ちょっかい?……嫉妬ですか?……安心して下さい、私はあなたと日車さんの絡みが見たいだけなので…それにあの人は私の理想の受けですからね…」

日下部「ん?アンタ、あいつに気があるんじゃないのか……違うの?」

「私はあなた方の絡みが見たいだけなので…違います」

日下部「なんか悪いな勘違いしたみたいだ…」

「いやぁ…日車さんも可愛い受けですが日下部さんも罪な男ですね…いい攻めだ…最高」

よく分からないといった顔をしている。

「ところでその首筋の噛み跡は日車さんが付けたんですか?」

日下部「……っ、これは…その…」

可愛いかよ!
今気づいたの?は?殺す気かよ…!

「ご馳走様です…またお待ちしてます」



____



数日後(明後日)

「いらっしゃいませー…あっ、日車さん、良かった無事だったんですね」

久しぶりの日車さんだ…。
昨日の4時には日下部さんからの多い情報で頭がパンク寸前だったな…。
それにしても…いつまで抱かれてたんだろ…なんか目が腫れぼったいし…声が擦れてるような気もする、可愛い。
左の首あたりに…あれキスマだ…キスマークだ。
無事じゃないな…。

日車「……??……先日はすまなかった」

「いえ、大丈夫です…良かったですよ」

今回はお弁当(焼肉弁当と鮭弁当)とお酒に…またこれか…見慣れたような気もするが理想の受けが恥じらいながらコンドームをレジに持ってくるのが堪らない。
つうか…あの後の追加購入のコンドームは?
どんだけやったんだ。
それに…色っぽいこの顔が見れるのは今この時間、レジにいる私の特権だな…いっそのこと毎日仕事こようかな?いや、本業に支障が出るあくまで副業だから…。

日車「君はその……男同士に対して偏見がないだろ?…また何かあったら相談に乗ってもらってもいいだろうか?」

「ぜひ、喜んで…むしろ、相談だけじゃなくて惚気でも何でも美味しいので!ぜひ!!」

日車「あぁ…すまないな、ありがとう」

あぁ…最高。
可愛い…。



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コメント

  • もりぶ

    うらやましい!ほんとにうらやましい! 素敵な作品をありがとうございます。

    6月22日
  • 小夜双☆スカィWeb
    6月21日
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