この国で贅沢品になったのは高級車でも海外旅行でもありません。
普通の暮らしです。
普通に働く。
普通に食べる。
病気になれば休む。
ときどき好きなものを買う。
以前なら「生活」と呼ばれていたものが、今は身の丈に合わない贅沢のように扱われています。
生活が苦しいと言えば、
「外食を減らせ」
「趣味を諦めろ」
「もっと安い家へ移れ」
「さらに働け」
と、必ず本人の暮らしから何かを削らせようとする。
でも外食も趣味も休息も全部削った先に残るのは、豊かな生活ではありません。
働くために死なない程度の栄養を取り、翌日も働くために眠るだけの生存です。
そこまで生活を切り詰めさせておいて、
「日本は豊かな国です」
「もっと消費してください」
「子どもを産んでください」
と言われても、さすがに無理があります。
努力が足りないのではありません。
働く人の生活に、努力の成果が残らなさすぎるんです。
国の豊かさは一部の人が高級品を買えることではないと思います。
普通に働く人が、食事や休息や小さな楽しみを「無駄遣い」と責められず、普通の一日を送れることです。
生きるためのものを全部削らなければ維持できない社会を、豊かな国と呼ぶのはもう無理があると思います。