妊娠を防ぐため性交後72時間以内に飲む緊急避妊薬の薬局販売開始から半年、課題は?
■何度も買うのは悪いことなのか…女性の背景に理解を
「緊急避妊薬を何度も買いに来る女性を問題だと考える人もいますが、私はぜんぜん悪いことじゃないと思います。薬局を頼れる場所として見つけて、つながってくれたということですので。そうした女性の背景には家庭内暴力や性暴力があるかもしれないし、避妊の説明をきいても言葉で理解するのが難しい方もいます。『2回も買いに来るなんて』と偏見を持つのではなく、女性の背景を理解し支援する視点が求められていると感じます」「何らかの支援が必要そうな方には、役所や相談支援センターなどに橋渡しする役割も薬剤師は担っています。本当はサポートが必要なのに抜け落ちてしまっている女性に、緊急避妊薬を買いに来てくれたことをきっかけにセーフティーネットをかけられれば」
■緊急避妊薬を扱う薬局の数に地域差…熊本県と埼玉県で少ない現状
緊急避妊薬の薬局販売を求めてきた「#なんでないのプロジェクト」代表で東京大学特任研究員の福田和子さんは、今の課題について次のように述べました。「学生たちと話すと、緊急避妊薬をどこで買えるかよく知らない人が多いので周知が必要。学校での生命の安全教育に組み込むなども検討してほしい」「薬剤師の前で服用するルールはなくすべき。他の薬にはないものですし、販売資格を持つ薬剤師がいない時間帯もあり、やっとの思いで薬局に行っても買えないのは問題です」また緊急避妊薬を扱う薬局の数の地域差も課題です。「産婦人科との包括連携がなされないと決まった熊本県と埼玉県では圧倒的に数が少ない。運用ルールの厳しさが地域間格差をもたらした形で、改善が必要です」福田さんは薬剤師の対応のばらつきも問題だと指摘。「薬局が女性の家から遠いので、夜遅くまで待ってくれた女性薬剤師もいれば、『なぜ妊娠するようなことをしたのか』と薬剤師に責められつらかったという声もあります」 約7000円する緊急避妊薬を買えない人もいるため、性暴力被害者などに無料で提供する自治体もあるということです。 妊娠したかもという不安や恐怖の中にいる女性が緊急避妊薬にアクセスしやすい環境の整備が求められています。