“消費税減税 速やかに法案提出”高市首相会見 公約実現を強調
国会の閉会を受けて、高市総理大臣は27日夜に記者会見し、食料品の消費税減税について「国民会議」のとりまとめを受けて速やかに法案を提出する方針を示しました。また、先の衆議院選挙で訴えた公約の実現に引き続き取り組む姿勢を強調しました。
特別国会が25日に閉会したことを受けて、高市総理大臣は27日夜6時から総理大臣官邸で記者会見しました。
この中で、この国会について「先の衆議院選挙の公約を着実に実現していくことこそ使命だという思いで走り抜けた」と述べた上で、自民・維新両党の連立合意に盛り込まれた改正皇室典範や「国家情報局」を設置する法律など、政府が提出した64のすべての法律が成立したと成果を説明しました。
また、物価高への対応について「高市政権発足以来の最優先課題だ。中東情勢が不安定化し、ホルムズ海峡の封鎖により、物資供給に混乱が生じたが、国民の命と暮らしを守り、経済活動に支障を生じさせないよう全力で対応にあたった」と述べました。
そして、原油やナフサの代替調達に取り組むとともに、ガソリンや軽油などへの補助や電気・ガス料金への支援を実施していることなどを説明した上で「物価上昇率はG7=主要7か国でいちばん低く抑えられ、実質賃金の上昇率はG7で最も高い水準にある。予備費も活用しながら臨機応変に必要な物価高対策をしっかりと講じる」と強調しました。
さらに、超党派の「国民会議」の実務者会議で議論が続いている食料品の消費税減税について「早期のとりまとめに期待する。結論を得た上で速やかに法案を提出し、国民に負担軽減の効果をできるかぎり早く実感していただけるようにしたい」と述べました。
このほか、先に決定したことしの「骨太の方針」などで官民連携による積極的な投資や予算編成の見直しを打ち出したことに触れ、「来年度は『責任ある積極財政・元年』だ。2040年度に250兆円の国内民間設備投資と、1100兆円に迫るGDP=国内総生産を目指す」と述べました。
一方、財政運営の目標に関連し「『骨太の方針』から財政健全化のことばがなくなったなどの指摘があった。重要なことは財政健全化ということばが書かれているかではなく、どのような道筋で実現していくのか具体的に示すことだ。財政運営目標の中核は『債務残高対GDP比』の安定的低下であり、財政の持続可能性を確保する。成長か財政規律かの二者択一ではなくその両方を実現する」と述べました。
そして、今後の政権運営について「国会が終わっても公約実現への歩みを止めることなく、加速していかねばならない。何かを成し遂げようとすれば大きな抵抗もあるだろうが、公約実現への思いは決して揺らぐことはない」と強調しました。
==記者会見での発言==
「日本維新の会との信頼関係は揺るぎない」
高市総理大臣は自民・維新両党の連立政権について「皇室典範の改正もいわゆる『副首都』法もことし2月の衆議院選挙で自民党の政権公約として国民に約束したものだ。日本維新の会には、去年10月、公明党と連立解消に至り、苦しい状況にあった自民党と連立を組むという重大な決断をしてもらった。日本維新の会との信頼関係は揺るぎないものだ」と述べました。
「内閣改造や党役員人事 現時点で申し上げることはない」
高市総理大臣は「秋の国会までに内閣改造や自民党役員人事を行う考えはあるか」と問われたのに対し「政権公約の実現に向けて特別国会でもすべての政府提出法案を成立させるべく全身全霊を注いできた。党役員も閣僚たちもそうだ。内閣改造や党役員人事について現時点で私から申し上げることはない」と述べました。
国民民主党の連立政権入りについて「コメントは控えたい」
高市総理大臣は「国民民主党の連立政権入りについてどう考えるか」と問われたのに対し、「連立の拡大については相手方の意向もあることであり、コメントすることは控えたい」と述べました。
その上で「就任以来、申し上げてきたが、政治の安定なくして力強い経済政策も外交安全保障も推進していくことはできないと考えており、そのために必要な対応は常に考えている」と述べました。
衆院の議員定数削減法案 「政権公約の実現にまい進」
衆議院議員の定数削減法案について「議員立法なので総理大臣の立場からはコメントを控えなければならないが、先の衆議院選挙で自民党の政権公約に掲げられている。いずれにせよ国民から賜った信任も踏まえ党の政権公約と連立政権合意書の実現に向けてまい進していく」と述べました。
福岡県議会の問題「まずは県連で確認を」
福岡県議会の正副議長ポストをめぐり、金銭授受があったと指摘されている問題について「まずは自民党福岡県連においてしっかり事実確認することが重要で、県連の対応を踏まえ、党本部として対応することがあれば必要な対応を検討していただきたい。現時点で、今後のことを予断を持って答えるのは差し控えたい」と述べました。
食料品の消費税減税「最後の最後まで知恵を出し合ってきたい」
超党派の「国民会議」の実務者会議で議論が続いている食料品の消費税減税について「『国民会議』の結論を先取りすることはしない。しかし、いま特に物価高や税・社会保険料の負担に苦しむ、真に支援の必要な中所得・低所得の方々について早期に負担軽減を図るべきという問題は与野党ともに共通している」と述べました。
その上で「中間とりまとめに向けた最終調整の状況をよく見守るとともに、十分性や迅速性などの観点からいかなる方法が国民にとって最適な負担軽減方法か、最後の最後まで知恵を出し合ってきたい」と述べました。
内閣支持率の低下「コメントすることは控える」
高市総理大臣は「報道各社の世論調査で内閣支持率が低下した要因をどう捉えているか」と問われたのに対し「世論調査の結果や要因についてコメントすることは控える。数字に一喜一憂することなく謙虚に真摯にとにかく国家、国民のためにコツコツ仕事をしていく」と述べました。
その上で物価高対策をめぐり「補正予算も含め執行中であり、徐々に成果は国民の手元に届いていく。G7の中では一番低い物価上昇率で、最も高い実質賃金の上昇率を実現していることはしっかり伝えたい」と説明しました。
日中関係「中国は重要な隣国 冷静かつ適切に対応していく」
日中関係について「中国は重要な隣国で、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は総理大臣就任以来、一貫している。日中間に懸念と課題があるからこそ、あらゆるレベルでさまざまな機会に対話を行い、意思疎通していくことが重要だ。今後も意思疎通を継続しながら国益の観点から冷静かつ適切に対応していく。APEC=アジア太平洋経済協力会議を楽しみにしている」と述べました。
労働時間規制の緩和「労使の意見をうかがい 議論を行っていく」
労働時間規制の緩和をめぐっては「夏以降の労働政策審議会で現場のニーズを踏まえながら労使の意見を丁寧にうかがい、具体的に議論を行っていきたい。必要な法案の提出は、議論の結果を踏まえて検討する」と述べました。
経済状況「現時点でデフレを脱却したと言える状況にはない」
現在の経済状況について「消費者物価などは基調として上昇しており、物価の持続的下落という意味でのデフレの状況ではない。経済学的に物価上昇自体をインフレと呼ぶのであれば、今はインフレの状況にある」と述べました。
一方で「デフレ脱却について政府は物価が持続的に下落する状況を脱し、かつ、再びそうした状況に戻る見込みがないことと定義しており、現時点でデフレを脱却したと言える状況にはない。特に中東情勢の実体経済への影響を十分に注視していく必要がある」と述べました。
北朝鮮による拉致問題「あらゆる選択肢排除せず」
北朝鮮による拉致問題について「長い時間がたっているが、もうこれ以上の猶予は許されないと強く認識している。私の代で何としても突破口を開いてこの問題を解決したいという決意を胸に、キム・ジョンウン総書記との首脳会談をはじめ、あらゆる選択肢を排除せず1日も早い拉致問題の解決に向けて取り組みを続けていく覚悟だ」と述べました。