誰にでも当てはまる「選考理由」とは
前編で伝えた今年6月の京都大の総長選考では、総長選考・監察会議は候補者の名前も、意向調査の投票結果も公表している。
また、東京大の総長選考・監察会議では、公開している議事録に各委員の発言内容まで詳細に掲載している。それらに対して、東北大は教員が指摘する通り、意向投票の結果には一切触れられていなかった。冨永氏は意向投票では1位だったのだから、隠す必要はなかったのではないだろうか。
ただ、京都大との共通点もある。それは、冨永氏を選考した理由だ。
’24 年1月に公表された「東北大学総長候補者の選考について」には、次のように記載されている。
「国際卓越研究大学の認定候補となった本学をグローバルなスケールで、真に教育・研究に卓越した大学として発展させていくとともに、国内外の大学等と連携し、共に高度な教育研究を通じて社会の発展に貢献していくトップリーダーにふさわしい資質・能力を有する人材であると判断し、同氏を次期総長候補者として決定した」
この選考理由も、京都大の’26年6月の総長選考と同様に、誰にでも当てはまるものだ。また、「学長の条件」として国立大学法人法の第12条では、高潔さ、学識、教育研究活動の適切な運営能力が問われているが、この条件にも言及していない。いずれにしても、東北大も京都大も、内容があるとは言えない選考理由にわざわざ記載している「国際卓越研究大学」の推進ありきでの選考だったと考えるのが自然だろう。