今増えている、水晶の含浸処理について
水晶にも含浸処理がされている ! 皆さんはそんな事実を知っていましたか?
例えばよくパワーストーンとして売られている丸玉やブレスレットは、今殆どが処理されたものだ、とさえ言われています。ですが販売者はそれすらを知らずに売っていることも多いです。
SELSHA も水晶を扱うお店として、お客様に正確な情報をお伝えしたいなと思ってきたのですが、今回ようやく含浸処理を行なっている工場を見学することができました。なかなか普段入れる場所ではないので、そこで私が見聞きしてきたことを、ぜひ皆さんも参考にしてください。
樹脂含浸処理
まずは「樹脂含浸」という言葉が初めてという方に簡単に説明しましょう。これは、宝石に透明な樹脂を浸透させ、表面や内部のクラックを充填(じゅうてん)する処理のことです。これによって透明度が増したり、割れにくくなったりします。
パワーストーン、高いものは本当に高価ですよね。つい最近は YouTuber のヒカルさんが、ルチルクォーツのブレスレットを売り始めたということで話題になっています。先日横浜中華街のパワーストーン屋さんを覗いてみましたが、ヒカルさんの波にあやかってか、2024年のラッキーストーンとして大玉のルチルのブレスレットが ”樹脂含浸処理がされている"という記載の有る鑑別書付き でも、なんと410万円でした!!
このように、高価な丸玉やブレスレットの多くが、実は樹脂含侵処理をしています。つまり100%天然ではなく、人為的により綺麗に見せる加工がされているものだということです。
工場の処理の様子
さて、ここからは私が工場で見てきたことをお話ししましょう。含浸処理はどのように加工しているのかというと、まず原石を大きい鉄鍋に入れて、重い蓋をして真空状態にします。内部の空気を抜いた後、鍋底に繋げている管から樹脂を注入します。そして、真空状態を解除して樹脂を水晶内部に吸い込ませます。終わった後、石を取り出して、樹脂が均等に広がるようにさらに加熱します。
上の写真は処理が終わった原石。石の表面がツヤツヤしているのがわかります。また、下の写真のように丸玉に加工した後のもの、棒状に半加工した状態のものなど、依頼者に合わせて処理ができます。ただ、破損したら工場側は一切責任をとらないようです。
さて、ここまでは主に丸だまの話をしてきましたが、ルースに関しても同じです。今回尋ねた工場でやっているように、大きな原石から含浸処理が施されていたとしても、小さなルースはその端材から作られることも多いので、同じロットで仕入れても、樹脂の影響があるものも有れば、無いものもある。また、ルースにカットしてから表面上のキャビティ(表面に達している傷やクラック) を充填をする場合もあるので、それらが混在している状態です。
この工場は大きなものを扱いますが、ルースに加工した後充填などは、圧力をかけたりする必要がないので、もっと小さい規模のお店でやっています。
例えば下の写真のデンドリティッククォーツは、裏面に違和感を感じたのでアルコールで拭き取ってみたところ、模様を覆うように樹脂がかけられていました。白っぽく見えるのが樹脂が取れた部分です。シダのようなインクルージョンは完全に内包されておらず、おそらく模様は綺麗だけど、剥き出しでは耐久性が無いためにそのような処理をしたのだと思われます。
お客様によっては樹脂含侵は嫌だと感じられる方もいると思います。この記事を読んでいる皆さんはどう思いますか?
実際に現場を見て、彼らの価値観を聞いた上で、私は別に樹脂を入れるのは良くない事だとは思いません。より美しく見せる、加工しやすくするための手段であって、選択肢だと感じています。
水晶、その他の処理
水晶は皆さんの知らないところで他にも様々な処理がされています。真っ白に見えるクラスターやポイントは漂白されていたりしますし、アメシストやプラシオライト(グリーンアメジスト)、スモーキークォーツ、シトリン、モリオンなどの色のあるものは、加熱や照射で色を変化させているものも多いです。また水晶に限らず宝石の処理というのはいくつも存在します。
より美しく見せたい、より高く売りたい、と思い行動することは人間のサガなのかもしれません。100%天然の状態で美しい宝石の価値は普遍ですが、一方でサスティナブルが謳われるこの時代に、限られた天然資源を人為的な加工によって生かすことは、水晶の限らず、ますます普通のことになるのかもしれません。
無処理の石しかやらないのであれば、それを売りにビジネスをすれば良いし、買う側も何に価値を見出すのか、知った上で選択できる時代だと思います。私たち業者側も、日々進化する処理や流通の現状を常に把握し切れる訳ではなく、全てに責任を負えません。よくイタチごっこのようだとも言われています。だからこそ、買う側の方達にも正しい知識をシェアして、買い物の選択肢を増やしてもらうことが大切だと思っています。
販売や鑑別について
一石ずつ全て鑑別して確認することは、その分販売価格を上げることに繋がります。資産価値のある高価な宝石であれば、鑑別書が有った方が安心ですが、インクルージョンクォーツはその面白い模様や景色が魅力であって、もしほんの少し樹脂で傷を充填していたから使えないと判断したとしても、じゃあ同じものが見つけられるかというと、全てが唯一無二です。
なので、希望があればもちろん鑑別をお取りしますが、普段販売しているものについてはこれまで通りにしようと思っています。その代わり、こうして正しい情報を集めて伝えることも大切な仕事の一つだと思っていますので、これからも進展が有ればお知らせしたいと思います。
一般の方達は処理を知らずに購入していることが殆どだと思いますが、販売側も石の知識が無く、天然石という商材で「商売だけ」をする人も多いです。「パワーストーンについて」の専門知識があったとしても、石についての化学的な特性や処理など、事実に基づいた専門性を持って販売しているのとは全く違います。川上のことを知らないと、いろんなトラブルになりますので、自分の目で見て選ぶことに拘るのもその理由の一つです。
詳しくは音声配信で🎧
含浸処理について、詳しくは宝石鑑別資格 FGAを持っている妻が詳しく説明していますので、是非こちらのラジオも聴いてみてください。何故含浸処理をするのか?それによってどういった影響があるのか?買う側、使う側は何に気をつけるべきなのか? そして水晶の含浸と、その他の宝石の含浸を同じように考えるべきではない、という話をしてます。
さて2024年の買い付けもこれで終わりました。
今回も色々な出来事がありました。実は仲の良い取引先の方と偶然にも同じ誕生日だったことが分かり、誕生日会に誘われたんですよ、良い歳して (笑)こうした出会いや縁は不思議で、自分の人生の一つの物語として深く刻まれました。
これからも私が選ぶ石たち、そして石に込めた想いが皆さんのもとに届くことを願っています(^^)/
最後にちょっとおまけです!中国はいつ行っても謎の石たちが存在します。
あっという間に年の瀬を迎えました。今年最後のイベントはお馴染みの東京ミネラルショー(池袋ショー) です!今回も新着商品が盛りだくさんですので、ぜひご来場の際はSELSHA のブースにもお立ち寄りください!
【東京ミネラルショー】
🗓️日程:12/13(木) 〜 16(月)
📍 場所:池袋サンシャインシティ
🔮 SELSHA: 3FのR側 - 322番


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