主張

横浜市長パワハラ 萎縮招く圧迫に恥を知れ

社説

第三者調査結果を受け取材に応じる山中竹春横浜市長=横浜市役所

横浜市の山中竹春市長に対し、弁護士らによる第三者委員会が職員へのパワハラ行為が常態化していたことを認める調査報告書を公表した。

職員を「人間のクズ」と侮辱するなど不適切な言動や人事権を背景に職員を支配する不当な行為があったとし、市長に対し「人権感覚を刷新すべきだ」と迫る厳しい内容だ。

山中市長は「極めて重く受け止めている」と謝罪したが、職員の萎縮を招いた言動に恥を知るべきだ。自身が職責にふさわしいか、胸に手を当てて考えてほしい。

この問題は今年1月に、当時の横浜市の人事部長が実名で記者会見を開くなど、内部告発していた。市長は一部は認めたものの、言い分に食い違いがあり第三者委が調査していた。

調査報告書では、複数の職員に対し怒鳴る、睨(にら)みつける、意図的に無視するなどの行為があったと認めた。「ポンコツ」など人格否定の発言もあった。

市長から勤務時間外の緊急性のない連絡が広く複数の幹部職員に及んでいた。

人事に関しては、市長から特定の部署を挙げ「飛ばし先」「粛清感強いでしょ」との発言のほか、合理性に疑問のある人事異動が行われていた。第三者委は市長の人事権の裁量を逸脱し、職員に対する「心理的圧迫による支配」と指摘した。

横浜市は首都圏で人口370万超を抱え、政令市の中でも最も規模が大きい。山中氏は横浜市大医学部教授も務めた経歴があり、令和3年に横浜市長に初当選し、現在2期目だ。

同氏は「人にやさしい都市、世界があこがれる都市」を目指すと掲げるが、まず職員にやさしくすべきだった。

第三者委は、個々の言動を軽く見ず、「圧倒的に優越的な地位にある市長が多岐にわたる不適切な言動を日常的・継続的に行っていたことは極めて深刻だ」と厳しく指摘した。職員の尊厳を傷つけ、職場環境が悪化すれば、健全な行政組織の運営は、かなわない。

近年、自治体首長のパワハラ、セクハラや不祥事が相次いでいる。首長が具体的に問題を指摘されても、なかなか認めようとしない悪あがきも繰り返され、行政の停滞にもつながってきた。独善を排し、行政への信頼を取り戻してほしい。

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