池っち店長 on X: "このツイートを見て思い出しました。 以前は説明が難しかった話ですが、良い機会です。そろそろ話させていただきましょう。 約2年前、僕は2024年10月にカードキングダムを売却しました。 売却のさらに1年前の2023年、カードキングダム秋葉原駅前店を見上げながら考えたことがあります。 「この店の立地だと、商業的“最適解”は、どう考えてもポケカの新品ボックスを買ってプレ値で売ることになってしまう……近い将来、そういう商売をする店が伸びるだろうな。」と。 何しろ、秋葉原駅の電気街口から出て数十秒の場所にカーキン秋葉原はあります。しかも1階の角地を押さえている。 ここはどう見ても、 「世界一、新品ボックス買取・プレ値販売に向いている場所」 です。 外国人観光客からの視認性も最強です。 どう考えても、プレ値ボックスとオリパを売るべき場所に見える。 だけど、それは僕のやりたい商売ではない。今まで愛したカードショップのスタイルじゃない、と思いました。 そう。自分では、やりたくなかったんです。 とはいえ、それは僕の個人的な理想です。 激戦区の秋葉原で、商業的最適解に気付きながらその道を選ばないなど、そんな甘いことは経営者として許されません。 何しろ僕はその時、社員たちのために会社を存続させなければならないという責任と、1億円以上の借金を背負っていたのです。 借金は、コロナ禍の折、本当なら畳むつもりだった会社を、社員たちの「潰さないでほしい」という声に応えて存続させるために積み上げた借金です。 ぶっちゃけ、 「最終的には僕が自己破産するだろうな」 と覚悟していました。 ですがその後、気付いてしまったのです。 今後、ボックスのプレ値販売やオリパ販売をアキバの1階で集中的に行えば、売上は極端に増えるだろうと。 そうすれば借金も返していくことができて、社員の給料も多少は増やせるのではないか……? なのに、それを「あまりやりたい商売ではない」と感じてしまう自分は、もうこの会社にとって必要ではないのではないか? 僕の好きなタイプのカードショップは、時代に合わなくなっていくんじゃないか? ならば、この会社での僕の役割はもう、終わったんじゃないか? そう思ったのです。 だから僕は、会社を売却しました。 もちろん、売却理由はそれ以外にもいろいろありました。 しかし、この引用ツイートにあるような商売が今後伸びるだろうと判断していたこと、それをやりたいと思えない自分を「時代に合わないのかな?」と疑問視したことは事実です。 実際、カードキングダム秋葉原駅前店は、新しいオーナーのもと、約2年で売上を3倍に伸ばしました。 従業員のために会社を継続させること。 それがオーナー社長の最大の責任であるとすれば、僕は良いバトンタッチを行い、責任を果たしたと言えます。 少し僕の予想が外れたのは、プレ値やオリパだけに頼らない、昔ながらのカードショップも元気に続いていることです。 TCGで育った平成キッズが、今もカードをプレイすることを楽しんでくれている。 子供たちはほとんど来なくなったけど、「かつての子供たち」が今も来てくれていて、その人たちのためのお店も、なかなかに繁盛している。 これは、嬉しい誤算でした。 そういう店を一軒だけ、個人的に楽しむために残していても良かったかな、と思っています。 最後に。 商業的に成立する理由を説明したことを、僕がその商売を推奨しているという意味には受け取らないでください。 商業的な最適解と、僕自身がやりたい商売は別だった。その結果、僕は経営から離れることを選んだ、という個人的な話でした。" / X