2024年に北海道小樽市で起きた飲酒運転による死亡事故の裁判で、29日、札幌地裁小樽支部は、危険運転致死の罪に問われている男に対し、懲役4年6か月の実刑判決を言い渡しました。

事故があった現場(北海道小樽市・2024年9月)

起訴状によりますと、北海道七飯町に住む無職・大沢亮汰被告(34)は2024年9月、酒の影響で運転が困難な状態で小樽市内の国道を走行し、対向車線にはみ出して、当時24歳の大学院生の田中友規さんが運転する車と正面衝突し、死亡させた危険運転致死の罪に問われています。

札幌地裁小樽支部は、29日、罪となる事実は起訴状の通りであると認定した上で、量刑の理由を述べました。

・被告は前日の夕刻から夜を徹して複数の店舗で多量のアルコールを摂取をしたにもかかわらず、安易に判断した。法定速度を超えて対向車線に侵入し死亡させた。事故後に被疑者から高濃度のアルコールも検知。事故前には道路で蛇行運転をしていた。

・長時間かつ多量の飲酒をし、運転回避は容易だったのに、運転可能と安易な判断をし無謀な意思決定をした。

・被害者は24歳で大学院でも熱心に研究していて、家族思いだったのに、突如として命を絶たれた。

・被害者の無念、遺族の苦痛を考えると、厳しい処罰感情は理解できる。

・今なお、飲酒運転の事故は起きていて、社会的非難が高まっている。危険な飲酒運転には厳しく処分するべき。

・その一方で、被告は認めて自分なりの反省をしている。

・加入している保険からも損害賠償される。

警察の捜査に立ち会う大沢亮汰被告(北海道小樽市・2024年9月)【この記事を画像で見る】

検察側は、論告で「長時間にわたり酒を飲み、体内に高濃度のアルコールを保有し、その後運転するのは極めて危険で無謀」「常習的な飲酒運転を繰り返していたと言わざるをえない。見つからなければ良いという魂胆が透けて見える」と厳しく非難。大沢被告に懲役5年6か月を求刑していました。

きょうの法廷(札幌地裁小樽支部・29日)

田中さんの遺族は、被害者参加人としての意見弁論で、「何よりも大切な家族との平穏な日常生活を突然理不尽に奪われ、今もなお甚大な精神的苦痛に苦しみ続けているのであり、この精神的苦痛は何をもってしても回復しがたい」「飲酒運転に対する一般予防の見地からして、本件については厳重な処罰が不可欠である」などと指摘。法定刑の上限である懲役15年に処するべきと求めていました。

付近を走っていたドライブレコーダーの画像

一方で、弁護側は「被告人は今後ハンドルを握らないことを誓っている、遺族に対しても一生向き合うと話し、反省している」などとして情状酌量を求めていて、大沢被告は「私の身勝手な飲酒運転により大切なご家族を奪い申し訳ありませんでした」などと、涙を流しながら法廷で謝罪していました。

《訂正とおわび》
29日午前11時に配信した記事で、「田中さんの遺族」の表記に誤りがありました。訂正しておわびいたします。