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この作品「宣戦布告」は「学ベビ【腐】」「狼谷隼」等のタグがつけられた作品です。
宣戦布告/鷺の小説

宣戦布告

1,070文字2分

最近腐向けの定義が分からなくなってきました。どちらとも取れるから一応付けておきます、程度です。短い上に季節外れの、73話ネタです。

3年半前のアニメからずっと狼竜が好きでした。(唐突な告白)

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 牛丸雪が隣の席の鹿島竜一を好きだと言うのはもはや周知の事実だ。ただ一人、当の鹿島だけがそのことに気付いていない。……いや、猪又も気付いていないかもしれない。
 牛丸が本当に鹿島のことを好きなのは狼谷にも伝わってくる。牛丸が悪い奴だとは思わないし、鹿島が天然な分やや危なっかしい組み合わせかもしれないが、きっと”お似合い”の二人なのだろう。そう頭では理解していても癪に障るものは癪に障るのだ。それが、小さな弟が鹿島の弟に対してよく見せている親友を奪られたような類の感情なのか、はたまたそれ以上のものなのかは自分でもよくわかっていないのだが、狼谷はまだそれをポーカーフェイスで受け流せる程には人間ができていなかった。
 要するに、狼谷は少しだけ羨ましかった。鹿島が、ではなく牛丸が、である。

 ホワイトデーの前日の日曜日に、狼谷は訳もわからず菓子作りに駆り出されていた。野球部の練習のない日だったからまあ特に問題はない。調理室には保育ルームの子どもたちに加えて、特進クラスの3人と根津の弟、猪又あたりが誘ったのか牛丸もいた。
 主に山羊のせいで小さなハプニングがいくつかあったものの、概ね順調にクッキー作りは進んでいった。生地をしばらく寝かせた後、最終行程の型抜きに入った。昼寝から戻ってきた子ども達は待ってましたとばかりにやりたがるが、綿棒で生地を均一に伸ばすのは難易度も高く高校生組の仕事だった。
 弟を抱えながら生地を伸ばしてやっている鹿島は、セーターの袖が落ちてきてやりづらそうにしていた。狼谷が見ている間に袖は完全に手首を覆ってしまったが、打ち粉で手が粉まみれの鹿島はそのまま捲り直すのを躊躇っていた。そこへ、鹿島の後ろを牛丸が通った。近くを人が通る気配に気付いた鹿島が声をかける。
「ごめん、ちょっと俺の袖捲って……」
 少し振り向いたところで鹿島は自分の勘違いに気づいて、顔が赤くなる。
「って、牛丸さん!?ごめん、後ろにいるの狼谷かと思って」
 名前を呼ばれた狼谷は、固まっている牛丸をよそに鹿島に近づいて袖を捲り上げた。
「これでいいのか」
「あ、悪い。狼谷」
 それを見て牛丸の硬直が解けたかと思うと、今度は顔を覆って泣き出した。
「ゆきちゃん、どうしたの!?貴方達、ゆきちゃんに何かしたの!?」
「あ?」
「えと……牛丸さん?」
 猪又の叱責に戸惑う鹿島の横で、狼谷はすっとぼけたフリをしながらちょっとした意趣返しの成功に内心満足していた。

 鹿島が些細なことで頼るのは俺だ。そのポジションを奪いたければ奪いに来い。

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