前回から沖縄の平和教育について、その背景を考えている。今回は、沖縄の歴史を知るうえで、沖縄の歴史のターニングポイントになる復帰運動に焦点を当てる。
沖縄の歴史は複雑だ。だが、その歴史を抜きにしては今の沖縄を語ることはできない。沖縄県民が皮肉交じりに好んで口にする歌がある。シンガーソングライターの佐渡山豊さんが作詞、作曲した楽曲『ドゥチュイム!』(「ひとり言」)だ。
大国に翻弄され続けた歴史
唐ぬ世(とうぬゆー)から 大和ぬ世(ゆー)
大和ぬ世から アメリカ世
アメリカ世から また大和ぬ世
ひるまさ変わゆる くぬ沖縄
「唐ぬ世」は実質的には中国の統治下にあった時代を、「大和ぬ世」は日本政府の統治下にあった時代を、「アメリカ世」は米国の統治下にあった時代を指す。中国に支配されたかと思うと、日本に。日本の次はアメリカに。アメリカの次はまた日本に。統治者はどんどん変わったが、自分たち市民は何も変わらない。変わるのは統治者ばかり――と歌うこの詩は、大国に翻弄され続けた沖縄の歴史を端的に表している。
「アメリカ世」はどのような時代だったのか。アメリカは戦後、27年間にわたり「琉球列島米国軍政府」や「琉球列島米国民政府」(民政府)と名称をかえ、沖縄を統治した。1952年にサンフランシスコ講和条約が発効されると、沖縄は、「琉球政府」として名実共にアメリカの施政権下に置かれることになった。