外堀を埋めれば
とっぷりとはまりました
コミック勢⑫で、本試は未読&アニメ未視聴です
あぁもう、こうなってくれればって思っていらっしゃる方もたくさんおられる気がしてる!
そんな創作作品も多い気がしてる、けど、勢いでがーってやっちゃった
そもそも、つよい女子と女子力の高い男子の組み合わせは好みなのです
ゴールデンカムイもおいしいです
メインの男子は女子の尻に下に敷かれてばいいし、ほかの男子からは右側にさらされていればいいと思う
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「……んッ」
微かな吐息ともとれぬ声が漏れ聞こえた。
本人だけでなく、目の前に居る相手にも。
「どう?」
どう?と言われても、どうすることもできず、ただただバグった脳みそがはじき出した行動はフリーズすることとありありと分かる困惑の表情をみせること。
これは当の本人だけでなく、目の前に居る彼以外の人達も同じこと。
今目の前で起きたことが、何がどうしてこそうなったのかさっぱり分からない。
分かっているのはそれをしでかした黒ずくめの男だけ。
いつも賑やかしい彼が完全にフリーズ状態で口を開きもしなければ動きもしないことに、わずかに小首をかしげ、おもむろに腰を落とす。
彼の股ぐらに右肩を入れ込むように当てつつ首を右脇下腹部付近に押しつけ、左手を伸ばして彼の右手首をつかむ。彼の体重の重心となるへそが自分の重心と重なるように首の後ろにくるように調整して立ち上がり、自分よりも大きく重い身体を担ぎ上げた。
最後の仕上げに彼の両足の間から右手を出してしっかりと筋肉がついているにも関わらずふわりとやわらかい右腿を抱え込み、そのまま彼の右手首を掴む。
「もらっていくから」
さも当然のように言い放つと空いている左手を持ち上げ、さわりと腿を指先でなぞりながら彼らに背を向けて歩き出す。
一連の流れに呆気にとられる面々がハッと我に返ったのは、リンクサイドを隔てるドアが閉まるそう大きくもない音が響いたあとで。
「返せーーーーー!!」
スケート靴のまま慌ててかけだし後を追う子どもを、ヘッドコーチが肩をつかんでひきとめる。
「いのりちゃん、靴、靴!」
言われてスケート靴のままなことに気づき、あわてて靴ひもを解いて、靴も履かずに飛び出していく。タイムラグがあったけど、大人一人担いで歩く男にすぐに追いつけると思っていた。
リンクを出て廊下を走り、受付カウンター前を通り過ぎても追いつけないどころか姿も見えない。入り口を抜けて駐車場へと駆け込んだところで、一台の車が目の前を通る。
後部座席の窓越しに、大好きなコーチの黄色い髪が見えた。
「司先生―!!」
しばらく追いかけたが、車に追いつけるはずもなく。どんどん距離が引き離され、やがて車は駐車場から車道へと走り去っていった。