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| 投稿日 | : 2022/07/16 07:04 |
| 投稿者 | : 黒狼武者 |
| 参照先 | : http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4d/patio.cgi?edit=847&no=0 |
| 投稿日 | : 2022/07/16 07:04 |
| 投稿者 | : 黒狼武者 |
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- WEB PATIO -
「なんともまぁ…だな…」
「知恵の実を持たぬ使徒でも学習する。力だけではない。」
指揮所は緊迫感に支配されている。使徒が出現すれば緊迫感に支配されるのは至極当然のことであるのだが、今回は度が違う。これまでの使徒はバケモノ感が強い個性的な姿形をしていた。しかし、今回出現したのは…。
「プリズム状の使徒。外殻を変形することでATフィールドを自由自在に展開し、攻撃にも転用する。全方位に対応できるように進化しているわね。」
そう、今回出現した使徒はプリズム状、正二十面体の形状をしている。しかも、透明状の結晶のような形状である。結晶なら簡単に粉砕出来そうに思われるが、これは違う。外殻への攻撃は全て鉄壁のATフィールドで阻まれている。その外殻を使徒は展開することで、防御形態へと変形させられ、多種多様な攻撃形態をとることで攻守を両立している。
「使徒に砲台による通常攻撃が無意味なことは周知していましたが、ここまでとは…」
「どうしますか?無人砲台は次々と破壊されていますよ。」
相模方面から侵攻してくる使徒は激烈な無人砲台の攻撃を無効化し、カウンターとして高エネルギーの熱線を放射している。当然として各所砲台には特殊装甲を使用しているが、使徒の攻撃を無効化出来る程度に頑丈ではない。カウンターを貰っては蒸発を繰り返している。
「構わん、どうせ無人砲台は捨て駒に過ぎん。我々の本命は福音戦士だ…」
「戦自(戦略自衛隊)の戦車大隊が勝手に迎撃していますが、そちらはどうしますか?」
基本的に使徒対策はネルフ本部に全権があるが、これを嫌悪するのは戦略自衛隊及び本国政府である。特に戦争やら軍事活動を本業とする戦略自衛隊にとって、仕事を奪取されるのは許容出来ない。しかしながら、戦略自衛隊の戦力では使徒を殲滅することは現実的に不可能である。やはり使徒を相手に対抗出来るのは福音戦士でなければ無理な話だ。
だが、そんな不都合な事実はどうでもいい。これは彼等のメンツの問題であり、政府や戦自の上官達は勝手に行動していた。
当然ネルフの本音としては「勝手に行動するな」という話だが、彼等はネルフの意向を無視していた。そんな身勝手な彼等の態度に、ネルフは彼等に対し「勝手に動いた以上は、勝手に自爆して行って下さい」と思考している。無慈悲にも聞こえるが、完全に自業自得である。
「奴等は自由にさせておけばよい。まったく、無駄なことをする。福音戦士に踏みつぶされても文句は言わせんよ。」
「了解しました…」
使徒の侵攻を阻止するべくネルフも戦自も奮闘しているのだが、やはり使徒を相手に通常兵器は焼け石に水である。
今回の使徒は、これまでの使徒とは異なり、全方位のATフィールドに加え、圧倒的な火力を持つ高エネルギー熱線よって防衛ラインは次々に蒸発されていく。その悲報が重なるが、冬月は冷静だった。幸い、相模方面には幾重もの防御ラインと物理的に侵入を防ぐ防壁を展開してある。数はたっぷりと揃えているから、福音戦士の出撃の時間を稼ぐことは十分可能だ。
「福音戦士初号機の発進を急げ!」
「碇、零号機は出さないのか?」
「あぁ。レイはまだ動けない…」
今現在、出撃可能なのは福音戦士初号機と零号機だ。しかし、パイロットで出撃出来るのはサードチルドレンだけだった。厳密にはファーストチルドレンも出撃出来るが、実験での負傷が完全に癒えていなかった。満足には動けなくても、普通に動けるぐらいには回復していた。しかし、碇ゲンドウは出撃を許可しなかった。ここでもファーストチルドレンを優先するのか。
ケージでは福音戦士初号機の出撃が急がれていた。二度の使徒戦での経験と徹底した機械化による効率化で出撃までの時間はおよそ三十パーセント短縮されていた。これが功を奏して、かなり早い段階での出撃を可能にした。
カタパルトに移送される途中で、シンジは葛城ミサトから指示を受けていた。これまでに色々とあった両者だが、お互いに(主にミサトが)頭を冷やしたので関係は険悪ではない。
「いい?シンジ君。今回の使徒はこれまでとは全く違う。今までの使徒戦の経験は通用しないかもしれない。よって、今回は福音戦士パイロットの現地判断を尊重します。大まかな動きには従ってもらうけど、あなたの判断で動くのを許可します。」
「はい…わかりました。」
初号機はカタパルトまで移送され、射出を待つ。使徒は依然として侵攻中で防壁を破壊しながら進撃する。現実では不可能とされていた無限エネルギー機関ことスーパーソレノイド機関の威力は非常に驚異的だ。一度の高エネルギーで超高層ビルを蒸発させるほどである。あれに直撃すれば福音戦士とて無事ではすまない。
初号機は近くに聳え立つ、高山(標高八百メートルほど)の裏手に出るようにしている。分厚く大きな高山なら使徒の高エネルギーでも全てを破壊することは不可能であり、威力は軽減出来る。高山から様子を見て、隙が生じたときに一気に肉薄しての格闘戦に移ることを思考している。使徒は遠距離・中距離で真価を発揮すると考えられる。外殻を変形させることが可能でも、近距離の格闘戦には対応出来ないだろう。懐に入り込めば十分対抗出来る。
「いいわね…福音戦士初号機。発進!」
直後に福音戦士初号機はカタパルトで直上へと移送される。何度も体感し続けた重力の感覚は心地良く感じられる。シンジは良い意味でも悪い意味でも、福音戦士で戦うことが日常と化していた。
以前は緊張することが多かったが、それはもうない。福音戦士で戦ってこそ、自分だ。そう考えていた。だから、今日も使徒を倒す。それだけだ。
しかし…。
使徒は、無慈悲の咆哮を向けようとしていた。
「使徒内部に高エネルギー反応!」
「先程までの砲撃とは比較にならないエネルギーです!」
「マズイわ!シンジ君!回避して!」
「うっ!」
初号機が裏山に射出された瞬間だった。使徒は見慣れない形に外殻を変形させ、中心部のコアを剥き出しにした。一見すれば隙を見せすぎる愚策であるが、それは破壊力に一辺倒の攻撃である。指揮所では使徒の内部に計測不能の高エネルギー反応を観測した。
そして、それは高山をターゲットにしていた。
不気味な高音と共に使徒の中心部から使徒による鉄槌が下されようとしている。
「防壁展開。全てだ。急げ!」
高山と使徒の間にある地点から続々と装甲ビル群がニョッキリと出てくる。高山があるからそう簡単に初号機を攻撃出来ないが、見たことも、聞いたことも、計測したこともないエネルギー反応が向けられている。それを鑑みて、防壁を展開する。
その直後にエゲツナイ威力の加粒子砲が発射された。それは馬鹿みたいな熱量と高エネルギーで防壁を一瞬で粉砕していく。展開した防壁は全てがドロドロに液状化する。そのまま高山に直撃する。人工ではなく、大自然により構築されたシールドは非常に頑丈だった。土砂から岩石まで例外なく焼失させているが、それなりに時間がかかっている。いくら使徒が強力とは言え、流石に高山を一つ吹っ飛ばすには長時間が必要みたいだ。
「ボルトを全て爆破しろ。作戦は中止だ。」
「くっ…やむを得ないか!」
「初号機を強制回収します!」
通常の福音戦士の回収は相当の損傷でなければ基本的にエレベーターなどで回収する。しかし、今回のように緊急時の場合は、機構のボルトを全て爆破して、タワーオブテラー方式で急転降下させて回収する。これ以上の作戦の続行は不可能である。不可能というよりかは、著しく困難だと考えられる。使徒が総合的に進化していることは認識出来たが、その幅が恐ろしく大きい。近距離からの近接戦に持ち込むにしても、このように迎撃されては実質不可能だ。どれだけ隠密行動で射出しても迎撃される。ただの迎撃ならそれなりに可能だが、全てを焼失する咆哮が来る。これは非常に厳しい。
「あ、危なかった…」
初号機はコンマ秒遅れて降下していなかったら、使徒の加粒子砲が直撃したと思われる。今回は防壁と高山があったからこそ無事であった。しかし最悪、これが通常の市街地であったなら間違いなく、機体は大破したと思われる。また、パイロットも重傷を負っていることは確実である。シンジは間一髪のタイミングで重傷を回避したと言える。
使徒は初号機が消えたことを確認すると通常形態に戻り始め、宙に浮いたままの状態で、一時的に動きを停止したのである。
使徒の沈黙は、人類に残された最後の猶予(タイムリミット)に過ぎなかった。
「使徒、沈黙したままエネルギーの再チャージを開始! 次の砲撃は…おそらく、このジオフロントを真上から直接穿ちます!」
マヤの悲痛な報告が響く。山をも溶かすあの加粒子砲が直撃すれば、地下のネルフ本部は一瞬で消滅する。初号機は緊急回収の衝撃による機体チェックとアンビリカルケーブルの再接続で、すぐには動けない。打つ手なし…。誰もがそう絶望した瞬間、冷徹な電算室のハッチが開いた。
「私が、行きます。」
包帯に包まれた白い身体に、プラグスーツを纏った綾波レイがそこに立っていた。
「レイ! まだ動いちゃダメよ! 傷が開いたら…」
ミサトが叫ぶが、レイの瞳に揺らぎはなかった。
「私が死んでも、代わりはいるもの…。でも、碇くんが死んだら、もう誰も初号機には乗れない。だから、私の命は、ここで使います。」
その言葉に、ゲンドウは眼鏡の奥の目をわずかに細め、短く命じた。
「零号機、再起動。ロンギヌスの槍を使用する」
指揮所が息を呑む。
ターミナルドグマの最深部に封印されている、神の領域の兵器。全方位のATフィールドを誇り、近づくことすら不可能な「正二十面体」を打ち破る唯一の、そして絶対的な鍵。
「零号機、システム起動! 拘束具除去…発進!!」
地上のハッチが開き、白煙と共に福音戦士零号機が姿を現した。その手には、不気味に赤く輝き、二叉に分かれた巨大なロンギヌスの槍が握られている。
キィィィン──!!
侵入者を感知したプリズム状の使徒が、即座に変形を開始する。外殻が花弁のように開き、あの全てを蒸発させる加粒子砲のコアが剥き出しになった。光軸の照準が、零号機へと固定される。
「レイ、奴が撃つわ! 持ちこたえて!」
ミサトの叫びと同時に、世界が白い光に包まれた。
ドォォォォォォォォンッ!!!!!
凄まじい熱線の直撃を受け、零号機の特殊装甲が瞬時にドロドロと融解し始める。レイの神経に、全身が焼き切れるような激痛が走る。
「う、あ、あ、あああああッ!!」
エントリープラグ内部で吐血しながらも、レイは操縦レバーを離さなかった。彼女は逃げない。この命は、この瞬間のためにある。零号機は左腕をドロドロに溶解され、膝をつきながらも、残された右腕で神の槍を限界まで引き絞った。使徒は驚愕したかのようにエッジを点滅した。すべてを焼き尽くす最強の咆哮を受けながら、なお倒れぬ鋼鉄の巨人の存在は、学習の範疇を超越した。
「消えて…」
レイの静かな、しかし確かな意志が、福音戦士の咆鳴となって響き渡る。ビュウゥゥゥゥッッッ!!!渾身の力で放たれたロンギヌスの槍が、赤き閃光となって空間を切り裂いた。使徒が誇る絶対不可侵の全方位ATフィールド…。空間をガラスのように歪めていた最強の盾は、しかし、槍の先端が触れた瞬間に、まるで薄氷のように容易く、粉々に砕け散った。
「ATフィールド、完全に崩壊!! 槍、直撃します!」
使徒のあらゆる計算を、神の兵器が凌駕する。螺旋を描く赤い光の矢は、エネルギーを放出し続けていた剥き出しのコアへ、正確無比に突き刺さった。一瞬の静寂。直後、正二十面体の結晶体に無数の亀裂が走り、内側から激しい光が溢れ出す。咆哮を上げることすら許されず、攻守完璧を誇ったプリズムの使徒は、相模の空に美しい光の粒子となって霧散していった。
「使徒、完全に消滅!零号機、大破。パイロットの生命信号、確認…健在です!」
マヤの叫び声に、指揮所全体が堰を切ったような安堵の溜息に包まれる。メインスクリーンには、陽光の下、左腕を失いながらも立ち尽くす零号機と、その向こうで粒子となって消えていく使徒の残滓が映し出されていた。
完結
すると真っ赤な着物姿の女の子が参拝に訪れました。見た目は、ミステリアスな閻魔あいのように見えます。レイと美奈子は、オウカプリンセスだと思い込み、血眼になって彼女を包囲しました。女の子は、動揺し、
「えっ…な、なに…?」
畏怖していたのです。レイさんは
「惚けても無駄よ!悪霊退散!」
お札を張る寸前…。うさぎ達に止められました。彼女は、閻魔あいのコスプレをした一般人です。たまたまコスプレ大会に行くついでに参拝に来たのです。レイ達は、必死に謝罪し、なんとか場は和みました。