リバーズエコ社長の投稿から考える「言葉の悪用」-『ケーキの切れない非行少年たち』を他者を叩く武器にしてはいけない-

以下のポストをご覧ください

X(旧Twitter)で話題を集めたポスト

これは現在、X(旧Twitter)上で多くの共感を集め、議論を呼んでいる指摘です。

『ケーキの切れない非行少年たち』
(宮口幸治 著)
この中で著者が最も伝えたかった切実なメッセージが、ネット上で最悪の形で曲解され、「相手を馬鹿にするための侮蔑語」として独り歩きしてしまっている現状を危惧する声です。

冒頭のポストにある通り、かつて「障害児」が「ガイジ」という蔑称になり、「アスペルガー症候群」が「アスペ」という煽り文句に変わったように。今度は「ケーキが切れない」という言葉が、全く同じように他者を攻撃するツールとして消費されています。

ラベル(表面上の言葉)だけを変えて、相手を見下し、傷つけるという「悪意の中身」は何も変わっていないのです。
そもそも、なぜ著者は「ケーキが切れない」という言葉を見出しに使ったのでしょうか。
児童精神科医である著者は、少年院で非行少年たちと向き合う中で、彼らの中に「円いケーキを等分に切ることができない」といった、深刻な認知の歪みや「境界知能(知的障害の基準には当てはまらないが、知的な支援が必要な状態)」を抱える子が多くいることに気づきました。
彼らは「馬鹿だから」犯罪に走ったのではありません。社会や学校が彼らの見えない障害(SOS)に気づけず、適切な支援の手からこぼれ落ちてしまった結果、非行という形でしか生きられなかったのです。
著者は、*彼らが罪を犯す前に、社会全体で気づき、支援していく必要がある」と訴えるためにこの本を書きました。決して、知的に遅れのある人たちを笑い者にしたり、他者をマウントしたりするために書かれた本ではないのです。

著者の願いを踏みにじる、リバーズエコ小川社長の暴言

しかし、こうした著者の本来の趣旨や、実際に境界知能で苦しんでいる当事者の存在を完全に無視し、この言葉を極めて悪質に「武器化」している実例があります。

X上で「リバーズエコ小川社長」と名乗る人物の過去の投稿を見ると、意見の合わない相手や、自分が気に入らない他者を攻撃する文脈で、以下のような言葉が幾度となく、執拗に使われています。

リバーズエコ小川社長のポスト

これらの発言は、単なるネット上の口が悪い煽り合い、では到底済まされない深刻な問題を孕んでいます。


なぜ、この言葉の使い方が「社会悪」なのか

支援の文脈を「愚弄」している

本来、社会から孤立しがちな人々を理解し、救うために専門家が必死に言語化した概念を、単に「自分より知能が低い(と思い込んだ)相手」を罵倒するための棍棒として振り回しています。これは、当事者や支援者の切実な努力を根底から踏みにじる行為であり、著者が最も危惧していた「無理解」そのものです。

偏見(スティグマ)を拡散し、当事者をさらに追い詰める

同氏の投稿では、「ケーキが切れない」という状態を、「馬鹿」「頭おかしいやつ」「社会不適合者」といった極めて差別的で攻撃的な言葉と直接結びつけています。

こうした発言が公開の場で「笑い」や「相手を黙らせるマウント」として消費され続けると、社会全体に「境界知能の人=関わってはいけないヤバい人たち」という強烈な偏見が植え付けられます。その結果、本当に支援を必要としている人々が「自分は頭がおかしいと思われるのではないか」と怯え、さらに声を上げづらくなるのです。


言葉の刃を振るう前の「想像力」

冒頭のポストが指摘した「ラベルだけ何度変えても、中身は何も変わっていない」という悲しい連鎖。
リバーズエコ小川氏の一連の投稿は、まさにその連鎖の最前線にある、最も露骨で醜悪な実例と言わざるを得ません。
社会問題の解決のために生まれた言葉を、他者を殴るための便利な石ころのように扱うのは、知的な怠慢です。

最後に

私たちは今一度立ち止まり、ネット上で何気なく使われているその言葉が、「本来誰を救うためのものだったのか」を想像する必要があります。言葉の悪用を許さない社会の空気を、私たち自身で作っていくべきではないでしょうか。





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リバーズエコ社長の投稿から考える「言葉の悪用」-『ケーキの切れない非行少年たち』を他者を叩く武器にしてはいけない-|萩原
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