住まい相談「すんで」とメンター制度について
はじめに
こんにちは、株式会社すんで 代表の岡野です。SNSでは「すんで埼玉」で発信しております。
当社は、不動産売買仲介・買取再販を行う宅建業者です。おかげさまで6期目が終わり、年商11億円超・営業利益1億円超まで成長できました。すべての関係者の方々に御礼申し上げます。
当社の特徴は、宅建業に加えて、住まい相談サイト「すんで」の開発運営を行なっているところです。
「すんで」は、住宅の購入や売却を検討している人が、実際にその地域に暮らしている人や住宅の購入や売却の経験がある人(「すんで」メンター)に、匿名で相談できるウェブサイトです。
キャッチコピーは「住んでる人に聞くのが早い」。家の購入・売却はもちろん、保活・治安・教育環境まで、暮らしの悩みが幅広く対象です。
「すんで」メンターは2026.7現在、118名登録いただいております。相談者は匿名のまま利用でき、込み入った事情も安心して打ち明けられます。会員登録(無料)で、他の人に寄せられた公開質問の回答も読み放題です。
本書では、株式会社すんでがこのメンター制度をどんな時代背景から生み出し、いまどんな形で運用しているのかを、ご紹介します。
第1章 時代背景 ―「個の時代」と、詳しい素人の登場
「すんで」の意義を語るには、まず”私たちが生きている時代の変化”から話そうと思います。
知は、専門家から個人へと開かれた
かつて専門知識は、資格者や事業者のもとに集中していました。不動産に限らず、専門性の高いジャンルにおいて「詳しいのは専門家だけ」。一般の人との間には、大きな情報の非対称性がありました。ところが2010年代以降、スマホとSNSの普及がこの前提を静かに、しかし根本からひっくり返しました。誰もが発信し、蓄積し、つながれる「個の時代」の到来です。
ときに、プロを超える「アマ」が現れた
この変化が生んだのが、特定の領域でプロに匹敵する――ときに超える――知見を持つ 「アマチュア」です。そして重要なのは、彼ら彼女らが持っているのは物件や相場の知識だけではない、ということ。もっと本質的なのは、実際にそこで暮らすことでしか手に入らない 「最新の生活情報」を持っている点です。
あの保育園は本当に評判がいいのか。あの通りは夜どうなのか。ゴミ出しのルールは、近所づきあいは、目の前の商店街に活気はあるのか。こういう”鮮度がいい解像度の高い情報” は、いくら検索しても出てきません。ポータルサイトにも、行政の資料にも載っていない。住んでいる人の頭の中にしか存在しない、生ものの一次情報です。そして家選びの満足度を最後に左右するのは、たいていこの「暮らしのリアル」の方だったりします。
そしてAIが、詳しい素人を後押しする
近年はChatGPTやClaudeに代表される生成AIが登場し、この流れを一気に加速させました。宅建業に限らず、法律・税務・医療まで、これまで免許や資格に守られてきたあらゆる領域に「詳しい素人」が現れ始めています。
誤解のないよう言い添えると、これは専門資格の否定ではありません。むしろ逆です。いま問われているのは、「専門家にしか担えない領域」 と「経験者が担える領域」を丁寧に切り分けること。法的責任を伴う取引の媒介や手続きはプロが担い、暮らしの実感や一次情報の共有は経験者が担う。この役割分担を、時代に合わせて引き直す必要があると考えます。
第2章 すんでを始めたきっかけ
「すんで」は、この「知のシェア」という時代の必然から生まれました。
私はもともと、埼玉の街や物件の情報を発信する「すんで埼玉」として活動していました。埼玉出身、工務店のせがれ、住まいと不動産が大好きな、ただの一発信者です。自身の家購入や売却の経験や、埼玉に関する発信を続けるうちに、「この物件どう思いますか?」「浦和に移住したいけど住み心地は?」という相談がDMで来るようになりました。中途半端に返すのは失礼だと思い、思い切って有償相談を始めました。
十数件の相談に乗るなかで、ハッと気づきました。
自分だけじゃない。物件を果てしなく調べ抜いた人、保活情報に異常に詳しい人――住まいの相談に乗れる経験者は、世の中にゴロゴロいる。この人たちに協力してもらえば、知見を必要な人に届けられるかもしれない。
低単価でも対価が発生するからこそ、相談する側もされる側も真剣になる。経験者の知見が副収入になり、子育て等でフルタイムが難しい人の収入源にもなる。こうして、住まいの知見を共有するナレッジシェアリング・プラットフォームとして「すんで」は立ち上がりました。
第3章 すんでの位置付けと意義
すんでは、宅建業者として免許を持ち、法が守るべき領域――取引の安全や媒介の責任 ――はプロとして責任を持って担います。その一方で、免許の外側に広がる「住んでる人の知見」という膨大な価値を、メンター制度を通じて社会に流通させる。ひとことで言えば、「知の独占」から「知の循環」へ。これがすんでの存在意義です。
メンターがメンティーの挑戦を後押しし、そのメンティーがいずれ誰かのメンターになる。この 「挑戦の連鎖」こそ、私が世に提案したい価値です。
第4章 メンター制度の全体像
メンター制度は、住まいや地域の知見を持つ人が、これから住まいを探す人の悩みに答える仕組みです。すんでは、メンターという協力者がいてはじめて成り立ちます。
ただし、誰でもなれるわけではありません。地域や住まいに一定以上の知見があり、相談者を解決に導けると当社が判断した人だけが活動できる審査制です。応募フォームの提出後、面談を経て認定します。相談は、公開質問への回答と、DMでの個別相談の2つ。いずれも顔出し・本名・通話は不要で、匿名のまま無理なく活動できます。
第5章 4種類のメンターと、インセンティブの開示
ひとくちにメンターと言っても、関わり方は4タイプ。インセンティブ(報酬)に関しても包み隠さずにお伝えします。まずは一覧をご覧ください。
1.ボランティアメンター
無報酬で、対価を一切もらいません(純粋に役立ちたい人向け)。
2.通常メンター
チップの量など貢献度に応じたAmazonギフト等をすんでから提供し、すんでに紹介した人がすんでを通じて不動産売買を成約したら定額10万円。ただし取引そのものには関与せず、あくまで紹介の立場です(宅建業に該当する部分については関与しない/できないことを契約上も明記しております)。
3.スーパーメンター
すんでの従業者(宅建業法第48条第1項等)として登録し、営業支援まで踏み込む人。成約時にすんでが受領する仲介手数料の10%を報酬として受け取ります。
4.アライアンスメンター
アライアンスメンターは新しい試みです。独自の審査を経た宅建業者がメンターとして相談に乗ります。すんで経由で出会ったお客様がアライアンスメンターの仲介により成約したら、アライアンスメンターはすんでに仲介手数料の10%を払います。
なお、以上のメンター制度の設計・運用に関する宅建業法上の整理は、弁護士とも相談のうえで行っています。宅地建物取引業法との関係を含む、より詳しい考え方やよくいただくご質問への回答は、「メンター制度の適法性についての考え方 と Q&A」にまとめています。
おわりに
すんでのメンター制度は、「個の時代」「詳しい素人とAIの登場」という不可逆の変化の中で、住まいの知見を必要な人へ橋渡しするために生まれました。専門家が担う領域と経験者が担える領域を丁寧に分けたうえで、後者の価値を社会に循環させる試みです。
そして私たちは、この仕組みが最初から完成形だったとは思っていません。試行錯誤とアップデートを重ねて、いまの形にたどり着きました。これからも、よりよい運用へと磨き続けます。挑戦する人生は、美しい。メンターがメンティーの挑戦を後押しし、やがてそのメンティーが誰かのメンターになる――この挑戦の連鎖を育てていくことを、これからも大切にしていきます。
株式会社すんで 代表取締役 岡野周平 2026.7
住まい相談「すんで」
メンター制度の適法性についての考え方についても記事で紹介しています。


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