【CP有/閲覧注意】日下部「はぁ? 呪いのビデオ?」🎲

  • 11◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:11:35

    普段は使われていない高専の一室。壁の四隅に呪符が貼られ、ソファとローテーブルと液晶ディスプレイの運び込まれたそこには日車という先客がいた。男は小さな段ボールを抱えており、幾つもの札で封じられたその中には呪いのビデオが詰まっているらしい。

    「ただしジャンルとしてはホラーではなく、性行為映像制作物だが」
    「せい……なんて?」

    日下部は思わず聞き返した。

    「性行為映像制作物だ。ちなみに全部で十本ある」
    「は?」
    「……アダルトビデオ。AV、と言った方が良いか? つまり性的な」
    「待て待て真顔で繰り返すなAVが何かくらい知ってるっちゅーの!! 何でよりによってそんなもんに呪いがかかってんだよ……!!」 
    「資料によると映像を観る、おそらく観終わることで成る、らしいが……呪詛師によるものか呪霊の仕業なのかも含め、詳細は不明だ」

    何だそれめんどくせぇ、と盛大に顔を顰めた日下部の前で、カタリ、軽い音を立てて段ボールがテーブルへと置かれる。無頓着に札を剥がしながら、日車の説明が続いた。

  • 21◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:13:01

    「視聴者の失踪、昏睡状態など、異変が相次いで報告されるようになったのはここ一年。”呪いのビデオ”の噂が広まり、窓が把握するに至ったらしい。確定はできないが、利用者記録やSNSの書き込みを見るに、呪い自体は数年前からあったと思われる」
    「順当に溜め込んでった力が閾値を超えたか、近年の騒ぎに中てられた、ないしこのゴタゴタを好機と見て動き出した、ってところか?」
    「或いは各要因が複合的に噛み合った結果かもな」

    肩を竦めた日車が、それで、と日下部に向き直る。
    日下部は反射的に一歩後ずさった。

    「君をここに呼んだ理由だが」
    「…………待て待て待て、聞きたくない。絶っっ対に聞きたくない!」
    「被害者の状態と”最高に抜けるが観ると魂も抜かれる”ないし”十本全て観ると人間でなくなる”という噂から、領域対策可能な人間が対処することとなった」
    「あ――あ――あ――!!! 何も聞こえねぇ、聞こえねーなぁ――――!!!」

    「諦めろ日下部。俺と君とで鑑賞会だ」
    「帰りてぇえええ――――――!!!!!」

  • 3二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 03:13:37

    このレスは削除されています

  • 41◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:14:32

    ということで
    同僚篤寛が仲良く呪いの叡智ビデオ鑑賞をするSS+ダイススレだよ☆
    基本は呪い(モブ)攻めだよ☆
    ダイス値によっては篤寛描写になる場合もあるよ☆
    スレ主が初スレ立てド初心者&遅筆+雰囲気提示の為に初回ダイスのみシミュ済の値を使ってWriteningまで投稿させてもらうよ☆
    ……2回目以降はライブダイスで進めるので何卒よろしくお願い致します(美しい本気の土下座)

    無理だと思った人はブラウザバック☆
    する人はいないと思うけどこのスレの外部転載・動画化はしないでね☆

  • 51◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:17:51

    【ルール】


    ① 呪い VS 日下部・日車 の対抗ダイス

    ② 個別スキル適用

    ③ 呪い値:日下部・日車合計値 で勝敗判定→ Writening

    ④ 個々で呪いに対抗できなかった分の値ー共通スキル適用値を精神汚染値として各々に蓄積

    ⑤ 次へ


    ③補足

    合計値・個人値共に勝利した時だけ毒牙にかからず済むよ☆

    呪い<合計値 でも

    呪い>個人値 の場合 負けた方には差分値だけ叡智な目にあってもらうよ☆

    Writeningのパスワードは OK18 だよ☆

  • 61◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:20:46

    【スキル】


    【日下部】

    ★死んでも守るぞ!

    自身>呪いの場合、差分÷2を日車の数値にプラス。日車自身の値が既に呪い値を上回っている場合は日車の精神汚染を回復

    ★★簡易領域・拡張

    自身<呪いの差分が5以内の場合、差分を自身の値にプラス


    【日車】

    ★有罪! 没収! 死刑!

    自身>呪いの場合、呪いの値-5。差分30以上なら-10、50以上なら-15

    ★★才能の原石

    スキル★を連続使用時、自身と日下部の精神汚染を10回復


    【両者共通】

    ★共闘

    呪い<二人の合計値の場合、上限を20として差分÷2値を各々汚染回復

    ★★完勝

    呪い<二人の合計値かつ両者共に呪いの値を上回っていた場合、各々の精神汚染値を10回復


    【精神汚染】

    ★汚染50以上でスキル発動判定ダイス追加(1=発動 2=不発)

    ★★汚染60以上で自身のダイス上限値-10、70以上で上限値-20のデバフ

  • 71◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:25:27

    スレ主は最近某ETDトリオスレを見てすっくん完全体を前にしたカッシーの如く感銘を受けた個体です
    今回めちゃくちゃ参考にさせてもらいました神スレ主様に心からの感謝を
    SS+ダイス+叡智最高!!!!

  • 81◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:30:42

    敢えて十本全てを見る、という手順を踏んで呪いを発動させ、噂から想定される領域ないし結界内に入り内側から破壊。
    祓除と共に取り込まれているだろう被害者たちを無事救出できたなら万々歳、という話だそうだが。

    「な~んでオッサン二人肩並べてAV見なきゃなんねぇんだよ……」
    「一級案件だ。領域対策必須、加えて未成年や女性に任せるわけにはいかないのだから、自ずと人選は限られる」
    「俺かお前どっちか一人で十分じゃねーの?」
    「状況から必殺ではないだろうが、領域ないしそれに近い結界の発動が予想されるんだぞ。俺は勿論、いくら君とて一人よりも二人の方が良いはずだ」」
    「それはまあ、そうなんですけども……」

    密室に二人きりで、AV鑑賞。
    日車が高専預かりの術師兼補助監督補佐兼法務相談役となって一年半。
    二人はなかなかどうして気心の知れた同僚となってはいたが、それでも、いやむしろだからこそ、だろうか。

    (い、居た堪れねぇ…………)

    日下部は天を仰いだ。が、日車はどこ吹く風だ。
    何なら普段よりも若干弾んだ声で、暢気に宣った。

    「それに俺はこういう作品を観たことがないんだ」
    「マジで?」
    「やってはいけないことだと思い込んでいたからな。この機会にチャレンジしてみるのも悪くない」
    「まじでぇ…………」

  • 91◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:33:01

    扉の外に解呪作業中の札をかけ、日下部は改めて室内を見渡した。
    ソファが二人掛け用ではなく三人掛け用なのは正直ありがたい。しかし、しかしだ。

    「五十五インチとかなんでこんなバカでかい画面用意したんだよ……もっと小っちゃいヤツで良かっただろうが」
    「日下部、大きいだけではない。4K対応だ」
    「いやディスクの方が対応してねーだろ!!」
    「プレイヤーにも高画質調整機能がついている。映像は鮮明な方が良いと思って用意してもらった」
    「お前がわざわざ頼んだのか??!! 何で?!?!」
    (そんなに初めてのAVに期待してんの???!!! こんな性欲とか欠片もありませんみたいな顔して???!!!)
    「映像が不鮮明では、不審な点があっても見落としかねないだろう」
    「………………」
    「? 日下部?」
    「…………そうだな……なんつーか……悪かったよ…………」
    「?」

  • 101◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:37:57

    はあ、と脱力してソファに沈みこんだ日下部の目の前にあるローテーブルには、段ボールから取り出された呪いたちが整然と陳列されている。
    ジャケットカバーは何故か色違いの単色刷りで、タイトルは勿論、刺激的な煽りや画像の一つもなかった。

    「なぁこれ、見る順番とか決まってんのか?」
    「わかっている範囲では特にないな」
    「実際全部見て何の変化も起こらなかった場合がくっっっそ面倒なやつじゃん……!」
    「とりあえず端から順に、でいいか?」

    言って日車が左端、白いジャケットのケースを手に取る。
    パカリ。
    蓋を開けた日車は、そのまま眉を顰めて静止した。ディスクに宿る僅かな呪力に反応した、というよりも、レーベルに描かれたタイトルのせいだろう。
    素っ裸のオネーチャンが印刷されていなかっただけまだマシではあるが、日下部も目に入ったそれには閉口した。

    絶♡倫♡ 淫敏汁奮 時間よ止まれ、メスガキ100人ノンストップスクールウォーズ!

    「……止まってほしいのか止まらないでほしいのかどっちなんだこれは?」
    「引っかかったのそこかよ」
    「この部分は誤字……いや、当て字というやつか? 日下部、何と読むんだ」
    「俺にゴミみてぇなタイトル言わそうとすんな!! いいからさっさとセットしろ!!!」

  • 111◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:41:36

    モニター下に設置されたプレイヤーのディスクトレイに黒字にタイトルのみが印字されたディスクをセットする。
    機器の中に吸い込まれて間もなく、この作品はフィクションです、という注意アナウンスがモニターに表示された。と同時に、一瞬画面が乱れ、ぶわり、呪力が噴き出す。

    「! 日下部」
    「おう」

    ソファから腰を浮かし、日下部は愛刀の柄に手をかける。モニター側から這い出るよう部屋へ満ちる呪力は、妙に不快な湿度を伴い体に纏わりついた。やや警戒を強めたところで、キン、と耳鳴りがする。

    ――コウカン ダ ノゾム ナラ、アタエヨ ウ――

    姿なき嗄れ声。
    日車と顔を見合わせ、同時に頷く。画面へと向き直り、二人は次に備えた。

    ――が、冴えない顔の男優が風変わりな時計を手にガッツポーズを決めただけで、特に何も起こらない。
    物語はそのまま進み、やがて校舎を映し出した。次に画面が切り替わると、男優の衣装が股間部分だけを露出した全身黒タイツと顔布に変わる。
    その姿を見た二人の心中とシンクロした――わけでもないだろうが、部屋を浸食していた呪力がすっと引いた。

    「…………」
    「…………」
    「…………事案だな。色々と」
    「…………重ねて言っとくがフィクションだからな」
    「わかっている。とりあえず座ろうか」
    「……ソウデスネ……」

    どうやら竿役は透明人間かつ時間を止める能力がある、という設定らしい。意気揚々と学び舎に乗り込んだ男は欲望のままに異能を振るう。
    ソファに戻って腰を下ろした日車の眉間には、マリアナ海溝もかくやの縦皺が刻まれていた。

  • 121◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:47:25

    「……………………」
    「……………………」

    (き、気っまず――――――――っっっ!!!!!)

    再生開始からそろそろ一時間。日下部は胸中で絶叫していた。

    (えっマジで何これ何だこの状況!?!?!? 呪いはどうした呪いは!!! これだとガチでただのAV鑑賞会じゃねーか!!!! しかもこれ日車のAVデビューなんだよな? 初めてがこんなトンチキで良いのか!!!??? いや普通のAVで変にムスコが反応しても滅茶苦茶いたたまれねぇけども!!!!!)

    桃色の画面に対し興奮するどころか冷や汗をかくばかりな日下部は、ふと視線を感じた。
    日車が日下部の横顔を見つめ――……

    「オイこらお前今俺のナニを確認した」

    下がった視線の行き先を正しく理解した日下部は、顔は正面に向けたまま、こめかみを引き攣らせた。

    「いや、性癖は人それぞれなので感想を言う前に一応配慮をと」
    「配慮も感想もいらねぇよ」
    「これで性的に興奮をするのは俺には難しいようだ」
    「いらねぇって言っただろうが!!!!!」
    「しかしよくこんな設定を思いついたものだと感心はする。……そういえば五条の無量空」
    「待て待てこんなんでアイツを思い出してやるな!! 故人に失礼過ぎんだろうが!!!」
    「顔が映っている間は瞬きも我慢しなければならない演者は大変だな」
    「それは本当にそう!!!!!!」

    プツン。
    唐突に画面が暗転した。

  • 131◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:51:03

    「……終わったのか? エンドロールはなかったようだが」

    「気ぃ引き締めろ日車。これで見終わった、ってことなら何かしら起こるかもしれん。っちゅーか起こってくれ!!!! マジでこれをただのAV鑑賞会にするな!!!!!」

    「とりあえずディスクを取り出そう」


    ソファから立ち上がった日車が、プレイヤーの開閉ボタンをカチリと押す。

    瞬間、二人の視界が白で埋め尽くされた。


    ***


    呪いのAV1本目

    dice1d100=58


    日下部

    dice1d100=27

    日車

    dice1d100=46


    ※今回のみ他所で振ったダイス値使用

  • 141◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 03:53:35

    【一本目結果】

    呪いのAV①=【58】

    合計戦力=【73】 +15
    日下部 =【27】 -31
    日車  =【46】 -12

    個人スキル発動なし
    共闘ボーナス:精神汚染回復 7(端数切捨て)

    精神汚染度
    日下部=【24】
    日車 =【5】

  • 15二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 03:57:39

    このレスは削除されています

  • 161◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 04:05:14

    VS一本目(パスはOK18)


    日車-12

    Writeningwritening.net

    日下部-31

    Writeningwritening.net
  • 171◆t5cbBAr95b.r26/07/24(金) 04:14:43

    リンク一回ミスちゃった
    二本目からはリアルタイムでダイス振るよ☆

  • 18二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 05:43:04

    夜中?明け方?にスレが立ってまさかのスレ主の怒涛のSSが投げられているなんて誰も思わんぞ

    みんなおはよう!!篤寛だぞ!!!!
    スレ主ありがとう楽しみにしてるよ!!!!

  • 19二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 05:50:11

    しまった基本はモブ攻めでしたな、俺も寝ぼけてる
    どちらにせよ楽しみにしている!!!
    ちゃんと脳が覚醒したらじっくり読むぞ
    スレ画可愛いね!!!

  • 20二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 07:36:15

    日車の覚醒の切っ掛けは綺羅羅ちゃんの声かな
    -10以上だと触診状態、-30以上だと触りで達するまで到る感じか
    精神的疲労感が厄介そうだね

  • 21二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 08:46:26

    ETDのスレ主じゃない……だと……!?
    呪カテに神降臨しすぎだろ
    日下部も日車も格好良くて最高

  • 22二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 12:32:56

    昔は呼ばれることのなかった呼び名で覚醒するの良すぎる
    猥褻物連呼する日車が真面目すぎておもろいのにアクション格好良くて惚れてしまう

  • 23二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 12:35:56

    羞恥心でダメージ入るアツヤかわいそエロかわいい…
    2人の育ちの違いというか非術師呪術師の意識の違いみたいなのがすごく良いな

  • 24二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 12:42:52

    導入から面白すぎる
    カプとしても好きだけどクソ真面目な天才と面倒くさがりなのに面倒見がいい実力派のおっさんの会話大好き

  • 25二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 17:35:58

    >>9

    ここのやり取り狂おしいほど好き

    ?な日車かわいいしずっと振り回されてるアツヤ

  • 26二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 17:45:40

    >>1

    スレ画、二人のモチーフがめちゃ可愛いのにビビッドな色合いがそこはかとなく呪いのAVっぽさを醸し出していていいね

    あとAVを性行為映像制作物呼びする日車にかえってエロスを感じてしまうのは俺だけだろうか

  • 27二次元好きの匿名さん26/07/24(金) 21:58:13

    寝る前保守

  • 281◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 00:23:57

    「――ん?」
    「…………あぁ?」

    やや間の抜けた声が同時に室内に落ちる。
    声につられるよう互いの顔を見合わせた日下部と日車は、やはり同時に眉を顰めた。

    「――日車」
    「ああ。残穢があるな。だが……何が起こった?」
    「わからん。一瞬視界が白んで、呪力を感じて……それだけだな。最初の声の主とご対面かと思ったんだが」
    部屋を見回すも、呪霊の姿は見当たらない。勿論呪詛師の気配もない。
    視界が眩んだ前後での変化は、残穢がある、その一点だけだった。
    「呪符が無事なところを見るに、取り逃したっちゅーわけでもないだろうが……日車、なんか違和感とかは」
    「心身ともに特には。君は?」
    「同じく。つってもタイミング的にも気のせいでした、で済ませるわけにゃいかんだろ。噂が確かなら何がしか呪いを受けた可能性は高い。……クソ、一旦家入のとこ行くぞ」
    「わかった。とりあえずこれを元に――」

    日車の声が途切れた。飛び出したままのディスクトレイへと落とされたその目が、驚きに見開かれる。

  • 291◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 00:25:52

    「日下部!」
    「っ! どうした!」

    緊迫した声に、日下部は日車の元へと慌てて寄った。
    その鼻先に、ズイと取り出された円盤が突き付けられる。

    「猥褻物だ…………!!」
    「……………………」
    「鑑賞前はタイトルしか印刷されていなかったが、今は猥褻物が描かれている。おそらくこれが本来の盤面なのだろう」
    「……………………」
    「呪力も感じない……ひとまずこの一本にかかっていた呪いは解けたと見做してよさそうだな。もしや先の発光も祓除によって……?」
    「…………なあ、あのさ」
    「いや、しかし”最後まで観る”は祓うのではなく呪われる条件のはずだ。……噂がそもそも出鱈目だったのか、それとも全く別の要因か……」 
    「っだ――もう考えるなら俺の視界からコレどけてからにしてくれ! ネーチャンの裸はともかく変態野郎のイチモツは目が腐る!!」

    日車の腕を跳ね除けディスクを遠ざけた日下部は、「だいたい何で男優までのっけてんだよこれは」と唸った。

    「主役なのだから当然では?」
    「……お前の中でAVの主役は女じゃなくて男なの?」
    「最長露出時間から鑑みれば妥当かと」
    「明らかに妥当じゃねーんだわ」

  • 301◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 00:55:29

    ***

    「とりあえず異常なし、っちゅーことだったが。な~んか色々、腑に落ちねぇな」

    伊地知への報告と家入の診察を済ませ、二人は肩を並べて廊下を進む。「今のところ被呪の兆候は認められません。身体的にも、過労のみ……つまりいつものお二人ですね」とは家入の言だ。本来なら喜ぶべきことだが、どうにも今回は気味が悪い。盛大な溜め息をつく日下部に、日車もまた難しい顔で頷きを返した。

    「遅効性の呪いだと厄介だな。気が付いた時には手遅れになっている可能性がある。勿論考え過ぎということもあるし、今は最悪の想定もしつつ進める以外にはないのだが」
    「被害者の回復が確認できりゃあもう少し安心なんだけどな。まぁそれこそ時間差で目ぇ覚ますのはあるあるだし、様子見するしかねーんだけど」
    「そうだな。あと九本分、観終わるまでに何かしらの――」
    「? 日車?」
    「………………あと、九本か」

    暗い声でそう呟いた日車は、やってはいけないことチャレンジだとウキウキしていた数時間前から一転、早くも食傷しているようだった。まあ当然である。

    「確認だが、全部一日で見なきゃダメ、っつーわけじゃないよな?」
    「ああ……先程のものが約一時間か。全て同程度の長さとしても残り九時間……今が十五時だから、観れなくもないだろうが」
    「勘弁してくれ。途中で寝落ちするぞ俺は」
    「確かに。本丸と寝不足で当たるのは避けたいな」

    今日中に半分、明日の午前中に半分。
    そう予定を立てたところで、二人を呼び止める声が響いた。

  • 311◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 00:58:15

    「あ! 篤ちゃん寛ちゃん見~~~っけ!」
    「っっっ!!!」
    「おう、星か」
    「ねぇねぇこれあげる! 女子会の皆で作ったクッキーだよ~――って、どうしたの寛ちゃんお風呂に放り込まれたネコちゃんみたいな顔になってるんだけど」
    「ん、ああ、いや……すまない、少し驚いただけだ。それよりも良いのか? 俺たちよりも秤に渡した方が……」
    「気ぃ遣うな日車。どーせ失敗作か余りもんだ」
    「篤ちゃん言い方! 確かに金ちゃんには一番良くできたのを選り分けたけど!!」
    「ほらな。俺たちは残飯処理係だよ」
    「篤ちゃん言い方っっ!!!!!!!」
    「フフ、それなら遠慮なく頂こう。お礼はまた後日、必ず」
    「感想くれたらそれでいいよ~! あ、篤ちゃんはジュース奢ってね」
    「何でだよ!」

    可愛らしくラッピングされたクッキーを日車に手渡し、「じゃあ私この後任務だから」と星は踵を返す。しかし数歩進んだところで、日車が呼び止めた。

  • 321◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 00:59:45

    「――星!」
    「ん?」

    振り返った星へと、日車が「ありがとう」と改めて礼を告げる。

    「クッキーのことだけではなくて。いつも俺のような人間にも気さくに声をかけてくれて、本当に、感謝している。――今後もよろしく頼む」

    真摯なそのトーンに、星は勿論、日下部も目を丸くして隣を見た。
    二人の呆けた視線を受けてか、日車の目元にうっすら朱が走る。「いや、その……唐突ですまない」としどろもどろ続ける日車を、日下部も星もただただ、見つめるしかできなかった。
    ――我に返ったのは、星の方が早かった。
    「フフッ、どーいたしまして!」
    少しはにかんだ星の口から、喜びに弾む笑声が返る。

    「っていうかホンっト、寛ちゃんってば真面目すぎぃ!」

    またね、と大きく手を振り今度こそ駆けていった背を見送った後、日下部は再び隣を見降ろした。生真面目な同僚の顔は、未だほんのり赤味を帯びている。

    「その、俺自身よくわからないんだが……ちゃんと感謝を伝えたいと、伝えなければならないと、何故か切実に思ったんだ」
    「別に、そんな言い訳みたいに言わんでも」
    「言い訳のつもりでは……」

    居心地悪そうに身じろいだ日車に、日下部はふと思い出した。
    生き残ってしまった。宿儺戦の後、そう言って俯いていたかつての姿。

    「……良いことなんじゃあねーですか」

    言って、日車の背を軽く叩く。
    小さく上がった抗議の声を無視し、日下部は意図せず弛んだ自身の口元を悟られぬよう歩き出した。

  • 331◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 01:05:24

    ***


    「はぁ~~~~~~~、気ぃ重いけど続けるかぁ~~~~」

    「次はこの灰色のやつにしよう」


    部屋に戻るなりソファに沈み込んだ日下部に対し、またもや日車がケースを開ける。

    そしてやはり、盤面を認めると眉を顰めて静止した。


    「今度は何ですか。なんかお前一本目の時より顔怖いけど……あ」


    全♡員♡有♡罪♡ ♂濡れ濡れ淫語裁判♂


    「……俺は、法を見限りまた見限られた人間だ。そんな自分に憤る資格などないとわかってはいるが……」

    「いや怒って良い、怒って良いよお前は! むしろ怒れ! 溜め込むなそっちの方が怖いから!!」

    「…………笑えるな。腹立たしいものは腹立たしい」

    「ギルティ……」

    「うぉっ!!! 式神まで出てきたしかもガチ切れ顔!!!!」



    呪いのAV2本目

    dice1d100=3 (3)


    日下部

    dice1d100=65 (65)

    日車

    dice1d100=22 (22)

  • 34二次元好きの匿名さん26/07/25(土) 01:16:57

    日車怒りの猥褻物ガベルで粉砕事件
    ちょっと呪AVくん弱すぎませんこと?

  • 35二次元好きの匿名さん26/07/25(土) 01:31:27

    記憶は消えるけど魂が薄ら覚えてるって感じかな
    綺羅羅ちゃんとのやり取り癒された
    日下部はやっぱりよく見てるし大人だな~

  • 36二次元好きの匿名さん26/07/25(土) 10:11:34

    >>32

    綺羅羅ちゃんかわええ

    このやり取りキャラそれぞれの良さが出てて好き

  • 37二次元好きの匿名さん26/07/25(土) 15:49:22

    これは五条にも嘲笑われるほどの弱さ

  • 38二次元好きの匿名さん26/07/25(土) 23:18:04

    保守

  • 391◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 23:23:40

    ディスクを木っ端にしかねない日車を先に座らせ、今回は日下部がディスクトレイに円盤を載せた。
    前回同様フィクションです、という注意アナウンスの表示と共に呪力と嗄れ声が響く。
    いつでも動けるよう重心に注意はしつつ、しかし二人はソファに腰掛けたままでいた。案の定、不気味な呪力はすぐに形を潜めてしまう。
    裁判所を映すモニターに、剣と天秤を持った正義の女神が映りこんだ。タイトル通り、舞台は法廷らしい。

    「あれ、目隠ししてねぇのな」
    「テミス像には目隠しをしているものとしていないもの、二種類ある。どちらも現在は公正さの表れと見做されているが、していないものの方が歴史は古いな。自らの目で遍く見定める正義の女神には、本来目隠しは必要のないものだったから。――ところで日下部」
    「おう」
    「何故この検事は唐突に脱衣を?」
    「これがAVだからだよ」
    「被告人に対し尋問とは無関係に卑猥な言葉を浴びせているのだが」
    「日車、これはフィクションだ。深く考えるな、頭バカにしろ」
    「弁護人が被告人を弁護するどころか罵倒している………………ここは法廷ではなかったのか……?」
    「あ”――もうしっかりしろ日車! AV鑑賞でお通夜みたいな顔すんな!!!!」

  • 401◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 23:25:03

    果たして今回の作品は一時間では終わってくれなかった。二時間かけてようやく暗転した画面に、日下部の溜め息は長く重く澱んだ。日車の目は死んでいた。

    「…………あ――。その、日車。大丈夫か」
    「…………大丈夫だ。裁判官まで卑語を羅列しながら脱衣したあたりで世界観を理解することは放棄した」
    「納得じゃなくて諦めたんだな……っつーかそれもう終盤じゃん。頭バカにしろって言っただろうが」
    「断罪の場で、法曹界に身を置く人間が淫らな言動をもって被告人を幇助する展開には意表を突かれた。無罪……まさか無罪とはな。はは、タイトル詐欺も良いところだ。これが大どんでん返しというやつか……」
    「いやAVとしてはセオリー通りだよ。ハリウッドの大作サスペンス映画観たようなお前の感想には値しねぇよマジで」

    正しく司法の死んだ世界だった。
    そう呟いた日車が、項垂れたまま横目に日下部を――日下部の下腹部を見る。

    「顔面蒼白な人間の隣で元気になるわけねぇだろ。まあひとりで見てても絶対変わらんが」
    「……心配してはいなかった。一応だ」

    しおれた同僚の肩を叩き、日下部は立ち上がった。
    プレイヤーの開閉ボタンを押す。

    カチリ。

  • 411◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 23:26:47

    ★呪いのAV2本目 【3】

    ★合計戦力=【87】
     日下部 =【65】 +62 精神汚染度=【24】
     日車  =【22】 +19 精神汚染度=【5】

    ★個人スキル発動

    【日下部】 ★死んでも守るぞ!→日車の精神汚染31回復
    【日車】  ★有罪! 没収! 死刑!(数値割愛)

    ★共闘・完勝ボーナス:精神汚染回復 20

    精神汚染度
    日下部=【2】
    日車 =【0】

  • 421◆t5cbBAr95b.r26/07/25(土) 23:33:49

    ようやく2回目のダイス振れたのに本当に弱々で草☆ 草……
    今回はWriteningせず本スレに続き投下予定。明日投稿できるといいな……遅筆でごめーーーーーん☆
    煩悩スレに付き合ってくれるみんなありがとう! 心からの感謝を☆

  • 43二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 01:27:35

    >>40

    なんかもう……呪術師としての実力とか置いといても2人対応でよかったねって気持ちだ

    日下部も日車のメンタル気遣うことで安定してる感じ

  • 44二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 01:29:22

    >>42

    ぜんぜん遅筆じゃないと思う

    無理しないで楽しめる範囲で書いてください

    良SSをありがとうございます

  • 45二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 08:41:50

    >>40

    ショックを受けながらもアツヤのアツヤを確認する日車草

  • 46二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 08:43:57

    こわい

  • 47二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 13:49:13

    このレスは削除されています

  • 48二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 19:31:08

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 21:37:04

    このレスは削除されています

  • 501◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 21:43:37

    ***

    「――ここ、は……法廷?」
    「――――っ」

    眩んだ目が、徐々に視力を取り戻す。内装を認めた日下部が呟くと、隣で息を呑む気配があった。
    ハッとして視線を移せば、すぐ隣に青白い顔をした日車がいる。二人は一般的な証言台よりもかなり幅広の柵内に、揃って押し込められていた。

    「! 日車!」

    くら、と傾いだ同僚の腕を取って支えると同時、重々しく金属の擦れる音がした。両手首に手枷が嵌められ、そこから伸びた鎖が揺れている。
    右が日車の左手の枷と、左が証言台の柵へと固定されているのを認め、日下部は舌打ちをした。

    「日下部、すまない」
    「あ? ああ、大丈夫か。っちゅーか俺らは何でこんなところに」
    「……俺のせいだ。俺が、君まで巻き込んだ」

    日下部の手からそっと腕を取り返した日車が、俯き目を閉じる。
    悲壮なその面に、日下部は眉を顰めた。どういうことだ、そう口を開きかけた時――

    カン。

    聞き覚えのある打擲音が、前方で打ち鳴らされた。促されるまま正面を向く。
    法服に白い仮面をつけた不気味な人影が、法壇に座していた。

  • 511◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 21:45:38

    「静粛に。被告人等は日下部篤也、ならびに日車寛見で相違ないな」
    「ああ、俺は……」
    「ハッ、いきなり被告人呼ばわりたぁ随分だな」

    日車のどこか虚ろな声に被せるよう、日下部は声を張った。
    背後から無作法への戸惑いと非難の声が上がり、肩越しに見れば満席の傍聴席がある。
    見物人も皆、白い仮面をつけていた。

    「静粛に」

    カンカン。再び打擲音が響く。
    静けさを取り戻した法廷に、裁判官の厳かな声が落ちた。

    「――被告人らはそれぞれ、セクシー罪に問われている」

  • 52二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 21:47:07

    えぇ?!!!!?!??!!!

  • 531◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 21:52:57

    「…………なんて?」
    「セクシー罪だ」

    (せくしーざい……せくしーざい……せくしー????)

    日下部の脳内で宇宙を背景にした五条悟がしなを作った。
    日下部は頭を強く振って悍ましいイメージを追い出した。

    「二千十九年三月十日、日下部篤也はワイシャツの第二・第三・第四ボタンが悲鳴を上げているにもかかわらず、店先で上着を脱いで豊満な胸部を見せつけた。それも、布地が雨で肌に張り付き透けた状態でだ」
    「待て待て何だその意味わからん罪状はアホなのか?! 普通に雨に降られて雨宿りしただけだろうそれ!!!」
    「すまない日下部。あの時俺が唐突に君を巻き込んで『雨に唄えば』ごっこを始めなければ……」
    「あれお前もそっち側なの???!!!」
    「それに君のワイシャツのサイズにゆとりがなくなったのも、特盛パフェや深夜の大盛ラーメン等々爆食チャレンジをしては結局食べきれず君に残りを処理してもらっていた俺のせいだ…………」
    「いや確かに食ってたけども、偶にだろ! お前のせいじゃないしそもそもこんなクソ雑な言いがかりで深刻な顔すんな!!」

    「日車寛見については二千十九年十二月二十七日、公の場であるにもかかわらず淫靡な舞を披露。さらにソックスガーターを露出するという破廉恥を行いその場にいた青少年含む多数を惑わせた」
    「ああ……中年の踊りや足を晒して皆を不快にさせた罪は重い」
    「もしかして旅館貸し切りでやった忘年会の時の話してる??? 歌姫にやらされた日本舞踊と宝探しゲームで家入が仕込んだ悪ふざけだよな???」
    「断ろうと思えば断れた。受け入れ実行したのは俺の意志だ。つまり、俺の罪だ……俺が全て悪い」
    「自罰的にも程があるだろしっかりしろや!!!」

    「静粛に。検察官、冒頭陳述を」
    「では、被告人両名は服を脱いで下さい♡」
    「何でだよクソが!!!!! 日車お前も脱ごうとするな!!!!」

    様子のおかしい同僚を止めたい一心で、日下部は渾身の頭突きを日車へとぶちかました。

  • 541◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 21:57:25

    「証拠の提出です♡ 大人しく服を脱いで雄っぱいとソックスガーターを晒して下さい♡ そしてこれを読み上げて下さい♡」
    「はぁ?!!」
    「………………」

    仮面を付けた検察官がパチンと指を打ち鳴らすと、証言台の前に巨大なホワイトボードが現れた。
    白い板面にはびっしりと文字が綴られている。最初の一文を視認した瞬間、日車に一撃を与えた時よりも激しい頭痛が日下部を襲った。

    (絶っっ対に、言いたくねぇ…………っっ!!!!)

    「マジで!!!! 何なんだよこの頭の悪ぃ文章は!!!!」
    「…………先程まで観ていた性行為映像制作物内の台詞だな」
    「日車!? お前正気に――」

    「静粛に」

    カン、カン、カン。
    打擲音と共に、法廷の空気が変わった。裁判官の仮面がゆっくり白から赤へと変わる。

    「度重なる暴言並びに反抗的態度。被告人等は猛省すべきである」

    法服の裾を揺らし立ち上がった裁判官が片手を上げると、警報が鳴り響いた。
    天井の白色灯が点滅し、消える。
    一瞬の暗転――次いで部屋を染めたのは真っ赤な照明で、日下部へと警棒を振り下ろす検察官の白い仮面を禍々しく彩っていた。

  • 551◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 22:01:46

    「とんだ法廷があったもんだ、な!」

    目前に迫っていた検察官に上段蹴りを見舞うと、その体はホワイトボードを巻き込んで吹っ飛んだ。甲高い悲鳴に交じり、すぐ隣で鈍い破壊音が上がる。日車が証言台の柵の一部を蹴り壊し、自由になった右腕を振りぬいていた。手枷にぶら下がったままの鎖が唸り、やはり掴みかかろうと迫っていた弁護人の横っ面を捉えてなぎ倒す。

    「日下部、手枷のせいか呪力が上手く練れない。鎖を断つのは難しそうだ」
    「動けりゃじゅーぶん!」
    「取り押さえろ! トリオサエ ロ!!!」

    裁判官の声を合図に傍聴人たちも二人へ向かって押し寄せる。
    力任せに腕を振り上げ柵の一本を固定箇所からへし折った日下部は、そのまま背後へと廻し蹴りを繰り出した。身を屈めながら日下部と位置を入れ替えた日車もまた、足払いで敵を捌く。

    「キリがねぇな。日車、本丸狙うぞ」
    「擒賊擒王か。了解した」

    肩越しに赤い仮面の裁判官を確認した二人は、傍聴人たちをいなして躱し、半壊の証言台を飛び越え駆ける。そのまま書記官席を足場に跳躍し、法壇の裁判官へとひと息に迫った。
    慌てて身を翻した裁判官が、奥の扉へと駆け込もうとする。

    「逃がすかよ!!」
    「観念しろ」

    裁判官席をさらに蹴って肉薄する。
    日下部は右手で、日車は左手で、逃げる頭部を同時に捉えた。じゃらり、二人の間で鎖が揺れる。
    勢いそのまま自重と共に床へと叩きつければ、鈍く軋む音と同時――

    パキン。

    顔面から地にめり込んだ裁判官の仮面が、砕け散った。

  • 561◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 22:03:51

    ***

    「――ん?」
    「…………あぁ?」

    やや間の抜けた声が同時に室内へ落ちる。
    声につられるよう互いの顔を見合わせた日下部と日車は、既視感に眉を顰めた。

    残穢がある。呪霊や呪詛師の姿はない。
    飛び出したままのディスクトレイには一糸纏わぬ女体の描かれた盤面。
    一本目と違うとすれば、日下部と日車の位置が違うこと。そして――

    「…………今日もソックスガーターつけてんの?」
    「君こそシャツのボタンが悲鳴を上げているのか」

    奇妙な法廷の記憶があった。

  • 571◆t5cbBAr95b.r26/07/26(日) 22:16:10

    今日はここまで☆
    AV君が勝ってたら法廷ストリップショーと叡智な言葉を言わされていやいや♡する二人を考えてたけど弱々だったので軌道修正したよ☆
    無念……

  • 58二次元好きの匿名さん26/07/26(日) 22:23:00

    日本舞踏とソックスガーターは本当にあったことなんですか?
    そのエピソードだけで救われる命があります

  • 59二次元好きの匿名さん26/07/27(月) 00:19:24

    >>57

    それを考えだけで終わらすのは惜しいので是非披露してほしい。writingで書いてくれ、必要だろ

  • 60二次元好きの匿名さん26/07/27(月) 07:20:28

    朝保守

  • 61二次元好きの匿名さん26/07/27(月) 14:06:01

    なんだかんだ言いながらごっこ遊びやギルティ飯チャレンジに付き合ってくれるアツヤは優しいね

  • 62二次元好きの匿名さん26/07/27(月) 21:07:32

    ほしゅ

  • 631◆t5cbBAr95b.r26/07/28(火) 04:14:18

    ソックスガーター車さんは本編AV君たちの頑張り次第でいけるとして、日本舞踊車さんは入れられなさそうだったので閑話休題Writeningしたよ☆

    叡智描写はないのでパスなしだよ☆


    閑話休題~忘年会~ | Writening「庵の舞は、実に素晴らしかった」 発端は、日車のその一言だった。 強引にねじ込まれた忘年会。旅館を貸し切り、途中参加と途中退場ありきで東京・京都両校のメンバーを可能な限り集めたささやかな慰労の日…writening.net
  • 64二次元好きの匿名さん26/07/28(火) 07:03:46

    舞と篤寛描写ありがたすぎる…
    歌姫先生ナイス…!!!
    これは青少年を惑わすセクシー罪ですわ

  • 65二次元好きの匿名さん26/07/28(火) 14:06:14

    歌姫先生が教えてくれたとはいえすぐに踊れるようになるの凄いなさすが天才
    日車の所作から滲み出る色気良いよね…

  • 66二次元好きの匿名さん26/07/28(火) 21:32:30

    その場に居合わせたかった…!

  • 67二次元好きの匿名さん26/07/28(火) 22:55:36

    ひぇ〜!!スレ主ありがとう!!!
    解像度を上げるために日本舞踊の端唄動画見てきたぜ!!これを日車が舞ったのはそら空気変わるぜ…これを45分で習得しとくのはさすが天才
    アツヤもそれは本当に雰囲気に呑まれたのか?おっ?
    綺羅羅録画してるよね!?俺にもくれ!!

  • 681◆t5cbBAr95b.r26/07/29(水) 00:59:57

    舞踊車さんでスレ主が参考にしたのは新舞踊のべらんめぇおんな傘と端唄の梅にも春だよ☆
    よかったら叡智な和装元弁護士を映像補完してね☆

  • 691◆t5cbBAr95b.r26/07/29(水) 01:03:52

    ダイス君三本目どうする? dice2d2=2 2 (4)


    1)玩具 2)緊縛

    1)連続 2)焦らし

  • 70二次元好きの匿名さん26/07/29(水) 01:26:31

    なんかしっとりじっとりSMな予感
    日車の適性が光りそう
    がんばれ三本目くん!!!

  • 71二次元好きの匿名さん26/07/29(水) 10:28:16

    >>68

    スレ主〜!参考動画見てきたよ!!!

    脳内補完完璧だったぜ…おんな傘が意外とアップテンポで驚いたし、動画によっては片腕だしているものもあってとても素敵だった!それと梅にも春が更に良かった!日本舞踊の美しさも相まって扇子を咥えて井戸から水を汲む所作があったのが日車さんがしていた所作かな?と思いながら見てしまった

    なぜ俺はその忘年会に参加できなかったんだ…

  • 72二次元好きの匿名さん26/07/29(水) 10:30:03

    頼むぞ三本目!アツヤのワガママボディが緊縛される様を見たいんだ…!

  • 73二次元好きの匿名さん26/07/29(水) 11:54:12

    70来てくれ!!!!!お願いだから!!!!!

  • 74二次元好きの匿名さん26/07/29(水) 18:18:28

    緊縛に強くても弱くてもおいしい

  • 751◆t5cbBAr95b.r26/07/30(木) 00:43:59

     
    ***

    「デコは無事だし、アッチの俺は刀を持ってなかった。っちゅーことは、幻覚か? いや、にしては……」
    「時間感覚に差があり過ぎるな。幻覚を見せるにしても、領域とセットだろう」
    「だな。領域から出られたのはあの裁判官をぶん殴ったせいかね」
    「タイミング的にもそうだと思うが……それよりも、引っかかることがある」
    「なんで今回は記憶があって、前回はないのか?」
    「ああ。一本目の時にも残穢はあった。術式が発動しなかったというわけではないはずだ」
    「不発だったとかねーかな……まぁとりあえず」
    「家入のところか」
    「家入のところだ」

    二人は本日二度目の医務室へと向かった。

  • 761◆t5cbBAr95b.r26/07/30(木) 00:45:23

     
    ***

    「今回も、前回と同じです。特に異常はありません」

    家入がペン先で軽くカルテを打った。
    しかしながら、と続けるその表情はやや険しい。

    「お二人の話を聞く限り、前回も領域内に引きずり込まれたと見るべきでしょうね」
    「記憶がないことについてはどう思う、家入」

    日車の問いに、家入は少し考えてから、「パッと思いつく理由は、三つ」と答えた。
    日下部と日車、二人の顔を順に見てから、その細い人差し指を立てる。

    「一つ目。発動はしたものの、不完全に終わったか一瞬で破綻した。つまり本当に何もなかった、という可能性」
    「それが一番面倒がなくて良いんだけどよ」
    「まぁバカしか信じない希望的観測ですね」
    「おい」

    抗議の声を上げた日下部を無視し、二つ目、と家入は中指を追加で立てて続ける。

    「記憶を保持する条件がある。視聴時に、というよりも、領域内での条件と考える方が妥当でしょう。ですが……」
    「前回の記憶がない以上、確かめようがないな」
    「ええ。ですが記憶の有無はともかく、お二人とも他の被呪者のような昏睡状態には陥っていません。領域から抜け出す条件と記憶を保持する条件とは別だと考えていいと思います。――で、最後ですが」

    ピ、と親指を加え三を示した家入の口から、解離性健忘、という言葉が出た。

  • 771◆t5cbBAr95b.r26/07/30(木) 00:46:29

    「解離性健忘……何がしかの心的外傷を体験した、と?」
    「お二人が見ていたのはアダルトビデオでしょう。領域がそれに準ずるなら、疑似的な性暴力を受けていたとしても不思議ではありません。それが原因で解離性健忘――限局性健忘を発症したという可能性は十分あるかと」
    「うげぇ、想像したくねぇ~~~」
    「あくまで現時点で思いつく可能性の一つです。――この後も続けるんですか」
    「そうだな、半分……残り三本は今日中に視聴する予定だ」
    「何だ、代わってくれんのか家入」
    「おい日下部」
    「三連休と大吟醸五本に加えて日下部さんが私の代わりを務めてくれるなら喜んで」
    「絶対無理なやつじゃん……」

    肩を落として溜め息をついた日下部に、冗談はともかく、と家入は続けた。
    唇の両端をキュウと吊り上げ、しかし隈の色濃い目元は少しも弧を描かずに。

    「続けるつもりなら今日は次の一本で最後にして下さい。視聴の都度診察をするのが誰なのか、お忘れじゃあないですよね?」

    日下部と日車は揃って、次で最後にします、と誓いを立てた。

  • 781◆t5cbBAr95b.r26/07/30(木) 00:49:07

     
    ***

    「では、本日最後の一本といこうか」
    「はぁ~~~。内容もだけど、何分あんのかわかんねぇのがなぁ」

    せめて一時間は越えてくれるなよ、と言いながら、今度は日下部がローテーブルに鎮座する呪いの一本を手に取った。
    ちなみに先に見た二本――ディスクの盤面と合わせてジャケットも刺激的な画像と煽り文句を取り戻した――は既に段ボールの中へと収納済みだ。

    (時間停止透明人間に隠語裁判……次は普通のAVであってくれ……)

    祈るような気持ちで蓋を開ける。

    君の縄

    日下部はケースを閉じた。

    「日下部?」
    「駄目だ。これは後にする」
    「君の地雷性癖だったか? どうせ全部観なければならないんだ、後回しにしても同じだぞ」
    「それでも!! 尖りまくった性癖三連チャンよりはマシだろうが…………っ!!!!」
    「どれも大同小異だろう」
    「AVに偏見ついちまってんじゃん!!!!」

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