「童貞は信用できる」な女子多数!童貞が価値になる現代の素晴らしさ

若者のセックス離れ?ほっとけや

恋愛やセックスは個人の自由

今回、現代ビジネスから「日本の男性の童貞率が上昇している件について書いてほしい」と依頼をもらった。

そこで添付のデータを見ると「18歳から39歳の女性のうち、性交渉経験を持たない人の割合は1992年の21.7%から、2015年には24.6%に上昇した。同期間の同じ年齢層の男性の童貞率も、20%から25.8%に上昇していた」とあった。

言うほど増えてへんやん。

これが第一印象である。23年前と比べて、女性の処女率は2.9%上昇、男性の童貞率は5.8%上昇。たしかに増えてはいるが、べつに驚くほど増えてはいない。

それに、この手の調査は質問が曖昧だ。「陰茎を膣内に挿入したことはありますか?」ならわかりやすいが、「性交渉の経験はありますか?」の性交渉とは、どこまでを指すのか。

「陰茎をハイヒールで踏まれたことはある」「交際相手と全裸で相撲をとったことはある」等は性交渉に含まれるのか? そういう曖昧さも考慮して、この手のデータは冷静に見るべきだろう。

一方、メディアは「若者のセックス離れ!えらいこっちゃ~!!」と騒ぎがちだが、それは「単に騒ぎたいから」というウェイ目的が多い。

恋愛もセックスも個人の勝手〔PHOTO〕iStrock

私は「なぜ若者はセックスしないのか?」と言われても「ほっとけや」という感想しかない。恋愛やセックスは個人の自由であり、他人が口出しすることじゃないからだ。

「えらいこっちゃ」と騒いだり「いかがなものか」と嘆いたりするのは、「若者は恋愛やセックスをするのが自然(そうじゃないのは不自然)」という価値観があるからだろう。この多様性の時代に、その古ぼけた価値観こそ「いかがなものか」と言いたい。

少子化と結びつけたがる勢力もいるが、世界一セックス回数が多いギリシャでも少子化は進んでいる。

-AD-

少子化の原因は経済や雇用の問題、子育て環境の不整備などにあり、若者がセックスしないからじゃない。政治や社会の問題なのに、若者に責任をなすりつけるなと言いたい。 

「最近の若者は車に興味がない」と言われるが、興味がないんじゃなく、金がないのだ。同様に非正規雇用でカツカツとか、長時間労働でボロボロだと、恋愛やセックスをする余裕もなくなる。明日食う米がない時に「よーし、恋人を作るぞ!」なんて思わないだろう。

若者のセックス離れを嘆くヒマがあったら、貧困問題に注目しろと言いたい。

以上、言いたいことを言ったらスッキリしたので、童貞について書こうと思う。本音は「ほっとけや」だが、それだとボツになるので、私が若者と接して感じるところを書きたい。

「性経験が多い男の方が上」だって!?

私が接しているのは、とりあえず明日の米の不安はない若者たちだ。彼ら彼女らと話していると「恋愛やセックスに興味がないわけじゃない。でも他にもっと興味のあることがあって、そっちにリソースを割きたい」という声が多い。

先日、若いお嬢さん方と縁結びで有名な神社に行った時も、彼女らは「とうらぶ(ゲーム『刀剣乱舞』)のチケットが当たりますように」と祈願していた。

恋愛やセックス以外に楽しいことがいっぱいあって、毎日忙しいし充実している。いつか結婚して家族はほしいけど、婚活とかダリぃな、というのが男女共通の意見のようだ。

-AD-

私は1976年生まれの43歳、都会出身で都会の大学に進学したが、その時に「地方出身の男女はおさかんやな」とびっくりした。

「中二の時に神社で先輩と初体験した」とかヤンキー界の話だと思っていたが、進学校出身でホットロードを爆走してない同級生らが「ド田舎で他にやることなかったから」と話していた。

「テレビもねえ!ラジオもねえ!」までいかなくても、「アマゾンもねえ!ネトフリもねえ!ソシャゲも全然流行ってねえ!」みたいな状況だと「神社でセックスしかやることねえ!」となるのかもしれない。その点、今は家から一歩も出なくても楽しめる時代だ。

「最近の若者は草食系で情けない、俺が若い頃は…」と武勇伝を語るおじさんがいるが、彼らの若い頃はコンテンツが少なかった。かつ「恋愛やセックスをせざるは人にあらず」という恋愛セックス至上主義が根強かったと思う。

20代の頃、私のいた広告業界では、武勇伝おじさんがヤリチン自慢や童貞イジリを繰り広げていた。「性経験が多い方が男として上」という価値観は、男社会が勝手に作り上げたものである。

25~34歳の女子たちにヒアリングしたところ、「男子から童貞だと言われたらどう思う?」という質問に「ふーん、そうなんだと思う」「べつに何も気にならない」という答えだった。また「童貞とヤリチン、どっちと付き合う?」という質問には、満場一致で「絶対童貞」と答えていた。

「童貞の方が真面目で信用できる」、「ヤリチンは女を食いものにするクズ」「性病をばらまく細菌兵器」というのが彼女らの意見だ。また「草食系男子やジェンダーレス男子が増えることで、世の中が安全になると思う」という言葉が印象的だった。

「童貞・処女イジリ」がない素晴らしさ

街中でナンパした女性をレイプしていた複数人のメンバーが逮捕された「リアルナンパアカデミー」の事件に関する記事によると「塾生たちはナンパした相手との性交回数をLINEグループで共有し、競い合っていた」そうだ。

加害者らは女性とセックスすることよりも、仲間から称賛を集めること、男同士の勝負に勝つことが目的になっていたという。それが女性への性暴力につながったわけで、「性経験が多い方が男として上」という価値観は危険で有害だと言える。

-AD-

その手のヤリチン、及びヤリチンに憧れる男たちの危険性や加害性が可視化されたことで、童貞を「真面目で信用できる」とポジティブにとらえる女性が増えたのかもしれない。

古(いにしえ)より「ちょっと危険な男の方がモテる説」があり、「ちょいワル親父になってモテよう」と唱える中高年向け男性誌もあるが、それは昭和の発想である(実際「ちょいワルジジになろう」と指南する記事は「老害のお手本」として景気よく燃えていた)。

「ちょいワル」は支持を集めにくくなってるかも…〔PHOTO〕iStock

令和を生きる女子は真面目な男子を求めているし、私が接する若者は男女共に真面目である。

私が20代の頃は「若いうちに遊んでおけ」と言われたが、今の20代は「早く結婚して落ち着きたい」と言う。安野モヨコの漫画『ハッピー・マニア』やアメリカのドラマ『SATC(セックス・アンド・ザ・シティ)』を見た若者から「この主人公は一体何がしたいんですか?」と真顔で聞かれることもある。

-AD-

大学の教員の友人たちも「東大の集団強姦事件とか本当に許せないけど」と前置きしつつ、「私が教えてる学生たちは真面目で穏やかで、ガツガツしてる子はほとんどいない」「恋人がいないからって馬鹿にされたりしないし、童貞や処女イジリもされない。みんな男女の垣根なく仲良しで、友達付き合いしてるよ」と語る。

私もそんな時代に生まれたかった。大学時代の私は非モテ差別やブスイジリを受けていた。「イヤなら綺麗になってモテる努力をしろ」と抜かす輩もいるが、どう考えても差別する方が間違っている。そんなのは、いじめられっ子に「いじめられないよう努力しろ」と言うのと同じだろう。

童貞イジリも差別であり、「愛のあるイジリ」なんて言い訳は通用しない。童貞を揶揄する側は「童貞=セックスしたくてもできない恋愛弱者」とレッテル貼りするが、それは「男はみんなセックスしたいはず」というジェンダーバイアスである。

「男はみんなセックスしたい」「性欲があるからしかたない」とセクハラや性犯罪を擁護する者がいるが、「人は食欲があるから、食い逃げしてもしかたない」とは言わないし、「みんな金が欲しいから、強盗や詐欺をしちゃうよね」と擁護したりもしない。

人には欲望があるが、モラルや良心もあるのだ。幸い、私が接しているのはモラルや良心のある男性たちである。

-AD-

「男がリーダーで女がサブ」みたいな文化もない

彼らの中には選択的童貞も存在する。もともと私の読者だった20代男子は「初体験は好きな人としたい」と話していた。周りのおじさんから「さっさと風俗で童貞を捨てて、男になれ」と言われるそうだが「初対面の知らない女性とセックスなんてできないし、したくもないです」とのこと。

別の20代男子は「好きな女の子がいて、1年以上片思いしてます」と話していた。過去に女友達からアプローチされて、飲み会の帰りに部屋に誘われたそうだが、断って帰ったという。

「『やるだけやればよかったのに』と言う男友達もいたけど、相手を傷つけたくないし、無責任なことはしたくないから」とのこと。

「据え膳食わぬは男の恥」という言葉があるが、相手はお膳ではなく人間である。心を持った人間を傷つけたくないと思うのは、良心がある証拠だろう。

「女を何人食った」「○○人斬り」とイキるヤリチンは、女を性的対象物、獲物としか見ていない。心ある童貞の彼らはそんなヤリチンに憧れないし、「ただのクズじゃないですか」とバッサリ斬り捨てる。

男同士の勝負に勝ちたければ、ラッコ鍋(アニメ『ゴールデンカムイ』に登場する鍋、フェロモン濃度を高める)を食って全裸で相撲をとればいい。が、イキりヤリチンは男社会で認められるために女を利用する。

ナンパ師の書いた指南書には「ナンパして女を落とすことで、男として成長した」とあったが、己の成長のために他人を利用・搾取する人間はただの自己中クソ野郎だ。

大学で教員をする友人たちは「今の学生は『男のくせに』『女だから』みたいな思考は本当に薄くなってる。男同士でカフェのスイーツバイキングとか行ってるよ」「女子の方が成績が良くても気にしないし、『男がリーダーで女がサブ』みたいな文化もない。そもそもみんな競争心とか薄いしね」と語る。

男女平等意識の高い世代は、対等に尊重し合える関係を望んでいる。周りの若い女子たちは「ヤリチンはオラオラで俺様でウザい」と声をそろえて、時代の変化を感じさせる。

そんな彼女らに「私が大学生の時は『やらはた』って言葉があったのよ」と話したら、ポカンとされた。これは休閑期をもうける農業の手法ではなく、「やらずにハタチを越えるのは恥(セックスしなきゃ一人前じゃない)」という意味である。

やらはた的文化が滅びつつあることで、若年層の童貞・処女率が上昇した部分はあるかもしれない。「性経験の数で人の価値は決まらない」という方向にアップデートしているのは、頼もしいことだ。

-AD-

なんでセックスしないのって? ほっとけや!

一方、アップデートできない人々もいる。私が20代の時に40代だった武勇伝おじさんは、今では60代の武勇伝おじいさんになっている。そして「最近の若者は草食系で情けない」とぶっ壊れたレディオのようにリピートしている。

彼らは「男には狩猟本能があるから云々」と言うが、だったら狩猟免許を取って狩りに出かけろよという話だ。

アップデートできない老レディオに「このまま童貞が増えたら日本は滅びる」とか言われたら「まずはお前が滅びろ」と返すもよし、「バルス!」と唱えてメガネを尻で踏みつぶすもよし。

立場的にそれができない場面でも、笑顔で話を合わせる必要はない。そんな時は鼻をほじって、鼻くそをしげしげ見つめて、ぱくっと食べてみよう。そうすれば「お前の話は鼻くそ以下やぞ」とアピールできる。

そこで「鼻くそを食べるのが流行ってるのかな?タピオカみたいに」と勘違いする老レディオもいるだろう。その場合は「そういう話、うちの90歳の祖父もよくしてます!その祖父が危篤なので、帰りますね」と席を立とう。

会話するかどうかを選ぶ決定権は自分にある。恋愛やセックスや結婚や出産をするかどうかも同じだ。

「なぜ○○しないのか」と言われたら「ほっとけや」と鼻をほじって、呪いをはね返してほしいと思う。

\現代ビジネスの記事を見つけやすく/
Google検索で優先表示

おすすめ記事

notification icon
現代ビジネスの最新ニュース通知を受け取りますか?