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日奈久断層帯が活動か 道路や高架橋に複数か所食い違い

(更新)
令和8年熊本地震

熊本県で発生した最大震度7の大地震では、震源周辺の宇城市や震源の南にある八代市などの各地で道路や高架橋などの被害が確認されています。専門家は10年前の熊本地震の「前震」を起こしたとされる日奈久断層帯に沿うように被害が出ているうえ、いずれも亀裂を境に路面が食い違っていることから、この断層帯が大地震を引き起こしたとみられると指摘しています。

2016年の前震 日奈久断層帯の北区間ずれ動いたか

28日に発生したマグニチュード7.1の地震の震源近くには、活断層の1つで熊本県益城町から八代海南部にかけて南北にのびる、およそ80キロの日奈久断層帯が存在しています。

政府の地震調査委員会は、過去の断層の活動時期などから断層帯は3つの区間に分かれると推定していて、2016年の熊本地震の「前震」はこのうち北の区間がずれ動いたとされています。

28日の地震 亀裂を境に“食い違い”確認

活断層に詳しい、産業技術総合研究所活断層・火山研究部門の吉見雅行主任研究員は、今回の地震で熊本県の各地で撮影された道路や高架橋などの被害の映像を分析しました。

このうち、震源の南側の八代市にある八代ジャンクション付近では高架の高速道路の路面がずれ、橋脚の周辺にある田畑も筋状の亀裂を境に食い違っていることが確認できます。

日奈久断層帯の一部 ずれ動き大地震発生か

吉見主任研究員によりますと、こうした食い違いや亀裂は八代市だけでなく震源周辺の宇城市など日奈久断層帯に沿うように各地で確認されていることから、吉見主任研究員は、今回の大地震は地下の日奈久断層帯の一部がずれ動いたことで引き起こされたとみられると指摘しています。

そのうえで、場所によっては断層が地上にも現れてずれが生じ、道路などに被害が出ている可能性があるとしています。

吉見主任研究員は「活断層がひとたび動くと大きな被害が生じる。ほかの地域でも近くに活断層がある場合には改めて備えを見直してもらいたい」と話しています。


「日奈久断層帯」割れ残り動いたか

今回の大地震について地殻変動に詳しい専門家は、10年前の熊本地震のあと地殻変動が続き「日奈久断層帯」の一部の区間を動かしやすくする力が働き続けていたことが大きく影響していると指摘しています。

10年前 北側の「高野ー白旗区間」ずれ動いたか

地震のメカニズムや地殻変動に詳しい、京都大学防災研究所の西村卓也教授は、「日奈久断層帯」周辺の地殻変動の分析を継続してきました。

日奈久断層帯は3つの区間に分けられていて、10年前の熊本地震のうち4月14日の「前震」は北側の「高野ー白旗区間」がずれ動いたとされ、南側の「日奈久区間」と「八代海区間」はずれ動かず、いわゆる「割れ残り」の状態と考えられていました。

余効変動から10年前の地震の影響分析

西村教授は、大規模な地震のあとに発生する「余効変動」と呼ばれるゆっくりとした地殻変動に注目し、10年前の熊本地震が与えた影響を分析してきました。

日奈久断層帯の周辺では、熊本地震から1年でおおむね南向きに最大で5センチ程度の変動がみられ、その後も小さくなりながらも継続していたということです。

また、おととし8月に日向灘で発生したマグニチュード7クラスの大地震の影響で、一時変動が大きくなる状況も確認されました。

日奈久断層帯は横にずれ動いて地震が起きる特徴があり、西村教授はこうしたおおむね南向きの地殻変動が、割れ残りの区間を動かしやすくする力が働き続けていると、これまでも警鐘を鳴らしてきました。

“日奈久区間を中心にずれ動いたか しばらく注意”

西村教授は「日奈久断層帯の『日奈久区間』を中心にずれ動き、地震が起きたとみられ、危惧していたことが起きた」と述べたうえで、最も南の「八代海区間」は割れ残っている可能性が高いとして「地震が起きやすくなる状況は続くおそれがある。しばらくは強い揺れを伴う地震に注意する必要がある」と呼びかけています。


現地調査の専門家“日奈久断層帯沿いで地表のずれ確認”

活断層に詳しい、広島大学の熊原康博教授などの研究チームは、今回の地震を受けて熊本県御船町周辺で調査を行いました。

29日は「日奈久断層帯」沿いに、およそ400メートルにわたって調査を行いましたが、企業の駐車場でアスファルトの継ぎ目がおよそ20センチ右にずれ、地面が盛り上がっているのが確認できたほか、道路の亀裂がおよそ25メートルにわたって続いている状況も確認できました。

これらは、10年前の熊本地震では亀裂や段差が確認されておらず「日奈久断層帯」のほぼ真上に当たるということで、研究チームは、今回の地震は「日奈久断層帯」の一部がずれ動いた可能性が高いとみています。

その一方、10年前の地震で、すでにずれが確認できていた場所でさらに拡大したところもあったということで、研究チームはさらに調査を進める方針です。

熊原教授は「ここは日奈久断層帯の北側の境界に当たるところで、今回ずれ動いた南端や、ずれ動いた量を明らかにしていきたい」と述べたうえで「同じところで断層がずれるというのは初めての経験で驚いている。10年前もあったように、もしかすると、さらに大きな揺れが起こる可能性もある。基本的に大きなずれは活断層に沿って起きるので改めて確認し備えてほしい」と話していました。

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