地震のあと爆発があった熊本県嘉島町のショッピングセンター「イオンモール熊本」では今も複数の人が建物内に取り残されているとみられ、警察や消防が救助活動を続けています。捜索は、被害の大きい建物の南側中央部分を中心に夜通しで行われる予定だということです。
嘉島町にあるショッピングセンター、イオンモール熊本では今回の地震のおよそ1時間半後に大きな爆発が起き、2階部分が崩落しました。
県によりますと、これまでに10人が救助されましたが、3人が死亡、1人が心肺停止だということです。また、5人がけがをしていて、1人については詳しい状態は分かっていないとしています。
嘉島町を管轄する消防によりますと、このショッピングセンターは3階建てで、1階と2階が店舗部分、3階が駐車場となっていて、建物の南側の中央部分が特に激しく壊れているということです。
建物内には今も複数の人が取り残されているとみられるということで、警察や消防が救助活動を続けています。捜索は、被害の大きい建物の南側中央部分を中心に夜通しで行われる予定だということです。
【動画】イオンモール熊本の内部映像を公開 警察庁
警察庁は、イオンモール熊本の内部で撮影した映像を29日、公開しました。29日午前8時半ごろ、要救助者の捜索のため調査を実施した際に撮影され、1分ほどの長さで大破した建物の中の状況が写されています。
いたるところで柱が倒れ、店舗が入っていたとみられる区画も壁が崩れたりして、大量の破片が床一面に散乱しています。天井も大きく壊れ、骨組みや配線とみられるものが垂れ下がっている様子が確認できます。
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【動画】イオンモール熊本の内部映像を公開 熊本県警
熊本県警察本部は、イオンモール熊本の内部で撮影した映像を29日、公開しました。29日午前中に要救助者の捜索を実施した際に撮影されたもので、長さは2分ほどあり、大破した建物の中の状況が写されています。
建物の1階部分は店舗や通路などが形をとどめている一方、大量の破片やがれきが床一面に散乱しているほか、2階や天井から骨組みのようなものなどが垂れ下がっています。また、2階部分でも天井や壁が崩れて大量の破片やがれきが床一面を覆っていて、衣料品を販売していたとみられる店舗では複数のマネキンが倒れていました。
専門家「LPガスに着火した可能性」
イオンモール熊本で地震のあとに起きた爆発について、専門家はLPガスが配管の損傷などで漏れ何らかの理由で着火した可能性を指摘しています。
九州大学サステナブル水素研究所の横本克巳特任教授は、今回の爆発についてLPガスが関係した可能性があるとしています。
横本特任教授によりますと、現場の映像などから、LPガスが建物の外にある供給タンクから地下の配管を通って建物の中に送られていたとみられるということで「1階から2階、それに屋上に向かってガスが移動するようになっていた。地震の影響で配管が損傷するなどしてガスが漏れたのではないか」としています。
横本特任教授は、建物の2階の損傷が激しいことに着目し「LPガスは空気中の濃度が2%から9%ほどで爆発燃焼を起こすが、爆発の規模や被害状況からみても2階のどこかに高濃度のガスがたまり、それに何らかの要因で着火して爆発したと思われる」と指摘しています。
そのうえで「ガスの配管は耐震化がされているほか、一定の地震を感知したら自動で供給を停止する機能もある。そうした防止機能が適切に作動したのかなども今後の検証の1つになると思う」と話していました。
現場の状況は
爆発による建物の被害も明らかになってきました。
建物は一部の外壁がはがれ落ちて、骨組みがむき出しになっています。
数十メートルほど離れた道路では、ガードレールが大きく折れ曲がり、外壁とみられる白いがれきが道路一面に散乱しています。
道路には爆発が起きた時に走っていたとみられるトラックと乗用車が止まっていて、側面は大きくへこんでいます。
近くに住む70代の女性は「災害時に避難場所になるような施設がこんなことになるとは思わなかった」と話していました。
イオンモール熊本の駐車場で爆発の直後とみられる28日午後5時50分ごろに撮影された写真です。
建物の内部は天井が崩れ落ちていて、1階部分が埋もれています。また、外壁も大きく崩れ、駐車場の辺り一面に灰色のがれきが散乱しています。敷地のそばの電線には、爆発の風で飛ばされた建物の一部とみられるものが絡まっています。
写真を撮影したのはタクシー会社の運転手で、建物のすぐ近くに車をとめるとまもなく爆発が起き、舞い上がった粉じんが落ち着いてから撮影したということです。
運転手は「車を止めて車内にいたところ『ボン』という音ともにフロントガラスに向かって粉じんが飛んできました。辺り一面、真っ白になり、車も粉じんをかぶりました。車に大きな被害はなかったものの近くには外壁が散らばっていて、大変な事になったと思いました」と話していました。
災害派遣医療チームが到着 “気温が上がり非常に暑い状況”
イオンモール熊本には「DMAT」=災害派遣医療チームが到着し、救出される人たちの治療に当たることになっています。
DMATとして派遣された九州大学病院救命救急センターの松永俊太郎助教は29日午前4時に現場に到着し、午前10時半時点では駐車場に設置された対策本部で医療班として待機しているということです。
駐車場には多くの救急車や緊急車両などが止まっていて、消防や警察などが集まり、対応に当たっているということです。
NHKの電話インタビューで松永助教は「現場では中に取り残されている人が6人ほどいるとみられるという情報があり、捜索が行われている。簡単に内部に人が入れる状況ではないため、ドローンを使用したり救助犬が出たりして捜しているが、今のところ負傷者を見つけることはできていない。現地は気温が上がり非常に暑い状況だ」と話していました。
九州大学病院によりますと、今回の地震で被災地には九州各地から60を超える「DMAT」のチームが派遣されるということで、イオンモール熊本の現場以外にも、被災により診療を続けるのが難しくなった病院からの患者の搬送などに当たるということです。
専門家“いち早い救助を”
イオンモール熊本の捜索活動について、元消防士で危機管理防災アドバイザーの田中章さんに話を聞きました。
田中さんは、今、進められている捜索活動について「非常に大きな商業施設で床や天井に穴が空いていて足場も悪く、ふだんとは異なる空間になっている。要救助者がいる場所を推定し、そこから救助していく方法をとると思うが、手作業でがれきを取り除くので救助には時間がかかる。72時間以内を目標として活動を進めていると思う」と話します。そのうえで「すでに建物が非常にダメージを受けているため、2次災害を防ぎながらの活動になるが、いち早い救助を目指してほしい」としています。
ドライブレコーダー映像に爆発の瞬間
イオンモール熊本で爆発が起きたとき、現場付近を走っていた車のドライブレコーダーが爆発の瞬間を捉えていました。
28日午後5時46分の映像です。突然、画面の右奥で爆発が起き、白い煙のようなものが激しく噴き出しました。爆風とともに建物の破片のようなものが吹き飛ばされているのも確認できます。
走っていた車は止まり、灰色の煙は建物の周囲に広がりました。この車の運転手にけがはなかったということです。
映像を提供した男性は「ほかにも車が走っているように見えたのでけが人がでたのではないかと心配です。爆発の原因が早く究明されることを願っています」と話していました。
約200人が施設外に避難後に爆発
熊本県警察本部によりますと、イオンモール熊本では利用客や従業員、およそ200人が地震直後に施設の外に避難し、その後、爆発が起きたということです。
専門家「部材が飛び散っている 爆発で強い力が加わったか」
火災や爆発に詳しい東京理科大学の桑名一徳教授は「映像を見ると建物の壁や柱などの部材が粉々になって飛び散っているので、『爆発』によって強い力が加わったのではないかとみている」と指摘しています。
そのうえで「現時点では詳しいことは分からないが、ガス設備などが地震の強い揺れで損傷してガスが漏れ、空気と混ざったところになんらかの理由で着火して爆発した可能性がある。広い範囲に被害が出ているのを見ると、建物内などの比較的閉鎖されている空間にガスがたまって爆発に至った可能性があると考えられる」と指摘しています。
政権幹部「ガス漏れと報告あった」
政権幹部の1人は28日夜、記者団に対し、爆発があったイオンモール熊本について「爆発の原因かどうかは分からないが、ガスが漏れていたとの報告があった。ガスの元栓を閉めたうえで警察や消防、自衛隊が救助活動に当たっている」と述べました。
木原官房長官 “捜索時 建物内でガス臭の報告”
木原官房長官は午前の記者会見で、爆発があったイオンモール熊本について「これまでに8人を救助しているが、このうち2人が亡くなっており、災害との関連については調査中だ。また1人が心肺停止の状況ということを聞いている」と述べました。
また「この施設はLPガスでガス供給されており、きのうの消防や警察による捜索時には『建物内でガス臭がした』との報告が入っている。詳細な原因については現在詳細を調査中で、確たることを申し上げる段階ではない」と述べました。
経済産業省「LPガス 主に飲食店などで利用されていた」
経済産業省によりますと、爆発が起きたイオンモール熊本では、LPガスは主に飲食店などで利用されていたということです。爆発の詳しい原因などは、現在調査中だとしています。
イオンモール熊本とは
イオンモール熊本のホームページによりますと、敷地面積は22万4000平方メートル、延べ床面積が12万平方メートルで、スーパーや飲食店、衣料品店のほか、映画館、それに温泉施設などが入る大型の商業施設です。
開店したのは2005年10月で、駐車場には5000台の車がとめられるということです。
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