国民民主党内で都道府県連・地方自治体議員も交えた勉強会が開催されました。
7月29日、青少年がインターネット上の性的広告などに接触する問題について、政府、広告業界、JARO、法制局から説明を受け、意見交換が行われました。
話し合われたこと、明らかになったこと、残された課題(=私の所感・課題感)を私なりに整理しましたのでお伝えします。
★前書き(0/10)
今回、迅速に勉強会を企画してくれた、伊藤たかえ議員には感謝です。地方議員も含めて、問題感を共有し、リテラシーを高めていくことは、党内の多様性を守るためにも必要な営み。廃案になったからスルーではなく、向き合う姿勢と具体的な行動に感謝しつつ、100分の会議で共有されたこと、感じた課題について記載します。
※時間が限られていたことから、幅広い概要説明が主となり、1つ1つの深堀が困難であったことも念頭に、課題感を記載していることをご理解ください。(様々な有識者から勉強すること、参加者の知識の平準化を行うことを行った100分間)
★政府内の検討状況(1/10)
【話し合われたこと】
青少年をインターネット上の有害情報から守るため、現行の「青少年インターネット環境整備法」を見直す方向性が説明されました。
【明らかになったこと】
従来のフィルタリングや啓発だけでなく、
・事業者によるリスク評価
・保護措置の実施
・取り組み内容の公表
・年齢確認
・ペアレンタルコントロール
などを制度化する方向で検討が進んでいることが共有されました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
国が事業者の取り組みをどこまで評価し、改善を求めるのかは、まだ具体化されていません。
子ども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/councils/internet-kaigi/259543e6
★性的広告に関する苦情(2/10)
【話し合われたこと】
JAROから、性的な広告に関する苦情件数と対応状況が報告されました。
【明らかになったこと】
年間1万2,589件の苦情のうち、性的広告に関する苦情は1,937件で、全体の約15%を占めていました。
一方、裸や性行為を直接描写した広告は減少し、現在は性的な文言や表情などを不快とする苦情に変化しているとの説明がありました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
苦情件数は示されましたが、
・実際に何人の子どもが広告を見たのか
・どのような被害が生じたのか
・健康や成長への影響がどの程度あるのか
といった被害の実態は、十分に示されていません。
★広告業界の自主規制(3/10)
【話し合われたこと】
法規制ではなく、広告主、広告配信会社、媒体社などによる自主規制で問題を改善できるかが議論されました。
【明らかになったこと】
JAROや経済産業省が業界団体や広告主に働きかけた結果、
・電子書籍業界がガイドラインを改定
・全年齢向けサイトへの露骨な広告配信を停止
・ゲーム業界も自主規制方針を追加
・広告主が配信先やブラックリストを見直す
など、一定の改善が確認されました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
業界団体に加盟していない事業者や、審査基準が緩い広告会社には、自主規制が十分に及ばない可能性があります。
★ネット広告の仕組み(4/10)
【話し合われたこと】
広告主から利用者の画面に広告が表示されるまでの、デジタル広告の配信構造が説明されました。
【明らかになったこと】
広告は単に「自動的に勝手に表示される」のではなく、
・広告主 ・広告代理店
・ターゲティング事業者
・広告配信事業者 ・媒体運営者
など、複数の事業者が関与しています。
ただし、広告枠が複数回転売されると、広告主や配信元を追跡しにくくなる問題があります。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
問題広告を発見しても、責任主体や配信経路を迅速に特定できない場合があります。
★広告を完全に防げるのか(5/10)
【話し合われたこと】
年齢情報や広告審査技術を使い、子どもへの配信を完全に防止できるかが議論されました。
【明らかになったこと】
SNSなど利用者の年齢情報を持つサービスでは、一定の制限が可能です。
一方、一般的なウェブサイトでは利用者の正確な年齢が分からず、推測に頼るため、技術だけですべての広告を防ぐことは困難と説明されました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
「完全に防げないこと」を前提に、誰に、どの程度の管理責任を負わせるのかを明確にする必要があります。
★国民民主党提出法案(6/10)
【話し合われたこと】
国民民主党が提出した「青少年インターネット環境整備法改正案」の内容が説明されました。
【明らかになったこと】
主な内容は、
・大規模プラットフォーム事業者の指定
・青少年の閲覧を減らす措置の義務化
・相談・通報受付体制の整備
・取り組み状況の公表
・インターネット教育の充実
・民間の評価・調査団体への支援
です。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
「青少年有害情報に準ずる情報」という表現について、対象が広がり過ぎるのではないかとの懸念が示されました。
法案提出者からは、文言の削除や見直しも含めて改善を検討する考えが示されました。
★表現の自由との関係(7/10)
【話し合われたこと】
憲法が保障する表現の自由と、青少年保護をどのように両立するかが主要な論点となりました。
【明らかになったこと】
提出法案では、行政が個々の広告内容を直接「有害」と判定する仕組みを避け、判断を民間主体に委ねる設計とされています。
また、事業者の指定についても、広告内容ではなく売上や事業規模など、客観的な基準を用いる方向が説明されました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
民間団体による評価であっても、
・過剰な自主規制
・広告や表現の萎縮
・事実上の検閲
・行政と民間団体の一体化
につながらないか、制度上の歯止めが必要です。
★海外事業者への規制(8/10)
【話し合われたこと】
海外の広告会社やプラットフォームに、日本の法律をどこまで適用できるかが議論されました。
【明らかになったこと】
日本向けにサービスを提供していると判断される外国事業者については、法案の対象に含める考えが示されました。
一方、海外の広告主や、小規模な広告配信事業者まで把握することは現実的に難しいとの指摘もありました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
海外事業者が義務に従わない場合の、
・行政処分
・罰則
・執行方法
・日本法人がない場合の対応
は、具体的に決まっていません。
★立法事実と科学的根拠(9/10)
【話し合われたこと】
法案を制定する必要性、被害の実態、科学的根拠、国民の利益と不利益について質問が出されました。
【明らかになったこと】
インターネット利用と健康リスクについて、大学研究者などから知見を得て立案したとの説明がありました。
【残された課題】(=私の所感・課題感)
会議では、
・参照した研究の名称
・調査対象や方法
・性的広告と被害の因果関係
・法規制によって得られる効果
・規制による不利益
・他の手段との比較
は具体的に示されませんでした。
★今回の会議で見えた全体像(10/10)
性的広告については、業界の自主規制によって露骨な広告が減少するなど、一定の成果が確認されました。
一方で、
・被害実態の定量的な検証
・表現の自由への影響
・「有害情報」の範囲
・海外事業者への執行力
・政府案と議員提出法案の関係
・自主規制と行政関与の境界
は、引き続き検討が必要です。
「子どもを守る」という目的だけでなく、その手段が必要かつ適切で、表現の自由を不当に制約しないかを、具体的なデータに基づいて検証することが求められます。
★本日、質問をした人
舟山さん→足立さん→鴇崎さん→奥村さん→長南
★私の質問内容(原文まま)
改めてですが、この法律の立法趣旨、立法事実(現状、どれだけ被害があるのか、定量的、定性的、科学的に検証されたのか)、法案制定に係る国民の利益・不利益の整理内容を教えていただきたいです。
※子どもを守る、エロから守るという建前は理解しますが、取り分け『憲法』に踏み込むことに対して、どのような国民の利益があるのか、どのような党内整理をされたのかを教えていただきたいです。
時間がかなり超過していたので、回答はいただけずでしたが、質問文自体と課題感はお伝えできました。