6月に摘発された『ルーブル』

6月に摘発された『ルーブル』

「ようやく戦いに勝った」

 しまさんが解雇を宣告されたのは2025年8月のこと。とても納得できず、当日は仮病ではなく本当に高熱だったこと、刑事告発の意思があることをSNSに投稿した。この発信に反応したのは同業女性や男性客と思しき人々で、店からのリアクションはなかった。

「あの発信はおそらく店の人間も見ていたはず。私に謝るなり何かしらのケアを期待しました。でも何もなかった。お店の姿勢に失望し、刑事告発に乗り出したんです」

 講習を早退して2週間後、しまさんは弁護士事務所に相談。2025年9月13日に吉原地区の管轄である浅草警察署に弁護士作成の刑事告発状を受理してもらった。

「刑事さんには主に『店からどんな性行為の指示を受けたか』の詳細を聞かれ、『なるべく2回戦誘って』などと言われたことや、3回戦までしたこともあると話しました」

 9月16日に供述調書を作成し、同月17日と22日にも単身で調取を受けた。しばらく月日が経ち、2026年5月27日に霞が関の警視庁の生活安全部に呼び出された。

「その時には『ルーブル』周辺や店の前など細かい内偵を行なった際の写真を見せられながら説明しました。摘発の一報を聞いた時は、『ようやく戦いに勝った』と思いました」

 かつて在籍した店への恩はないのか。

「『ルーブル』では2か月で150万円ほど稼ぎましたが、それは私の実力によるものです。恩などありません」

 今後、しまさんは「もう二度と風俗で働くことはない」と言う。

「もともと風俗勤務は家庭の事情でしたが、それも解消されました。再入学する国立大の合否待ちで、受かれば祖母と同じ医療従事者を目指します。風俗に未練はありません」

 こうしたしまさんの主張に対し、『ルーブル』側はどう回答するか。取材を試みたが店の電話は繋がらず、店舗を訪れるも従業員の出入りはなし。ルーブルの姉妹店で現在も吉原で営業中のソープ店を訪ねると、「取材はお受けしておりません。取材窓口もありません」とのことだった。

 吉原ではしまさんを批判する声も聞こえてくる。ルーブルに勤めていた別のソープ嬢Aさんが語る。

「確かに『ルーブル』の接客指導は厳しく、“軍隊ソープ”と言われていた時代もあるほど。ただ、それがサービスの質の高さに結びつき、最高級店としての地位を確立していたのは事実。彼女自身、売春行為を前提に入店したはずなのに、お店の人が気に入らないと売春で刑事告発するのはどうなのか。今回の摘発によって店で働いていた女性たちは仕事場を失ったわけです。そのことにも少しは思いを馳せてほしい」

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