食&酒

2026.07.08 16:15

「98%は飲めたものではない」発言、日本自然派ワイン市場は未だ思春期?

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先日、日本ソムリエ協会のクローズドなセミナーに関する、あるSNSの投稿が瞬く間に拡散され、大きな波紋を呼んだ。

ある名ソムリエが「日本の自然派ワインと謳っているワインの98%は飲めたものじゃない。アレがワインを初めて飲む人の口へ渡ったら一大事」と発言した、といった趣旨の内容だ。

日本を代表するトップソムリエからの厳しい指摘。私自身は現場に居合わせたわけではないため、発言の真意や言葉の切り取りに対する是非の議論は、ここでは一旦脇に置きたい。だが、SNSに投じられたこの一石が、ブームとなって久しい日本の「ナチュラルワイン」の現在地と未来について、私たちが改めて深く考える重要な契機となったことは確かだ。

(記事末に、「初めて書籍を執筆してみて 1 ━━居酒屋の赤ワインで挫折した「元苦手民」だった」掲載)


「自然派」というキャッチコピーがもたらした光と影

そもそも日本における「自然派ワイン」の潮流はどのように生まれたのか。黎明期からナチュラルワインを見つめてきた萩野浩之氏の証言が、その歴史的背景を浮き彫りにする。1990年代末、まだメールすら普及しておらずFAXでワインの案内を一斉送信していた時代。既存の工業化されたワインとは異なる、シンプルでナチュラルな感性を持った造り手のワインを紹介する際、飲食店や買い手の目に留まるキャッチコピーとして考案されたのが「自然派ワイン」という造語だった。

萩野浩之氏(左)。2026年5月に開催されたRAW WINE TOKYOトークショーにて。
萩野浩之氏(左)。2026年5月に開催されたRAW WINE TOKYOトークショーにて。

萩野氏によれば、それは製法を定義する言葉ではなく、「印象派」や「写実派」といった芸術の世界と同じように、あくまで「造り手という『人(感性)』にフォーカスした言葉」だったという。しかし、2010年代以降に市場で一般化するにつれ、言葉は一人歩きを始める。「野生酵母で発酵させ、亜硫酸が無添加であればナチュラル」といった表面的な手法ばかりが先行。ファッションとして自然派ワインを造る者も現れ、豆香(マメ香)や過度な揮発酸といった明らかな醸造上の欠陥(オフフレーバー)までもが「自然の個性」として都合よく許容されてしまう風潮も一部で生まれた。冒頭のトップソムリエによる厳しい指摘も、まさにこうした市場の混乱と品質のばらつきに向けられた警鐘と言えるだろう。

次ページ > 農法に踏み込んだ新基準「サンビオーズ」

文=水上彩 編集=石井節子

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2026.04.10 14:15

「60社をソロ担当」脅威の税理士が339万リーチ長文Xに書いた『Claude駆使の日々』

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今、税理士・公認会計士 畠山謙人氏の長文Xの投稿(「スタッフ0人の税理士が、Claude Codeで顧問先60社を1人で回している全手法」) が339万アクセスと大きな反響を呼んでいる。

 

そればかりではない。同業者、AIコンサルタントなど、読んだ他者が自らのSNSやブログで解説記事や「やってみた記事」を展開しているのだ。

ここでこのバズの元となった畠山氏のXの投稿文を以下、編集の上ご紹介する。


「スタッフ0人の完全ソロ営業」でも顧問先は60社

こんにちは、畠山です。公認会計士・税理士をやっています。今日は自分の事務所の裏側を全部公開します。

僕の事務所にはスタッフが1人もいません。顧問先は60社。税理士業界の相場だと、10社に1人のスタッフが必要と言われています。60社なら6人。人件費にして年間3000万円以上です。

僕はそれを0人でやっています。Claude Codeというツールを使って。

「盛ってるでしょ」って思いますよね。でもこれ、結構マジなんです。

今回は具体的なシステム構成から処理フローまで、全部書きます。同業の税理士やバックオフィスで働いている方の参考になれば嬉しいです。

全体像:僕の事務所のシステム構成

まず全体像を見せます。僕の事務所では、以下の仕組みが毎日自動で動いています。

Claude Code(司令塔)

=毎晩21時 free自動仕訳、毎晩22時 Xフォロワー数値記録
=MCP……freee API │ Gmail │ Gcal │ Notion │ Slack │

Claude Codeが司令塔になって、freee・Gmail・Googleカレンダー・Notion・Slackを全部つないでいます。

ポイントは「人間が毎回指示を出さなくても動く」ということ。スケジュールタスクで毎晩自動実行されるものと、僕がコマンドを打って起動するものと、2種類あります。

次ページ > 1.毎晩21時、60社の仕訳が自動で処理される

文=畠山謙人 編集=石井節子

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食&酒

2026.04.02 14:15

泡は「グラス1杯≒ボトル1本の仕入れ値」? 知恵者は外食でワインをこう選ぶ

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「これまでに数百人とフランス料理会食した」という食の達人であり著名フーディー、レストラン紹介メディア「タケマシュラン」主宰のタケマシュラン氏。食べログフォロワー数は2万人に迫り、紹介した店は「即日予約が取れなくなる」とも言われるほどの、恐るべき影響力を持つグルメインフルエンサーだ。

料理のおいしさのみならず店の雰囲気、サービス、哲学などをオールラウンドに見る氏の辛口グルメレビューは絶妙なユーモアと皮肉にくるんだ容赦ない舌鋒に定評があり、絶大なファン層の厚さを誇る。

Forbes JAPANでは、書き下ろし寄稿で氏の哲学思想を紹介していく。好評を博した前回の「ご馳走される会食」のマナー。事前・注文・会計時・お礼・事後までの基本動作 に続き、今回は「店でのワインの選び方」について。読者諸兄はそれぞれの美意識、経験に照らしつつ、参考にしていただきたい。


泡は「無難」、しかし「ベスト」に非ず

今回はフレンチやイタリアンなど、欧米系のレストランにおけるワインの選び方について考えていきましょう。

本稿はあくまでかなりの初心者向けのガイドです。プロや愛好家の方々から見れば、もしかすると「それは乱暴すぎるのでは?」と眉をひそめられる記述があるかもしれません。しかし、ここは難しい専門議論を戦わせる場ではなく、まずは皆さんにレストランを気楽に楽しんでいただくための場所。その点、あらかじめ言い訳としてご承知おきいただければ幸いです。

さて、席に着くとソムリエから「最初のお飲み物はいかがいたしましょうか?」と問いかけられます 。以前公開した 【秘伝まとめ】高級レストランで「一流の客」と囁かれるマナー52という記事では「食前酒はシャンパーニュが無難」とお伝えしました。しかし、これはあくまで「無難」なだけで、必ずしも「ベストな選択」とは限らないのが面白いところです。なぜなら、グラスで提供されるシャンパーニュは、往々にしてかなり強気な価格設定(つまり割高)になっていることが多いからです。

というのも、シャンパーニュは抜栓した瞬間からガスが抜け始め、刻一刻と品質が落ちていく足の早い飲み物だからです。客入りの悪い日には、出しきれず廃棄せざるを得ないリスクが常に付きまといます。お店側はそのリスク分を価格に転嫁せざるを得ず、どうしても割高な設定にならざるを得ないのです。さらに、客側の心理も影響しています。「乾杯はやっぱり泡でしょ」「今日はお祝いだし」と、特別感を理由に財布の紐が緩みやすいアイテムであることも、価格を押し上げる要因のひとつ。業界内では「グラス1杯の価格≒そのボトル1本の仕入れ価格」と主張する人がいるほどです。

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次ページ > ボトルは「仕入れ値の3倍」程度

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2026.06.18 15:15

新卒アマゾン入社の河越恵美に聞く。「就活スーツ」、初配属、現在のキャリアで何に夢中か

AIの活用により、世界的な労働力のシフト・再配置(AI失業)が吹き荒れている。日本における新卒一括採用の異質性がより際立つ中で、今、日本人が外資系企業に新卒入社する意義・リスクは何なのか?

新卒でアマゾンへ入社、現在はスタートアップ(ブルード社)で海外現地採用メンバー第1号としてブリスベン(オーストラリア)で働く河越恵美へ取材した(バリキャリも、海外永住も。どちらも諦めない3つ目の道)。

高校時代に単身カナダへ留学し、その後Amazon Japanへ新卒入社。新卒で入社したAmazon Japanで築き上げた5年半のキャリアを手放し、オーストラリアに移住。彼女の生き方には、一貫して、「(恵まれた)環境をも変えることを厭わない」という姿勢・選択肢がある。

なぜ彼女は、安定したレールから何度も飛び出せるのか。

新卒で入社したAmazonで学んだこと、海外で変わった価値観、そして「自然体」で働くという思想について聞いた。

※なお、本コラムは全て、発言者の個人的見解であり、いかなる所属組織とも無関係です。


「新卒採用」という日本独自の制度に魅力を感じた

──まず、Amazonに新卒入社するまでの経緯から教えてください。

河越 恵美((以下「河越」):私は高校からカナダに留学して、そのまま大学も現地に進学しました。大学3年生くらいになると、「現地で就職するか、日本に帰るか」をみんな考え始めるんです。

カナダの高校留学時の様子

当時はやりたいというよりも得意という理由で会計学を専攻していたのですが、カナダで就職するとなると、ほぼ会計士の道に進むことになる。でも私は、そこまで職種を決め切れていなかったんですよね。

その時に魅力的に見えたのが、日本の「新卒採用」でした。海外だと大学の専攻がそのまま職業に直結しやすい。でも日本の新卒採用は、まだ可能性を広く持ったまま大企業に入れる。そこにすごく価値を感じました。

──Amazonを選んだ理由は?

河越:コンサルや外資金融より、「事業を動かしている会社」で手触り感をもって働きたかったんです。あと、まだキャリアの可能性を狭めたくなかった。

Amazonの採用担当者からも、「キャリアは自分で作るもの」「海外異動も可能」と言われていて、そのカルチャーに惹かれました。実際、入社後もギャップはなかったですね。会社側から役割を与えられるのではなく、みんな本当に、主体的に次のポジションを選び、手を挙げて、キャリアを構築していっていた。

「就活を舐めていた」くらいがちょうどよかった

──選考対策はかなりされたんですか?

河越:むしろ逆でした。正直、かなり自然体でした(笑)。

就活スーツも、白シャツじゃなくて自分に似合うブラウスを着ていましたし、「これでダメなら、その会社とは合わないんだろうな」くらいの感覚でした。

面接も、準備しすぎると“作った自分”になってしまうので、最低限しか対策しなかった。聞かれたことに、その場で素直に答えることを意識していました。

──会社によって、合う合わないがはっきりとでそうですね。

次ページ > 学歴は「土俵に立つ」ためのもの

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