生まれた子どもを匿名で託す「赤ちゃんポスト」と、病院側にのみ身元を明かして出産する「内密出産」。
子の命を守る試みとして民間の病院が先行するなか、大阪府泉佐野市がこれに続こうとしています。
行政主導では全国初となりますが、実現にはいくつかの課題もあります。
この記事が解説するポイント
①「赤ちゃんの遺棄や殺人を防ぐ」
②ふるさと納税が財源「問題はない」
③「受け入れ先が見つからない子が…」
④「55億万円余り」19年後の試算
⑤「出自を知る権利」への対応まだ
①「赤ちゃんの遺棄や殺人を防ぐ」
赤ちゃんポストは2007年、熊本市の慈恵病院が「こうのとりのゆりかご」として国内で初めて開設した。21年には内密出産も始めた。
「安易な育児放棄を助長するのではないか」との声もある。
ただ予期しない妊娠や孤立出産が、乳児の虐待死につながることへの危機感がある。
こども家庭庁によると、23年度に虐待死が判明した子ども65人のうち、心中を除くと、生後24時間に満たない「0日児」が16人いた。
このうち医療機関の関与があったのは1人だけ。ほかは公的機関の関与もなかったという。
慈恵病院の蓮田健院長(60)は赤ちゃんポストと内密出産について、法整備がされておらず「グレーゾーンの取り組み」としつつも、「赤ちゃんの遺棄や殺人を防ぐための、最後のセーフティーネットだ」と語る。
②ふるさと納税が財源 「問題はない」
「大切な命を守る取り組みこそ、行政主導でやらなければならない」
泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長が導入を表明したのは、昨年5月のことだ。
新生児集中治療室(NICU…