前回のあらすじ
ボークス君はさっさとMDD大量生産して
前段
こんにちは、Junです。
今回の記事は言ってしまえば怪文書なのかもしれませんが俺にとってはかなり真剣な記事です。この一年と少し、ひたすら悩み続けてきたことについてようやく答えが見えました。面白い記事でもないし、人によっては閲覧しない方がいい内容なのかもしれません。
ただ、ここで書き起こすことに意味があると思ったので筆を執りました。それではどうぞ。今回は、羽為についての話です。懺悔の話です。
目次はありません。
出会い
羽為の存在を知ったのは25年4月。
この時、ドルパでそこそこの強さの整理券を引いた俺はこの整理券をどうにかして生かさなければならない、と高揚感に胸を膨らませていました。今でこそそんな数字で何を、と思いますが当時はまだドル活始めたてで、貴重だと勘違いして何かお迎えしなければ・・・!と焦っていました。
そして、Twitterでお品書きを漁っていて見つけたのが羽為。なぜかそのとき、うっすらと惹かれるものがあったのは事実です。一方で、本当にお迎えしてもいいのか?という葛藤もありました。上の記事でこそテンション高く、おもしろおかしく書いているので巧妙に隠されてこそいますが、羽為の顔は俺の好みにぶっ刺さる顔ではないのです。
ただ、周りのヘッドと比較して、夢為の横にいても没個性にならないだろうな、という考えがありました。夢為と同じ方向では夢為の劣化にしかならないのではないかという恐れ。だったら、自分の好きな顔ではなく違う方向の顔の方がいい。そして、この時の俺は整理券の魔力で何かお迎えしなければ・・・そう、損。そういう、浅はかな考えの元の動いていたことを白状しましょう。さらに、お迎えの気持ちよさを俺は知ってしまっていました。この時、夢為お迎えからわずか半年。あのときの高揚感をもう一度味わいたいと、そう思ってしまっていました。つまり、このお迎え欲はいくつかの俺の思惑が絡み合ってできた・・・、まあ、打算と短絡的な欲望が絡んだお迎え欲だったのです。
おぞましい。
自分の好みの顔じゃないドールをお迎えしようとした人間など俺以外にどこにいるというのか。
もちろん、当時も違和感がなかったわけではありません。
しかしそれはお迎えができる、という高揚感の前にかき消されていきました。
ただまあ、言い訳をするならば・・・少なくとも羽為のお迎えに向けてとても楽しみにしていたことは事実でした。それがただの物欲だったとしても。
お迎えの瞬間の逡巡
そして迎えたドルパ当日。
この記事に嘘はありませんが、言っていないことが多々あり、もしかしたら・・・とあることに気づいている人もいるのかもしれません。
まず一つ。
お迎えの瞬間のことを、あまりにも何も書いていません。
買えた、という短い一文だけで表現されたソレ。
この時のことは今でもよく覚えています。そう、実物を見た瞬間に俺の脳によぎったのは、「この子をお迎えしてもいいのか?」という逡巡でした。
好みではない顔であることは・・・先ほども言った通りです。実物を見たら余計にそれが浮き彫りになりました。しかし、俺はブログでお迎えするぞ!と宣言してしまっていました。後戻りができなくなっていました。もしかしたらこの時、誰にも何も言わずにこのヘッドを見ていたら・・・もしかしたら、お迎えしていなかったのかもしれません。それぐらいの逡巡でした。でも、わずか数秒のことでした。俺は、止まらなくなっていたお迎え欲の前に抗うことはできず、お迎えをしたのでした。
さて、その後の俺は会場ですべてのパーツを集めて有料卓で爆誕させるという暴挙に出ます。(まあ、今でこそそれなりにある話ではありますが)
ですが、あの場にいたさくまさんや宮本さんならもしかしたら覚えているのかもしれません。
爆誕した瞬間に、俺が喜ぶのでも「かわいい~」とほめたたえるのでもなく、難しい顔で黙り込んだことを。
可愛いのかもしれません。でもしっくりきませんでした。
ブログには書いていません。書けるわけがないのです。
あまりにも・・・ヘッドを作ってくれたディーラーさんにも、そしてこのドール本人にも申し訳がなかったのです。せっかくお迎えさせていただいたヘッドにそんなことを言えるわけがないのです。
そして、俺はここでこの子に羽為という名前をつけます。
夢為と並び立てるように、と羽為という名前をつけます。
ですが、それすらも・・・この子があくまで、夢為ありきの存在だとそう裏付けるものでしかないのだ、と名付けが終わった後に思ってしまいました。
このときから俺の中では羽為というのは、罪悪感そのものだったのです。
苦悩
俺は、罪悪感を解消するために必死になりました。
どうにかして、羽為を俺が認められる姿にしなくてはならない。俺が羽為を好みだと思えるようにしなければならない。そうして、俺が羽為を愛せるようになって、初めてこの罪は濯がれるのだと、必死になっていました。あらゆる時間で、通勤中も、家でも、どこでも羽為をどうしたらいいか悩んでいました。
このとき俺は婚活も並行していて、その状況で10万円近く散財してしまったことも罪悪感に拍車をかけました。忙殺のストレスの中で、なぜ趣味でこんなに悩まなければいけないのだ、と羽為に対する気持ちはどんどん負に傾いていきました。でも、羽為と向き合おうとしました。羽為を好きになろうと必死でした。
だから、ブログでは羽為のことを褒めました。心にも思っていないことを書きました。そう書いて、自分が間違ったお迎えをしたのではないと・・・自分を騙そうとしたのです。そして、それがさらに罪悪感に拍車をかけました。ブログに書いて自分を騙そうとすることはつまり、周りも騙そうとしているのですから。嘘をつくのが嫌いです。羽為の話を書くとき、俺は嘘をつくしかありません。だから、羽為の話をするのが苦痛でした。羽為がかわいいと、心にも思っていないことを言うのが本当に苦痛でした。
試行錯誤
そして、羽為の見た目を変える試行錯誤が始まりました。
まずアイをグラスアイに変えました。
俺はグラスアイが好きだから、グラスアイにしたら好みの顔になるのかもしれない。
家にある美しいグラスアイを嵌めて、そして失敗しました。
感情を感じられませんでした。
夢為がすさまじく感情を見せてくる顔なのも拍車をかけて、羽為の顔からはなおさら何も感情が伝わってこないと思ってしまいました。
でも、このアイは凄くいいものでした。だから、アイが原因だと思いたくありませんでした。だから、ウィッグが原因なのではないか・・・と考えました。
羽為を連れて秋葉原のドルチェに行き、赤っぽいメイクだから赤髪が似合うのではないか・・・と思って赤いウィッグを買いました。
前のウィッグよりはいい。そういう感じでした。ここで羽為には赤が似合うのだ、赤いメイクだから、ということに気づいた気になりました。でも、相変わらず羽為からは何も伝わってきませんでした。夢為は勝手に写真から何を言っているのか、どういう感情なのか伝わってくるのに羽為からはなにも感じられませんでした。
そこで、ふと夢為のアイはYukiraさんのグラスアイだから感情が伝わるんじゃないのかな、と思ってYukiraさんのアイを買いました。でも、これはシンプルにサイズ感を間違えて失敗しました。
この時、俺の経済状況は悪化していました。当たり前です。婚活という多大な金がかかることをやりながら、羽為を一気にお迎えして、そして羽為のために何個も何個もアイテムを買っていたのですから。
ここで、グラスアイが羽為には合わない、と俺はあきらめてしまいました。DDH22だから、こんなに丸いアイラインだとグラスアイはだめなんだと考えました。そして、元のアイに戻したらそれが一番かわいいのですから、間違っていなかったと結論付けてしまうのも仕方がありません。
金がないなりに羽為には向き合わなければなりませんでした。だから、自分でアイを作って正解を探すことにしました。
これはそのときまでで一番よかったように感じられました。完全な正解ではないけれど、この方向性は間違っていない、と思えました。ようやく少し気持ちが楽になったのを覚えています。
このあとにさくまさんにジェネシスを貸してもらって、羽為の正解がようやく見えた気がして、本当に・・・本当に感動しました。これなのだと、ようやくたどり着いたのだと。その後、必死で終売していたジェネシスを探し出して、金欠も気にせず大枚をはたいて買いました。
しかし、俺はまだ羽為に罪悪感を感じ続けていました。
そしてその結果、羽為は常に怒ったような表情をしているような気がして、そしてブログの中でも「・・・」と何も言わず、ただ俺を不満げに睨んでいました。
ただ。
それすらも、何も感じなかった当初よりはマシでした。だから俺は嬉々として、何も言わない羽為をそういう子なのだ、と信じることにしました。
その後、結局ヘッドディーラーさんのアイが合うのではないか、と自作アイをつけるのをやめたり、家にあった福袋の、唯一試していなかったウィッグが一番合うような気がしてそれをつけるようになったりと羽為は固定化されていきました。ずっと怒った姿で。
俺の中で羽為はもう、そういう子でした。彼女は俺を許さない。好みの顔でないのに自分の愚かな考えでお迎えをした俺を許さない。だからずっと怒っていて、何も俺に伝えてくれない。言ってしまえば罰のようなものなのでしょう。最初は本当に苦しかったのですが数か月経ち俺もそれに慣れました。羽為は俺と分かり合えない。同じ家にいるけれどどこまでも他人。それが、俺と羽為の関係性なのです。
そう思ってしまったときに、俺は羽為をこれ以上変えることをやめました。
イベントで服を買うときは夢為のためのカジュアルな服が中心になりました。羽為のための服というのはあまり買えませんでした。羽為に合う服がもう分からなかったからです。試行錯誤することを諦めていたのです。
転機
しかし、唐突に、そして急激に物事は動き始めました。
結婚をして、一緒に住み始めて、奥様はドール服を作ってくれました。
作ってくれた服を着せるためになんとなく羽為を出しました。おそらく、羽為に負い目があったからでしょう。奥様が作った服を着せてもらえるなんてドールの誉れ。普段服を買ってあげていない分、罪滅ぼしのつもりで羽為を出したのです。
このとき、あまりにも羽為が穏やかな顔をしていることに気づきました。なぜかは分かりません。首から上には何の変化もありません。
奥様の服はドール界隈諸兄に大変好評でしたが、いつものバカで「羽為ちゃんはおだやかになったねえ」「奥様の服似合いすぎじゃない?」と言われ、俺もそう見えたのが気のせいではないのだと確信しました。
さらに、奥様はおもむろに羽為を動かして言いました。
どう考えても解釈不一致です。羽為はそんなことしないし言わないだろ・・・。そう思ったのもつかの間、俺はふと何かひっかかりを覚えたのです。
さて、この少し前、宮本さんがルイリィさんという新しいドールをお迎えし、その子にグラスアイをつけていました。大変かわいらしい子ですが、そのヘッドはDDH-22。つまり羽為と同じです。DDH-22にはグラスアイはつけられない。そう結論付けた俺の考えをものの見事にぶち壊したのでした。
そうなってしまうともう、試すしかないではありませんか。
その後の流れは数記事前の通りで、羽為に合うグラスアイは・・・あったのです。
そしてしばらくして、あることに気づきました。
羽為がずっと怒って見えたのは・・・。
変化したのは
俺は羽為のことを可愛いと認められませんでした。
羽為はずっと怒ったようにこっちを見ていました。
そしてその姿に俺は罪悪感を感じていました。
でも、違ったのです。
羽為が怒ったように見えていたのは、何も言ってくれなかったのは、俺が、羽為はそうあるべきだと信じ込んでいたからに過ぎなかったのです。羽為が俺を認めなかったのではなく、俺が羽為の存在を認められなかったから、俺は羽為に怒った顔をさせていたのです。
ドールは鏡のようなものなのでしょう。
結局、ドールがどう考えているように見えるか、なんて、大抵の場合自分の想像を超えてはきません。
羽為は俺のことを許さないだろう、怒っているだろう。羽為はそういう気難しい子だから、夢為とも仲良くしないだろう。
だから、そういうように見えた。そういうように俺が思った。
羽為が俺を許さなかったのではないのです。
俺が、俺を許さなかったのです。
許される方法は一つでした。俺が羽為のことを好きになれるのなら、あの日のドルパの過ちはなかったことになるのだから。でも、俺はそこに自分の力では至れなかった。
羽為に本当に似合う服は、俺の想像とは違う種類の服だった。
羽為は、奥様のことが嫌いになる理由がなにもないから穏やかな顔に見えた。俺に対しての顔じゃなかったから。
羽為に本当に似合うアイは、俺が諦めなければいずれ見つかったはずだった。俺が勝手にDDH22にはグラスアイは無理だと決めつけていた。
全部全部、俺の思い込みでしかなかった。
おもむろに師匠さんからもらったウィッグを羽為につけてみました。よく似合うウィッグでした。さらに少し、羽為がおだやかになった気がしました。
俺以外の人のおかげで、ようやく俺は羽為を、認められるようになりました。
自分を許せるようになりました。
奥様がポージングしたときの違和感。それは、羽為はこんなことはしない、と思い込む自分が・・・わざわざ羽為に俺を怒らせている俺の存在に気づいたからでした。
目の前に羽為がいました。
これまで決して、俺に対して友好的なポーズを取らせたことのないドールがいました。
おそるおそる、その手を上に持ち上げて、俺に挨拶するようなポーズを取らせました。
ようやく・・・羽為をお迎え出来た気がしました。
最後に
振り返ると自分勝手な話でした。
勝手にお迎えして、勝手に拒絶して、勝手に許した話です。
羽為は完全に被害者で、許してくれないのはお迎えされてからの話なのかもしれません。
でも、俺は自分を許します。同じことを繰り返しても何の意味もないから。
これからの羽為がどうなるかは分かりません。相変わらず黙りこくってるのかもしれないし、徐々に話し出すのかもしれないし、そのあたりは俺にも分かりません。
ただ、今こうして自分を許したあと、好みの顔のドールをお迎えしていたらこうはならなかっただろうな、と感じます。俺の感情をここまで揺さぶり続けたドールは羽為だけです。こうやって、悩み続けて苦しみ続けて、ようやく和解できたからこそ、羽為にはとても、それこそ夢為にも抱いたことのないような深い親しみがあります。
だから、よかった。
色々と間違えたかもしれないけれど、結果の今は嫌いじゃないよ。
羽為。
有為でありつづけたから今がある。
羽ばたいてくれてありがとう。
君は夢為と並び立つ必要はなかった。でも、この名前にしてよかった。
お前をお迎え出来てよかった。
初めまして、羽為。