氷河期世代の男性は“KKO”?:「弱者男性」1600万人、低賃金、未婚、その末路は #エキスパートトピ
2014年「男性の5人に1人が生涯未婚」との見出しが新聞に踊った。1980年には約2.6%だった未婚率が20%を超え、非正規社員の30代の7割が未婚。正社員の「結婚願望あり」52.6%に対し、非正規社員は39.6%だった。この元凶は賃金格差のみならず、努力不足と自己責任論も跋扈した。やがてSNS界隈では、氷河期世代の男性を「KKO(キモくて金のないオッサン)」「弱者男性」と冷笑する動きも拡大した。この無責任なレッテルを、本人までもが自認せざるを得ない、令和の男性の生きづらさの正体とは。
ココがポイント
弱者男性とは、社会的・経済的・性関係的に劣位に置かれがちな人々を指す概念
出典:Surfvote 「弱者男性論」に共感するところはありますか? 執筆者天野 彬 2025/4/9(水)
メンズリブの運動が、しだいに「非モテ論壇」へ(略)階級闘争としての性質をもつ「弱者男性論」があらわれてくる。
出典:webゲンロン 弱者男性論は誰のため?──氷河期世代から頂き女子りりちゃんまで|速水健朗+藤田直哉+山内萌ゲンロン編集部 2025/2/14(金)
男性の約26.2%が自分を弱者だと認識しており、全国民に当てはめると約1600万人(略)男性の4人に1人が、弱者男性
出典:集英社オンライン 日本人の8人に1人が弱者男性…「キモくて金のないおっさん」は本人の努力不足が原因なのか? 調査で見えてきた「日本の男性の現在地」 トイアンナ 2024/7/25(木)
支援が欲しいです。経済的なものはもちろん、たとえばレイプの被害に遭った男性向けに、ホットラインがあるとか
出典:日刊SPA! 「年収200万円」と普通に言える世の中へ。“弱者男性問題”を風化させないために必要なこと 2024/1/22(月)
エキスパートの補足・見解
非正規で働く男性の50歳時点の未婚率は、20年の国勢調査で6割に達した。弱者男性と自認する理由のトップは「低年収」。「友人が少ない」「人と話すのが苦手」と続く。今や「結婚して子どもをつくる」ことは、社会的に「成功した人生」の象徴となってしまった。
他者との関わりの希薄さは孤独感を助長し、自尊心を低下させ、心身の健康にも甚大な影を落とす。「男らしさ」を強要されてきた氷河期世代以上の中高年は、苦しくてもSOSを求めることすら恥だと感じ、孤独の負のスパイラルに入り込むリスクが高い。
世界的に見ても中高年男性の幸福度は低く、孤独死は女性の5倍。その上65歳以上の相対的貧困率は男女とも上昇傾向にあり、男性は20・3%と5人に1人が貧困だ。
むろん単身女性は35・1%と「弱者女性」も深刻である。しかしながら、KKOというネットスラングが示すように、男性はその経済的困窮さえも「キモい」と冷笑される。その「社会のまなざし」こそが、彼らの生きづらさの正体だ。
直視すべきは「家計調査」等で、総世帯の5%にも満たない、「世帯人員4人、有業者1人(夫婦と子2人)」を標準家庭とし続けている国の硬直性だ。弱者男性も女性も政治の不始末なのだ。
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