「ハンコも帳簿もない」昭和HD、内部管理崩壊で8月25日上場廃止
東京証券取引所は24日、スタンダード市場に上場する昭和ホールディングス(昭和HD)について、8月25日付で上場廃止にすると発表した。取締役との連絡途絶や実印・帳簿類の所在不明など、異例の内部管理崩壊が表面化していた同社に対し、東証が改善の見込みなしと最終判断を下した形だ。8月24日までの1カ月間は整理銘柄に指定され、投資家に最後の売買機会が提供される。
上場廃止の直接的な引き金は、東証が「内部管理体制が適切に整備・運用される見込みがない」と断定したことにある。東証は7月14日付で昭和HDを監理銘柄(審査中)に指定し、同社へのヒアリングを続けてきたが、内部管理体制の実行を担う従業員の存在すら確認できなかった。再構築に向けた具体的な計画も示されず、東証は「実効性を評価できない」として上場廃止を決めた。
問題の発端は7月8日に遡る。昭和HDは同日、6月29日に開催された株主総会で再任された取締役5人のうち3人と連絡が取れなくなったと発表。さらに、会社の実印や帳簿類などが前経営陣から引き継がれていないことも明らかになった。上場企業として最低限必要な内部統制の根幹が失われている実態が、一気に露呈したのである。
昭和HDは1937年にゴム栽培から製品製造までを一貫して手掛ける企業として設立され、1952年に東京証券取引所に上場した老舗企業だ。東証グロース市場の上場企業や老舗のゴム製造会社などを傘下に収めていたが、株主総会の直前に借金の担保として株式を子会社2社に差し出し、その2社を含む主要な子会社が連結から外れたとされる。グループ全体のガバナンスも深刻な機能不全に陥っていた。
東証の上場廃止決定を受け、昭和HD株は8月24日までの整理銘柄期間中に売買が可能となる。整理銘柄への指定は、上場廃止が決まった銘柄に対して投資家に売却の機会を与えるための措置だが、通常、株価は大幅に下落する傾向にある。同社のケースでは、実印や帳簿類の所在不明という前代未聞の事態に加え、主要子会社が連結から外れた可能性も指摘されており、企業価値の毀損は極めて深刻だ。
今回の上場廃止は、上場企業に求められる内部管理体制の水準を改めて浮き彫りにした。東証が市場区分の見直しを通じてガバナンス強化を求める中、取締役との連絡途絶や実印の所在不明といった基本的な統制すら機能しない企業は、もはや上場を維持できないという厳格な姿勢を示した格好だ。
市場関係者からは「監理銘柄への指定からわずか10日程度で上場廃止が決まるのは異例の早さ」との声も上がっている。東証がヒアリングを重ねても改善の糸口すら見えなかったことが、迅速な判断につながったとみられる。昭和HDの株主にとっては、整理銘柄期間中の売却判断が迫られることになるが、企業実態の不透明さから買い手を見つけるのは容易ではないとの見方が大勢だ。
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