やっぱり皇室を消滅させたい朝日新聞 憲法第二条の改正を訴えては

大手町の片隅から 乾正人

改正皇室典範が可決、成立した参院本会議=7月17日午前、参院本会議場(相川直輝撮影)

大学院に通っていた友人がある日突然、姓を変えた。

本人が積極的に望んだわけではない。跡継ぎのいない会社(中堅企業)オーナーの養子候補として白羽の矢が立ち、とんとん拍子に話が進んだのだ。40年近くも前の話である。当初は友人たちもとまどったが、結婚し、子供が生まれたころからごく自然に新たな姓で呼ばれるようになった。今では、会社も堅実に成長し、子供も跡を継ぐ気満々なようで、めでたし、めでたしである。

「養子」がうまくいく条件

もちろん、すべての養子がうまくいくわけではない。「小糠三合あったら養子に行くな」ということわざがあるくらい〝マッチング〟は、至難の業だ。友人の例からすると、うまくいくためには、実の親と養親の寛容さ、それに子の強い覚悟が必要不可欠だ、とつくづくと感じる。

皇室典範が改正され、昭和22年に臣籍降下した旧11宮家のうち15歳以上の男系男子(独身)に養子縁組の形で、皇籍復帰に道が開かれた。

画期的な法改正だが、庶民でも大変なのに、皇族が養子をとる困難さは容易に想像できる。

15歳で臣籍降下し、94歳のいまも矍鑠(かくしゃく)としている第24代伏見宮家当主・伏見博明は、産経新聞の取材に「臣籍降下の後に生まれた人たちは、急にみんなが宮さまになれと言われても、言葉遣いや皇族としての生き方を覚えるのに大変でしょう」(「話の肖像画」令和7年9月30日付)と語っている。

このインタビューの後、当主は、「何かあったときは真っ先に皇室をお守りしなければならないという意識は、いまも旧宮家に共通しているはず」と話されている。

旧11宮家で、強い覚悟を持つ15歳以上の男系男子はおられると思う。

「38親等の隔たり」と難癖

しかし、朝日新聞や共産党の機関紙「しんぶん赤旗」などは、「11宮家の方々と天皇との共通の祖先は、約600年前の室町時代までさかのぼる」「36から38親等の隔たりがある」と難癖をつけている。

朝日新聞の社説は、「『男系男子』は明治期、旧皇室典範を定める際に確立された考え方で、『男性尊重の国民感情・慣習』が有力な論拠だった。当時の男尊女卑的価値観を反映したと言える」(7月18日付)と書いているが、なんと浅薄な論議か。明治時代よりはるか昔から天皇は「男系男子」で継承されている史実を捻(ね)じ曲げている。まぁ、その点は読売新聞も同じだが。

せっかくの皇室典範改正も、朝日や読売が書き立てる旧宮家への「難癖」によってつぶされかねない。

中でも朝日らしさが出ていたのが、有田某(なにがし)という記者が書いた「天皇制『なぜ』続けるのか問う」(7月19日付)というコラムである。

「天皇制を『どうやって』続けるかの議論はなされても、『なぜ』続けるのかの議論はない。無理をせずに消滅したら、何が問題なのか」

要は「世襲的身分を廃止したこの国で、そこだけ特権的な身分が残されている」皇室を消滅させたいようだ。正直で誠によろしい。ならば、社説で、皇位の世襲を定めた憲法第2条の改正を訴えたらどうか。彼が論説主幹になる日が待ち遠しい。=敬称略(コラムニスト)

=次回は8月7日掲載予定

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