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4月30日、辞職した日に会見をひらいたひかりさん 撮影/小川たまか
4月30日、辞職した日に会見をひらいたひかりさん 撮影/小川たまか

被告は大阪地検の元トップ。性被害を告発した女性検事が辞任を余儀なくされるまで

性被害を告発した女性検事が辞任を余儀なくされた背景 前編

職場の上司から性被害を受けたことを告発したことから、大切にしてきた仕事を辞めざるを得なくなる――その状況を、みなさんはどのように思うだろうか。

5月29日に最高裁前でスタンディングデモが予定されているのが、検察の現場で起きた性被害をめぐる件だ。いったいなぜこのようなことになっているのか。そして問題点はなにか。多くの性暴力の裁判を傍聴し、今回の事件も取材を続けてきたライターの小川たまかさんが詳しく伝える前編では、誤解も生じている本件についての事実関係を振り返る。

※記事内に、性犯罪事件の被害内容を記載しています。

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性被害を訴えた女性検事が4月30日に辞職

大阪高検・元検事正の北川健太郎被告からの性被害を訴えた、女性検事・ひかりさん(仮名)が4月30日に辞職した。法務大臣と最高兼検事総長に宛て、検察庁や法務省から独立した専門家による第三者委員会の設置や調査などを求める要望書を提出していたが、叶わなかった。

ひかりさんはこれまで何度も記者会見を行い、組織内の二次加害が深刻であった点や、検察からの説明が不足していることなどを訴えてきた。この事件に関しての論点はいくつもあるが、この原稿では、今年3月に行われた記者会見で代理人である田中嘉寿子弁護士(元検事)が指摘した、PTSDと「致傷」の関係について考えたい。

4月30日、ひかりさんが辞職した日に大阪で開かれた記者会見。右からふたりめが田中弁護士 撮影/小川たまか
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北川健太郎被告は2024年4月に準強制性交等罪で逮捕され、その後、起訴された。

ひかりさんや田中弁護士は、ひかりさんがPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症していることから準強制性交致傷罪に訴因変更するよう伝えている。しかし検察側からは納得できる説明がないまま避けられているのだという。性暴力に加えて傷害を負わせた場合、罪状には「致傷」がつく。そしてこれまでにも、性犯罪の被害者がPTSDを負ったことを「致傷」と認めた裁判例は存在する。

準強制性交等罪(現・不同意性交等罪)の量刑は5年以上だが、準強制性交等致傷罪(現・不同意性交等致傷罪)の場合、無期または6年以上となる。また、性犯罪では致傷か致死の場合のみ、裁判員裁判となる。

田中弁護士は会見で「これは私の憶測」と前置きした上で「致傷になると裁判員裁判になる。より多くの国民の目に検察の恥部が晒されるのがよほど嫌なのかなと」と語った。

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